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ミステリの祭典

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夜市

作家 恒川光太郎
出版日2005年10月
平均点7.14点
書評数7人

No.7 8点 sophia
(2019/10/03 22:28登録)
表題作ほか1編を収録。日常のすぐそばに存在する異世界というコンセプトでしょうか。ホラーというジャンルではありますが人情話でもあり、おどろおどろしさはそれほど強くありません。2作とも大切な物を取り戻す旅です。どちらの話の異世界にも主人公の先達と言える存在があり、物語の重要なカギを握っています。結末に関しては「夜市」はどちらかと言えばハッピーエンド、「風の古道」はどちらかと言えばバッドエンドでしょうか。しかしどちらの話も一概にそうとは言えない温かい寂寥感を残して終わります。「白昼夢の森の少女」では「銀の船」が一番よかった私にとりましては、なかなか楽しめる世界観の2編でありました。

No.6 6点 蟷螂の斧
(2019/05/23 14:08登録)
~何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ「夜市」に迷い込んだ祐司は、あるものと引き換えに野球選手の才能を手に入れた。エースとして成長した裕司ではあるが、罪悪感にさいなまれていた~

「夜市」「風の古道」の2中編。「夜市」は第12回・日本ホラー小説大賞受賞作。しかし、完全にファンタジーの世界です。たまにはいいかも。

No.5 5点 パメル
(2016/01/18 21:01登録)
幻想的な不思議な世界に連れて行ってくれる作品
自分としてはホラー小説が読みたくて帯を見て
衝動買いした本だがホラー色は薄いファンタジー小説

No.4 10点 gink
(2010/12/01 23:27登録)
もっと長くていい。これは不満点というよりも誉め言葉として受け取ってもらいたい。スタイリッシュかつスマートな文体から味わい深く奥行きのある世界が描かれており、著者の非凡な才能が伺える。幻想的かつ蠱惑的な世界と切ない物語は読みごたえ十分。こんな薄い本から得たとは思えないほど濃密な読書体験ができた。表題作『夜市』と『風の古道』は実は共通の世界観の中で語られているのだが、そのつながりをさらりと示すところが上手いなあと思う。ジャンルとしてはファンタジーであるが、ミステリ的な要素もあり、万人にお勧めの作品。なぜ角川ホラーから出ているのかは謎。

No.3 7点 メルカトル
(2010/07/10 23:54登録)
非常に新人離れしたストーリーテラーぶりを発揮している。
叙情溢れる、しかも無駄のない筆致は作者の生まれ持った才能ではないかとすら感じる。
この文体は真似しようと思っても出来るものではない、とにかく透明感のある筆運びはいかにもファンタジーらしい本作にとてもマッチしている。
同時収録の『風の古道』も作風は変わらず、どちらもちょっぴり不思議で、そこはかとなく切ない、心に響く秀作である。

No.2 9点 りんちゃみ先輩
(2009/04/25 21:10登録)
この小説、まさにファンタジー小説であると感じた。不可思議な世界を覗かせてくれてありがとう。美しい文章で「爽やか」な読後感です。文庫に収録されている「夜市」「風の古道」どちらもおもしろかったが、「夜市」8点「風の古道」10点。

No.1 5点 ちぃ
(2009/03/06 22:56登録)
読みやすい作品ではあったと思います。
文章がとてもきれいだという印象を受けました☆
個人的には文庫に収録されている風の古道のほうが好きでした。

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