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ミステリの祭典

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ミレニアム2 火と戯れる女

作家 スティーグ・ラーソン
出版日2009年04月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 レッドキング
(2024/12/04 22:16登録)
「ミレニアム」第二部。第一部ではサブ主役だった「竜の刺青の女」がメインを張るバイオレンスサスペンス。精神異常のレッテルを貼られながらも、まぎれも無く異能の天才である女。老若見境なく「いい女」に手を出しながらも、好色男の攻撃的猟食性はない「リベラル」な精神の男。それぞれに関わりある二件の射殺事件の、Whatミステリ巻き込んだサスペンスが、ハードに軽快に疾走して行く。終盤の手に汗握るバイオレンス感、半端なく面白い。(こんな面白くて、ミステリとしてよいの?)

No.1 6点 YMY
(2018/06/03 12:07登録)
「ミレニアム1」で衝撃的なデビューを飾ったヒロインのリスベットが、この二作目でも活躍する。今回は、リスベットの過去が明らかにされ、彼女の心の奥にまで入り込むことができるでしょう。
前作で天才ハッカーとしての能力を駆使して多額の金を手にしたリスベットは、ミカエルへの辛い恋を封印してストックホルムを離れていたが、一年ぶりに帰国する。だがそこでは、彼女に徹底的に懲らしめられた卑劣な弁護士が恨みを晴らそうと計略を練っていた。かたや雑誌「ミレニアム」の編集部に復活したミカエルは、少女の人身売買を特集することに。しかし、告発を知った連中が口封じを企て、取材者側の身に危険が迫ってくる。
リスベットは、たびたび命を狙われるうえ、殺人容疑までかけられるが、小柄ながら素晴らしい反射神経を機知と天才ハッカーとしての才能を活かして、一人で毅然と戦おうとする。
誰にも頼らず甘えず、強力な敵に立ち向かうリスベットの凛とした強さは感動的。他人を寄せつけまいとする彼女の生き方の裏にある孤独が胸を刺した。

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