home

ミステリの祭典

login
消えた巨人軍
私立探偵・左文字進シリーズ

作家 西村京太郎
出版日1980年10月
平均点6.14点
書評数7人

No.7 6点 まさむね
(2022/05/04 19:32登録)
 左文字進探偵シリーズの第一作。十津川警部以外のシリーズがあることも、そしてこの作品のタイトル自体も、ウン十年前に承知しておりましたが、私にとってこのシリーズは初読です。東京駅から新幹線で遠征先の大阪に向かった巨人軍の監督、コーチ、選手ら37人が姿を消したという展開。左文字探偵や警察の捜査過程も含めてなかなかに魅力的で、西村先生らしさが出ている作品と言えます。(ちなみに、終盤で「このタイムリミット内にそれらの行動をするのは絶対に無理だよね」と思わずにはいられない部分があるのですが、まぁスピード感重視ということで…)
 最後に、先生のご訃報に接してヒトコト。今から3年前に湯河原の西村京太郎記念館を訪問した際、偶然ですが先生とお話をさせていただく機会に恵まれました。私が好きな西村作品を挙げたところ、「あれはあまり売れなかったからねぇ」と笑われていたお顔が心に残っています。在りし日のお姿を偲びつつ、改めて先生の作品を読ませていただきたいと思います。

No.6 6点 いいちこ
(2021/09/16 10:42登録)
「冒頭の掴みは最高だが、ディテールの検証が甘く、かつ末尾に至ってテンションが顕著に低下する」という本著者の全盛期に典型的に見られるタイプの作品。
本作も冒頭から不可能興味が否応なく募るのだが、捜査プロセスと、それに伴う時間の進行が物理的に破綻している点、知能犯として描かれている犯人の、考えられないような不用意な行動によって、半ば自供するような形で、真犯人と特定されている点等は、決定的な欠陥と指摘せざるを得ない。
アイデアの面白さ・奇抜さの貯金だけで何とか逃げ切った作品であり、6点の最下層

No.5 5点 斎藤警部
(2015/08/18 22:47登録)
タンカー始め色んなものを消した京太郎さんですが、この野球チーム消失物語はちょいと大味。
V9黄金期ジャイアンツ選手達の描写にリアリティがまるで無いのはご愛嬌!
国民的人気集団をあんまりシリアスなプロットやトリックに巻き込んじゃ問題があったんですかね。巨人ファン向けのちょっとしたノヴェルティみたいな位置付けか。 探偵役は左文字進。

No.4 6点 こう
(2012/02/12 22:18登録)
 左文字シリーズ第1作は巨人軍1軍選手の誘拐を扱っています。実名が出されているのは御愛嬌ですがやはりプロットの勝利で楽しめました。主人公左文字の推理も結局全て正解になるほど優れた推理とは思えませんがキャラクターも魅力的であり展開、最後の落ちも含め楽しめました。70年代に発表された全5作(その後続編がありますが面影は全くないです)は壮大な大風呂敷を広げた誘拐物としていずれも楽しめた記憶があります。

No.3 7点 E-BANKER
(2010/09/08 23:16登録)
左門字探偵シリーズの第1作目。
豊富な「誘拐物」のバリエーション、アッと驚く凝ったプロットで有名なシリーズです。
阪神戦に向けて新幹線で大阪へ移動する巨人軍の選手30数名が犯人グループにより鮮やかに誘拐され、球団社長へ5億円の身代金が要求される・・・
やはりプロットの勝利でしょうねぇ・・・左門字対犯人グループの知恵比べのような捜査過程が面白くてグイグイ読まされます。
探偵役としての左門字も実に生き生きと書かれてますし、十津川警部ではなく、こちらをメインキャラにしていたらと残念な気がしてなりません。(もう新作は読めないでしょうねぇ)
ちなみに、監督が長嶋、主力選手が王、張本、柴田、堀内・・・という時代の話。(定岡が新人投手として出てきます。なつかしい・・・)

No.2 7点 あい
(2009/08/08 00:42登録)
特別トリックがすごいということはないが、緻密な構成と流れる様に進む話の展開は秀逸

No.1 6点 江守森江
(2009/05/24 05:52登録)
ON全盛期に実名で作品を書くあたりが西村御大の凄い所。
この頃は今程多作ではなく腰が据わっている。
余談だが、ドラマで日テレをもってしても誘拐シーンにONを起用出来なかった。

7レコード表示中です 書評