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ミステリの祭典

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隻眼の少女

作家 麻耶雄嵩
出版日2010年09月
平均点6.62点
書評数48人

No.8 6点 ある
(2011/05/24 00:43登録)
麻耶雄嵩さんの作品は初めて読みました。
会話重視でなりたっていくストーリーが読み慣れないためか,200ページくらいまではイマイチ消化不良でした。
‥が,後半に入るとページが進み,最後のどんでん返しには驚かされました。
「物証」よりも「話術」で犯人を特定しているような感は否めませんでしたが‥。シリーズ化出来そうな感じですね。

No.7 8点 VOLKS
(2011/05/01 13:59登録)
2代目隻眼の探偵にイライラしながら読んでいたが、3代目が現れた途端に目の前のモヤモヤが払拭され、ストーリーもぐんっと面白くなる。
いい意味で裏切られた。
うまい設定だなぁ。

No.6 7点 HORNET
(2011/04/03 20:44登録)
 水干姿の隻眼の女探偵,御陵みかげが二代に渡って活躍する物語。琴折家の女性は代々に渡って不思議な力を受け継ぐとされ,そのうちの一人が「スガル様」という神としてあがめられる。因習が色濃く残る村で,「スガル様」候補の少女が次々と殺されていく・・・といった,横溝正史や三津田信三のような設定,それでいて重苦しすぎないタッチ,一度は解決されたと思われた事件が二転三転する様相,と,雰囲気的にも筋書き的にも十分楽しめた。
 が,残りのページ数や2部からの構成などにより,解決に向かうように見せかけられた部分はそれは「見せかけ」と分かってしまったり,1部のラストなどはどう考えても違和感を感じてしまうところがあり,純粋に騙されきれなかった。登場人物の一覧や家系図がなぜか2部にはなかったり,屋敷の見取り図がなかったりなどの点も,そうした違和感を助長してしまった。

No.5 6点 smile66
(2011/02/28 00:07登録)
腹立つ犯人。
人がめっちゃ死んでるのに全く重苦しい感じがしないのはどうなのかな、麻耶っぽいと言ったらそれまでだけど。
ずーっと犯人にしてやられてる感じがしてスッとしない。
最後の決め手となる手がかりも犯人がわざと与えられているので、ある意味探偵は敗北してるんじゃないかな。

No.4 10点 虫暮部
(2011/01/19 15:26登録)
 ミステリはその性格上、型を持ちつつその型から逸脱していくことを求められるので、後発の者は(つまり現代の作家は皆)どんどん大変になってゆくのだろうが、この作品は天晴れである。
 しかしいくらなんでも「種田静馬」というネーミングはないだろう、まさか何かの伏線なのか、と思っていたら、本当にラスト付近のワン・センテンスのための(笑)伏線でやんの。
 あっ、今気が付いたけど、カヴァーのアートワークも伏線!?

No.3 8点 タイガージェットシン
(2010/12/16 21:15登録)
本筋とあまり関係ないですが・・・。
「エジプト十字架」風の爽快さ("なぜ、犯人はヨードチンキの
ラベルが貼っていない方を使ったのか"から真相が判明していく
ような)が満載で、そういうところが素晴らしかったです。

ただ、ある読み方(あるところを疑いながら読む)をすると、
途中でおや、とは思うものの、犯人が丸わかりです。

No.2 10点 メルカトル
(2010/10/28 23:48登録)
久しぶりに本格ミステリと呼べる作品を読ませてもらった気がする。
若干の疵はあるものの、それを差し引いても文句のつけようのない完成度の高いミステリらしいミステリである。
因習深い寒村で起きた連続殺人事件という、横溝正史の世界観を丸ごと取り込んで、見事に反転させる手腕は賞賛に値する。
麻耶雄嵩ファンならずとも、ミステリ読者のすべてに薦めたい稀代の大傑作である。

No.1 7点 kanamori
(2010/10/14 18:27登録)
因習が支配する人里離れた寒村を舞台に、村の現人神の後継者候補である娘たちが次々と首切り死体となっていく連続殺人事件に、隻眼の少女探偵が対峙するというフーダニット・ミステリ、という横溝正史(最近では三津田信三)ワールドの構図自体をミスディレクションにしてしまった異端の本格編。
次々と繰り出される犯人特定のロジックや、二転三転する真相などオーソドックスなパズラーとしてもそこそこ面白い。事件の構図がひっくり返る最後の仕掛けには驚いたが、腹話術と影武者には唐突な感じも受けました。

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