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ミステリの祭典

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生存者ゼロ
ゼロ三部作

作家 安生正
出版日2013年01月
平均点5.86点
書評数7人

No.7 5点 ミステリ初心者
(2019/01/29 01:37登録)
ネタバレをしています。

 主要キャラクターの過去の出来事や葛藤がよく書かれていて、厚みがあります。ストーリーもドラマティック。無能政府も、主人公達を引き立たせる役としてよかったです。海外ドラマのような趣がありました。

 難癖をつけるようで申し訳ないのですが、シロアリに食われた死体を感染での死と勘違いするような事があるのでしょうか? また、シロアリに食われても即死ではないのだがら、かなり抵抗するはずで、シロアリも相当数死ぬと思うのですが、シロアリの死体は残らないものなのでしょうか?

No.6 6点 itokin
(2015/11/20 16:07登録)
スケールの大きな話だが、最後まで飽きさせず全体としてうまくまとめている
しかし、こんなことが、近未来に起こる事とは思えず、解決策も説得感に欠ける。
それにしても、廻田三佐は、スーパースターだ。

No.5 3点 ∠渉
(2015/02/08 00:04登録)
安生正デビュー作。このミス大賞受賞作。らしい。
パンデミック!? で北海道に突如壊滅のカウントダウンが点ってしまいます。我が故郷も壊滅してました(笑)。親父の故郷も壊滅してました(笑)。それに怒って点数を下げてやろうとは思いませんが。でもってこの作品の肝になるアイデアはぶっ飛んでてそれこそパンデミック並の破壊力で感心しましたが、無能な政府関係者たちの描写はちょっと引っかかるなぁ。だって、どう考えてもリアリティがないし、小説的なリアリティにしても大きく欠けていると思う。あの震災の時の管さんに過剰なデフォルメをしただけの浅い描写だなぁと思う。これはシロアリのトリックの見せ方にも感じる。なんて知ったようなことを書いてみる。そんでもって、次作に期待。

No.4 8点 HORNET
(2014/12/20 15:27登録)
 陸上自衛官・廻田三等陸佐は、連絡が途絶えたという北海道根室半島沖の石油プラットフォームに向かわされる。そこで目にしたのは、全身血まみれになり、皮膚も全て爛れたようになった無残な全員の死体だった。新種の感染症によるパンデミックか?戦慄に肌が粟立つ自衛官らだったが、しばらく大きな進展を見せない事態に、政府及び感染研は安穏としていた――が、それから三か月が過ぎたころ、突如北海道中標津で同様の事態が発生し、何と生存者は「ゼロ」。パニックに陥る無能な政府、責任逃れの感染研…そんな中、事態収拾の命を受けた廻田は、政略により中央を追われ、今やマッド・サイエンティストに成り下がった天才感染症学者・富樫らに協力を請いながら、真相究明と解決に命がけで乗り出す――。
 驚愕の仕掛け、ダイナミックな舞台、物語の疾走感、どれをとっても一級。下級自衛官と新進気鋭の昆虫学者、使命感に満ちた医師らと、自らの保身しか頭にない無能な政府閣僚らとのぶつかりあいも魅力の一つ。直接対決の場面は、溜飲が下がる思いだった。
 事態の真相が明らかになってから後半に行くにつれて、ハリウッド映画さながらの劇場的な場面になってくるが、その描写から考えると「なぜ初期の映像でこれがわからなかった?」など、細かい点で難はあるかもしれないが、それを気にさせない物語全体の魅力がある。高野和明「ジェノサイド」に似た高揚感を感じながら読み進めてしまう一冊だ。

No.3 6点 sai
(2014/11/04 14:27登録)
久しぶりに本を読んだ。こういうパンデミック系の話は好きだけど、あまりにもリアリティなさ過ぎたりすることも多いけど、これは不自然じゃなく驚愕の真相(素人判断です)
ストーリーはテンポよく進むのに、記述やセリフに違和感みたいなものがあって、文章に詰まったりした。
これは私が久しぶりに本を読んだからかもしれない。
人物があまり具体的にイメージがわかなかった。
大筋のストーリーはおもしろいし、どきどきハラハラして読書の楽しみを思い出した。

No.2 7点 虫暮部
(2014/04/23 07:47登録)
このアイデアは凄い。前半を読んで、これは超自然現象を持ち出さないと辻褄が合わないだろうな、と思ったが見事にリアルな範囲内で説明している。
 第四章、TR102で××××を発見してから結論が出るまで一週間もかかっているのは疑問。発見した時点で、学術的解説はすっ飛ばして“これが原因か!?”という結論に飛び付かないかな。
 また、博士の父親が事故に関わっているというのは偶然過ぎる(し、そんな偶然を持ち込んでもストーリー上のメリットになっていない)と思う。その他、登場人物の言動でところどころ首をひねる部分が無くもない。
 三人称なのに妙に感情的な文体も気になった。

No.1 6点 makomako
(2014/04/13 11:32登録)
 このミス大賞受賞作品で本屋に山積みとなっていたものを購入。
 なかなかテンポは良い。はじめは強力な病原性を持ち感染力が強く対処不能な細菌の話のようなので何となく昔映画で見たアンドロメダ病原体に似ているなあと思っていたら、途中から大きく様相は異なってきて、一筋縄ではいかない。
 かなり面白いのだが、途中からなんだか神がかった展開となってくるのが違和感を覚える。美人生物学者ももう一つ魅力的でない。
 この作者の次作がどうなるか興味を抱いています。
 良いほうへ振れれば素晴らしい作品に出会えるかも。

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