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ミステリの祭典

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蒸発

作家 夏樹静子
出版日1972年01月
平均点6.20点
書評数5人

No.5 7点 よん
(2023/10/27 13:38登録)
当時、社会問題化していた人間の蒸発を扱った社会派推理だが、航空機の乗客消失、列車ダイヤ、変装、交換殺人といった本格的なトリックを随所に散りばめ、さらに美しい人妻とベトナム帰りのジャーナリストの悲恋を織り込んだ読みどころの多い作品で、社会派にして本格派という作者の持ち味がよく生かされている。

No.4 8点 斎藤警部
(2015/06/15 12:52登録)
質実な人間ドラマに貫かれた複雑系アリバイトリックの傑作。航空機という大きな密室からの人間消失事件で幕を開け、その後も次々と現れる多くの謎と疑惑が最後に美しく収束します。ぐっとフェミニンになった鮎川哲也といった趣があり、鮎さんファンにもお薦め(特に「死のある風景」が好きな人)。 これは再読したい。

No.3 4点 江守森江
(2010/03/25 00:40登録)
遥か昔に、角川文庫の推理小説フェアか何かで天藤真や鮎川哲也と一緒に平台に並べてあったので勘違いで購入した。
その当時に読んだのだが、トリック云々以前の問題としてガキな少年が大人の女性が描く愛のカタチを理解出来ずに消化不良だった記憶しかない。
それ以来作者から離れ、映画化と同時に読んだ「Wの悲劇」以外接していない。
わざわざ再読すべき作品とも思えないのが慰めになっている。

No.2 5点 測量ボ-イ
(2010/03/25 00:15登録)
20年以上前に読んだ作品ですが、あまり強い印象には
残っていません。
作者にしては珍しく時刻表トリックもありましたが、
出来栄えは平凡でした。

No.1 7点 kanamori
(2010/03/17 21:06登録)
羽田発札幌行きの航空機から女性が消えた・・・。
母性の喪失という社会派ミステリ的要素と航空機からの人間消失という不可能興味の本格ミステリ的要素がうまく結実した作者の代表作といわれる作品。
たしかに、読者を母性に関わるある状況に惹きつけることにより、消失トリックの真相を分かりにくくしている点はうまいと思いました。

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