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ミステリの祭典

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龍樹さんの登録情報
平均点:7.36点 書評数:14件

プロフィール| 書評

No.14 7点 魍魎の匣
京極夏彦
(2016/02/13 18:02登録)
基本点:5点
エスエフ的な密室トリックに:+1点
怪奇譚とミステリの融合に:+1点
合計:7点

話としては「姑獲鳥の夏」より豊かだが、肝の部分では一歩譲っている。


No.13 8点 姑獲鳥の夏
京極夏彦
(2016/02/13 17:55登録)
基本点:5点
ユニークな密室設定に:+2点
耽美ブンガクとミステリの見事な融合に:+1点
合計:8点

「過剰な」証人と「不足の」証人による密室の構成の妙。


No.12 6点 風果つる館の殺人
加賀美雅之
(2016/01/28 09:36登録)
基本点:5点
不可能トリック3つに:+2点
話自体にあまり魅力がないので:-1点
合計:6点

素材のきちんとした、でも美味しいソースに欠ける英国料理のメインデッュ二皿に前菜が付いたような本格物。


No.11 9点 監獄島
加賀美雅之
(2016/01/28 09:24登録)
基本点:5点
豪華極まりない不可能犯罪の羅列に:+3点
叙述人物トリックのおまけに:+1点
合計:9点

メインディッュが四皿位続き、おいしいデザートまで付いた、豪華絢爛で、でも分かりやすい味のフランス料理のフルコースのような本格物の金字塔。


No.10 7点 双月城の惨劇
加賀美雅之
(2016/01/28 09:13登録)
基本点:5点
不可能トリック2点盛りに:+2点
合計:7点

メインデッュが二皿付いた剛健なドイツ料理のような本格作品。


No.9 7点 隻眼の少女
麻耶雄嵩
(2016/01/04 11:11登録)
基本点:4点
「手掛かり」をめぐり多投されるロジックに:+1点
被害者の設定に:+1点
異形の探偵に:+1点
合計:7点

※因習の信仰が支配する閉ざされた山村の一族に起こる連続猟奇殺人。不可能犯罪も厳密なアリバイ時間表もなく、解決のロジックのための「手掛かり」と誤誘導のための「偽手掛かり」の解釈の応酬で話が続く。明かされる連続殺人の目的は、起こった惨劇の結果とは、とても釣り合うとは思えず、かろうじて真犯人の設定でバランスをとったのが、この作品の趣旨。それにしても、目的=動機のひとつは個別にもっと内密にすまされるはず。もう一つの方は「翼ある闇」のダミー解釈の一つで提示されていた。


No.8 8点 神様ゲーム
麻耶雄嵩
(2015/12/21 09:39登録)
基本点:4点
日常的な密室設定に:+1点
少年のロジックによるダミー密室解釈に:+1点
どんでん返しの真相解決に:+1点
殺人犯と共犯の設定及び猫虐殺の設定の黒さに:+1点

密室殺人というメインディッシュに連続猫虐殺の前菜がついているが、「平凡な少年」という異形の神様が探偵役に登場するダークなミステリ。神様を登場させずとも、主人公の少年が全てを解決する黒いミステリにしても良かった。「12月の童話」とかなんとかいうタイトルで。


No.7 7点
麻耶雄嵩
(2015/12/17 11:57登録)
基本点:4点
あまり切れはよくないけれど、叙述トリックが二つあり:+1点
「犯人」と「共犯者」の設定に:+1点
消去法で犯人を詰めていくロジックに:+1点
合計:7点

「閉ざされた山荘」ものだが、不可能犯罪ものでも連続殺人(まあ複数死ぬけれど)ものでもない。秘密の通路や隠し部屋、さらには地下鍾乳洞まで出てくるが、豪華な外連味はなく、淡白なサスペンスの味わい。「木製の王子」までの長編の「設定の妙味」から、短編と同じく「ロジック」へと趣旨が移行している。


No.6 9点 木製の王子
麻耶雄嵩
(2015/12/08 17:32登録)
基本点:5点
驚愕の「家系図」と「名前」のトリックに:+4点
無意味なまでに精緻なアリバイ時間表がとても楽しめるレベルでなく高度なので:-1点
家族幻想と孤独のブンガクに:+1点
合計:9点

「夏と冬の奏鳴曲」「痾」から続く「如月烏有物語」の最終話としての意味もある作品。初読ではまず見破れない図式が、再読ではあまりに明晰に描かれているのが分かる。これで、もう少しアリバイトリックが喰い付けるレベルだったらなあ。


No.5 8点
麻耶雄嵩
(2015/11/26 10:32登録)
基本点:5点
「設定」のトリックに:+2点
叙述トリックに:+1点
合計:8点

作者の最高の完成度との評価もある作品で、実際そうなのかもしれないけれども、
「翼ある闇」「夏と冬の奏鳴曲」と比べると、少し絢爛さ外連味に欠ける。


No.4 5点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2015/11/18 11:05登録)
基本点:4点
ダミー解決後に、とりあえず、この作者らしい一捻があるので:+1点
合計:5点

※雪密室事件の方は、過去から現在にわたって、もっとロジカルかつ詳細な人物描写で書き込んであれば、ずっと本格していたように思う。学園生徒会ミステリの部分は中途半端だなあ。「化石少女」の方が面白い。


No.3 6点
麻耶雄嵩
(2015/11/16 22:12登録)
基本点:3点
「続・夏と冬の奏鳴曲」として:+3点
操りのトリックに説得力が無く:-1点
二人の人生とたいもんの魂へ:+1点
合計:6点

「夏と冬の奏鳴曲」の直後、「翼ある闇」の直前の話。これだけ独立で読んだら、もっと評価は低い。でも独立した話でないので、この点数。


No.2 8点 夏と冬の奏鳴曲
麻耶雄嵩
(2015/11/10 18:56登録)
基本点:5点
過去に起きた事と今起きている事、ミステリと青春ブンガクの「摂動」に:+2点
とんでもない雪密室トリックに:+1点
でも、あまりといえばあまりのトリックなので:-1点
「うゆうさん」と「桐璃」の人生に:+1点
合計:8点

「翼ある闇」とどっちが素晴らしいだろうか。


No.1 8点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2015/11/03 14:01登録)
基本点:5点
豪華な四段解釈に:+2点
ダミーになっちゃったけれども、とんでもない密室トリックに:+2点
知ってなきゃ面白くない「クイーン」ネタが話の中央に居座っているので:-1点
合計:8点

「二番目」の殺人で、階段で作業していた作男の目撃証言を基に、もっともっと緻密な時間表アリバイのロジックが展開され、さらに最終解決で、三番目の解釈に匹敵するような密室トリックが披露されていたら、大傑作だったろうに。

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