言霊たちの夜 改題/『言霊たちの反乱』 |
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作家 | 深水黎一郎 |
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出版日 | 2012年05月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 6点 | 名探偵ジャパン | |
(2018/06/17 19:50登録) ミステリではないのですが、かなり笑えるので好きです。 特に三話目の「鬼八先生のワープロ」は、出だし数ページでもう、作者が何をやりたいのか、何を読ませて、どう笑わせてくれるのかが手に取るように分かり、実際そのとおりでした。 とはいえ、これは決してネガティブな感想ではなくて、予想を越えて期待に応える、想像していた以上に凄まじかったですね(笑) 言ってみれば、全編下ネタの嵐で、読む人をかなり選ぶ内容ですが、ただのおふざけではなく、知識と教養に裏打ちされた下ネタとでも言いましょうか、下品だが上品な仕上がりとなっています。ただ、でも絶対に人を選びます(笑)気が置けない、寛容な人にしか勧めてはいけません。 逆に言えば、もし本作を(特に「「鬼八先生のワープロ」が面白いよ」などという言い方で)勧めてくる人がいたら、その人はあなたのことを相当に心の広い人物だと認めてくれているということでしょう。 |
No.4 | 6点 | まさむね | |
(2016/10/12 20:35登録) 4編で構成される、「日本語」をテーマにした短編集。全てとある一夜の出来事で、各話に緩やかな繋がりを持たせています。 まず、第一話「漢は黙って勘違い」が笑えます。アンジャッシュのコント的な面白さも。 第二話「ビバ日本語!」は、笑わせてもらいながら、結構他言語の勉強にもなったりして興味深い。 第三話「鬼八先生のワープロ」は、もう、バカバカしさ全開。でも嫌いじゃない。 最終話「情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群」は、主人公の主張自体はよく分かるので、結末としては可哀想だったかな。 いずれの作品もミステリとは言い難いのでこの点数にしますが、笑いの中にも、言語に対する作者の造詣の深さが垣間見えますし、結構読み得な印象を受けましたね。 |
No.3 | 5点 | メルカトル | |
(2015/11/12 19:52登録) 同音異義語、外国人から見た日本語の難しさ、ややこしさ、など「言葉」をテーマにした連作短編集。連作とは言っても、それぞれの短編が独立しており、有機的な繋がりはほとんどない。 それぞれまずまず面白いというか、ところどころ笑えるが、ほのぼのとしたそれではなく、どこかエキセントリックな笑いを誘うものである。 一応事件らしきものが起きたり、警察関係者が出てきたりと、それらしい面もあるがミステリではあるまい。あまり真剣に構えると肩透かしを食らうので、まあ興味本位で読んでみるつもりくらいが一番かもしれない。ひまつぶし程度の感覚で肩の力を抜いて読むべき作品。 |
No.2 | 7点 | abc1 | |
(2012/09/09 22:02登録) 言葉をめぐる四つの短篇。各編にはゆるやかなつながりがあります。清水義範の作品を連想させますが、清水義範よりも面白くて深いです。 でもミステリーではないのでこのサイトではこれくらいの点数か。 |
No.1 | 6点 | kanamori | |
(2012/06/27 18:11登録) 従来からの作者の拘りである”言葉(日本語)”という素材を、とことん笑いで解体した連作短編集。東野圭吾の「〇笑小説」シリーズや、筒井康隆のナンセンス・ギャグ小説に似たノリがあります。 勘違い男のちょっとした言葉の聞き間違いの連続がとんでもない事件につながる「漢(おとこ)は黙って勘違い」と、日本語教師が、日本語の非論理性に振り回される「ビバ日本語!」の前半の2編がかなりの爆笑もの。ユーモアのセンスが抜群です。 「鬼八先生のワープロ」と「情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群」はともにアイデアが面白いが、話の展開にヒネリが欲しかった。 今年一番笑えた小説ですが、ミステリとは言えないので採点は控えめにしておきます。 |