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ミステリの祭典

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SOSの猿

作家 伊坂幸太郎
出版日2009年11月
平均点4.25点
書評数8人

No.8 6点 E-BANKER
(2025/08/03 13:10登録)
やや久し振りの伊坂作品となった。
ただ、他の方の書評を見ると、かなり辛口のようですが・・・
単行本は2009年の発表。もともとは読売新聞夕刊に連載されていたもの(とのこと)。

~三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。やがて交差する二つの話を孫悟空が自在に飛び回り、「SOS」をめぐる問いかけが物語を深化する。世界最強の猿からユングまでを召還し、小説の可能性に挑戦した、著者入魂の記念碑的長篇!~

(↑この紹介文。いったい何のことやら、である)
「かなり大掛かりなファンタジー」「そして多少のミステリ風味の味付け」
ひとことで表すとしたら、こんな感じかな。以上、終わり!

ってことで、本当に終了してもいいかな、という雰囲気の作品。
でも、毎回のように伊坂を高評価してきた身なので、さすがにもう少しだけ補足したい。
本作のキーワードは、「引きこもり」そして「人の善と悪」ということなのかな?
特に後者については、これまでの伊坂作品でもたびたび語られてきた題材だと思う。そういう意味では「お馴染み」。

冒頭から、摩訶不思議な話が続いていく本作。作者独特の言い回しや、とぼけたキャラたちもあり、どんどん読まされていく展開。
で、終盤に入ったところで、種明かし的な場面があるわけだが、辛口の方はここがお気に召さなかったのだろう。
私はというと・・・割と楽しめました。まあ「孫悟空」の部分なんて、馬鹿馬鹿しいといえばそのとおりではありますが・・・
逆に言うと伊坂らしい、伊坂にしか書けないお話にはなっていると思う。(「書けない」よりは「書かない」だけど)

ラスト付近の“辺見のお姉さん”のセリフ。「親が人生楽しめてないと、子はいつまでもジメジメしたまま」云々
そりゃ確かに! でも親はいつまでも子が心配なんですけどね。
そんなこんなで個人的にはそれほど低い評価にはなりません。「仕方ないでしょ」

No.7 2点 ボナンザ
(2025/03/29 21:48登録)
凝った構成になっているが、それが明かされても「それがどうした」と感じてしまったのが残念。

No.6 4点 HORNET
(2024/03/10 20:19登録)
 古本市で、ワゴンにある本を物色していたら本作のサイン本を発見したので「ラッキー!」と思って購入。久しぶりに氏の作品を読む機会となった。
 だが、氏の作品としては珍しくリーダビリティが高まらなかった。文体が読みにくいわけではなくいつものトーンなのだが、いかんせん物語設定についていけない。昔なじみの近所のお姉さんに、ひきこもりの息子の相談をされた遠藤二郎が、そのひきこもり息子・辺見眞人が語る妄想(?)が、未来を予言していた(かもしれない)ことに気付くストーリーなのだが、結局何だったのかあいまいなまま終結する。どれがイマジネーションで、どれが現実なのか読み分けるのもややこしく、そのうえ結末が書いたとおりなので、なんだか…って感じだった。

No.5 4点 simo10
(2013/08/14 11:12登録)
タイトルからはどんな話なのか全く想像がつかない本書。伊坂氏はミステリ作家ではないことは分かりましたが、とりあえずこれも読んでみました。
ミステリ作家ではないが、読者に対して謎を提示し、最後に真相を披露するというスタイルの作品もいくつかありますが、この作品もそのようです。
本書のメインの謎は、非現実的な現象が起きる「猿の話」等、話の構造自体が謎となっているものだと思います。このような謎は好みなのですが、いかんせん、登場人物が全く好きになれない。というより、そのセリフ等回し等から重力ピエロ以来の鳥肌が立つような嫌悪感を感じました。(孟子ちゃんだと?)
ミステリを読むときは事前情報(先入観)を排除するため、なるべく作品の書評、採点や背表紙のコメントなどを見ないようにしているのですが、もうこの作家のこの先の作品は(ミステリでもないし)このサイト内で評価の高いものに絞って読むことにします。

No.4 2点 ムラ
(2013/03/01 21:53登録)
駄作でもないし、いい話ではあるのだが、いかんせん楽しむことが出来なかった。
ストーリーがあまり進んでいるように感じないというか単調。なにより話の枠組みのタネあかしをされてもたいした感動が無かった。
ちょっとためになる話的なのを重視すすぎて肝心の内容が薄くなってると個人的には思った。
伊坂お得意の逆転劇も大して出てこないし。

No.3 5点 VOLKS
(2010/11/12 02:47登録)
2人の視点から交互にストーリーを進め、パズルをはめ込んでいくように1つの物語に仕上げるといった手法は氏ならでは、といった感じがした。
「悪魔払い」という着眼点には「そうきたか(笑)」とニヤッとさせられた。

No.2 4点 江守森江
(2009/12/12 02:50登録)
読売新聞連載中に読んでいたので内容を知っている為、本を入手していない。
作者は基本的に一般文芸作家でミステリー風味な作品もある、と認識している。
新聞連載で読んだからか細切れ感が強く楽しめなかった。
細切れで読んでは作者の上手さは活きない。
一冊通しで再読する気になる程好きな作家ではないので、大幅加筆修正部分中心に立ち読みしてみたが繋がりは良くなっていた。
しかし、ミステリー風味も薄く低評価にした。
世間一般の評価や人気に関係なく、私には肌の合わない作家の一人になっている。

No.1 7点 だい様
(2009/12/12 00:41登録)
引きこもりの理由があまりにリアル過ぎて驚いた。

悪魔払い、因果関係の話は特に楽しめました。

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