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ミステリの祭典

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悪魔のラビリンス
二階堂蘭子シリーズ

作家 二階堂黎人
出版日2001年04月
平均点5.75点
書評数8人

No.8 5点 レッドキング
(2022/08/27 19:45登録)
二階堂蘭子シリーズ長編第六弾・・・といっても、一部と二部は別話で、実質中編が二作やね。
   第一部の死体入代り密室は、「入代り」の方なかなかだが、肝心の「密室」がズッコケて、3点満点で2点。
   第二部の父子無理心中密室の方は、模範的な完全密室で3点。・・で、全体合計で5点。
※ラビリンス2図の付録付き。 ※その「密室才能」認めるの全然やぶさかでないが、相変わらずガキが傷口見せびらかすみたいな露悪グロ描写好きな作家やねえ・・・そこがまたクサヤ風味いうかシュールストレミング風味いうか・・・

No.7 4点 おっさん
(2013/01/06 16:37登録)
名探偵・二階堂蘭子が、正体不明の残虐なシリーズ犯人と、虚々実々の頭脳戦を繰り広げる<ラビリンス・サーガ>、そのプロローグにあたるのが本書です。
作者が2000年と2001年に『メフィスト』誌に発表した、2本の中編――「寝台特急≪あさかぜ≫の神秘」「ガラスの家の秘密」を第1部、第2部として並べ、後者の初出時のエピローグを第3部「解けゆく謎、深まる謎」とすることで、全体を長編ふうに仕立てなおしています。
このシリーズは、以降、明確に長編路線にシフトしていくわけですが、本書に関しては、先日レヴューした、有栖川有栖『妃は船を沈める』――あそこから連想が働いての再読です――同様、“連作集”が正札ですね。

有栖川“連作”の、つなぎの処理のスマートさに比べると、こちらはその点、ヘタ、もといベタw ふたつの事件に、共通の犯罪プランナーが関与していた、しかし奴の行方はわからない、戦いはまだ始まったばかりだ・・・というノリですからね。
そこだけ見たら、ひところ作者の二階堂さんが敵意をむき出しにしていた、『金田一少年の事件簿』(の「魔術列車殺人事件」とか「速見玲香誘拐殺人事件」とか)と大差ない。
もちろん作者的には――大差ありだろ、トリックの活かしかた、ミスディレクションや伏線の技術etc.をちゃんと見て評価してくれ、と言いたいわけでしょうが・・・

殺害予告を受けていた奇術師が、走行中の寝台車の、密室を構成する個室から消え失せ、かわりに室内からは、駅のホームで彼を見送ったはずの女性助手が、死体となって発見された!? という第1部「寝台特急≪あさかぜ≫の神秘」は、なるほど謎の設定は水際立っているし、トリックの手順も良くできている。森村誠一『東京空港殺人事件』の華麗な変奏、もしくは藤原宰太郎/桜井康生の推理クイズ「消えた殺し屋キラー」(学研ジュニアチャンピオンコース『あなたは名探偵』収録)のヴァージョン・アップ版ですね。
しかし・・・作中の山本警部のセリフじゃありませんが、「奴の真の目的は何だ!? この事件で何を目論んでいたんだ!?」。
結局、客観的にはこの事件、手間暇かけたわりには、自演乙な奇術師がお得意のトリックを弄して助手を殺し、逃げ去ったようにしか見えません。煙幕が煙幕としての意味をなしていない、トリックのためのトリックです。

筆者が読んだ講談社ノベルス版の巻末には、国内ミステリの“怪人対名探偵”の系譜を考察した、横井司氏の解説が収められていて、これはなかなかの力作なのですが、ひとつ、大きな問題があります。それは以下の文章。

 怪人対名探偵というコンセプトは、トリックの必然性――なぜ密室にしなければならないのか、というリアリズムに基づく要請を退けるために有効である。なぜ密室にするのか、それは不可能犯罪を好む犯罪者だからなのだ。トリックの必然性をこのようにしてカッコに括ってしまえば、トリックの方法(ハウダニット)に頭を集中させることができる。(引用終わり)

横井さん、あなたほど見識のある人が、こんな世迷言、もとい世迷わせ言をいってどうするんですか? その道は、完全に袋小路でしょ? 設定のユニークネスで、マイナスをプラスに変える、のちの歌野晶午の『密室殺人ゲーム王手飛車取り』あたりを、そうした文脈で評価するなら理解できますが、本書に関しては、褒め殺しにしかなりませんよ。

まあ二階堂さんも、“怪人対名探偵”の枠組みを、必然性の無いトリックの在庫処分にばかり利用しているわけではなく、第2部「ガラスの家の秘密」の密室トリック――こちらは、晩年のディクスン・カーの長編、ないしは同作者のパスティーシュ的短編へのチャレンジか?――には、ありきたりではあっても、必然性が付与されています。
ガラスという共通のモチーフを有する、有栖川有栖「残酷な揺り籠」(『妃は船を沈める』)と、趣向の違いを読み比べてみるのも面白いですよ。
ただこちらは、<ラビリンス・サーガ>として、本筋以上に大河ドラマ的布石に注力されているので、単独の作品として評価しづらい面はありますけどね。
ちなみに、魔王ラビリンスのアジトの地下で見つかった、戦中のものと思われる四人の白骨死体の謎は、『魔術王事件』に続く『双面獣事件』で明らかにされます。
いずれ、シリーズ完結編(?)『覇王の死 二階堂蘭子の帰還』を読むまえには、あれにももう一度目を通しておかないといけないかなあ(あんまり気が進まないんですけど ^_^;)。

No.6 4点 TON2
(2012/12/19 20:26登録)
講談社NOVELS
 「寝台特急あさかぜの神秘」「ガラスの家の秘密」「解けゆく謎、深まる謎」の3編。
 魔術王事件の始まりで、魔王ラビリンスと名乗る怪盗兼殺人鬼が登場します。
 大時代的で、乱歩の世界のようですが、飽きました。

No.5 6点 E-BANKER
(2009/12/01 22:54登録)
二階堂蘭子と「ラビリンス」の対決シリーズ第1弾。
本作は中編2作と、次回作へのつなぎ的な最終章の3部構成です。
最初の「寝台特急『あさかぜ』の神秘」は、氏得意の奇術的演出を利かせたトリックが光ります。密室からの犯人脱出&密室への被害者出現方法が図解付きで解説されていて、たいへん分かりやすい配慮振りです。
2つめの「ガラスの家の秘密」は本筋の事件よりは、むしろ「府中市内の西洋館の地下室」が今後の本シリーズにとってのキーになり重要でしょう。
本作中では、蘭子とラビリンスの直接対面はなく、ラビリンスという存在についても謎のまま終わってしまいます。
その後、「魔術王事件」→「双面獣事件」と進展するとともに徐々にラビリンスの謎は明らかになりますが、逆に作品の質はやや下降気味に・・・

No.4 6点 nukkam
(2009/08/04 10:48登録)
(ネタバレなしです) スーパーヘビー級の「人狼城の恐怖」(1998年)に続く二階堂蘭子シリーズ第6作として2001年に発表された本書は一転してライト級、それも200ページにも満たない短めの長編2本を合体させた構成です。冒頭のプロローグこそ二階堂ならではのグロテスクな描写がありますが、それ以外はむしろ洗練されていて読みやすく仕上がっています。前半にあたる「寝台特急《あさかぜ》の神秘」は謎も謎解きもいい意味でコンパクトにまとまっていて完成度が高いです。後半の「ガラスの家の秘密」はスケール感が大きい分、整理不足も目だったように感じます。でもこちらの方が二階堂らしいと評価する読者が少なくないかもしれません。ライト級といっても二階堂蘭子の宿敵となる世紀の大犯罪人「ラビリンス」初登場作品なのでシリーズファンにとっては重要な作品ですね。

No.3 9点 イッシー
(2008/01/27 02:15登録)
ラビリンスはだれか?気になる~

No.2 6点 ばやし
(2005/01/29 22:05登録)
人狼城の恐怖の前の設定になっているのはビックリしました〜。あーー、早く続き読まなきゃ^^

No.1 6点 クールガイ
(2003/07/25 01:54登録)
早く続きが読みたい。

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