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ミステリの祭典

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霧枯れの街殺人事件
旧題「霧の町の殺人」

作家 奥田哲也
出版日1990年10月
平均点4.00点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2018/11/09 21:09登録)
(ネタバレなしです) 1987年にデビューした綾辻行人以降の本格派推理小説の書き手を「新本格派」と分類されていますが、奥田哲也(1958年生まれ)はそれより少し早い1984年から活動していますが1990年発表の長編第1作である本書で広く知られるようになったためか新本格派の作家として認知されているようです。北海道の架空の地を舞台にして序盤こそ自然描写がありますが後半はほとんどなし、印象的なタイトルですがこれにはあまり多く期待しないで下さい。探偵役の4人の刑事の個性が弱く、随所で署長の悪口を言ってますが肝心の署長が登場せず、どれほどひどい人間なのかを読者に納得させる説明もなく、これでは読者の共感を得にくいと思います。中盤で容疑者たち1人1人の内心描写(そこには当然嘘はありません)を挿入しながら誰が犯人で誰が無実なのか容易に判らないようにしている工夫は光りますが、どんでん返しの真相説明は動機の後出し感が目立ってしまっています。

No.3 4点 測量ボ-イ
(2014/08/24 10:06登録)
読みやすそうで以外に読みにくく、話にあまり入っていけま
せんでした。
これを本格ものとして扱うなら、先の方の指摘にもあります
ように、読者が推理できるデ-タを十分与えていませんし何
だか中途半端。
あと推理小説なら、結末やトリックに最低1つは意外性とい
うものが欲しいですよね。

No.2 3点 ドクターマッコい
(2013/05/23 08:10登録)
数年前に読みましたが、訳解らずに面白くないと言う印象しかありません。

No.1 4点 Tetchy
(2008/03/26 01:06登録)
原題『霧の中の殺人』改め、『霧枯れの街殺人事件。

奥田哲也のデビュー作。

4人の刑事が主人公だが、刑事らしくなく、大学のミステリサークルの面々といった気がした。

北海道の久寿里市という架空の街を舞台にしており、肝心のミステリよりも、廃れゆく街の暗鬱感の描写の方に力が入っており、本格風味は薄い。

実際、真相は文中に手掛かりがほとんど提示されないので、読者は推理できない。

元々の題名を知っていたので霧が事件に関与していると思ったのだが、そうでもないし。
至って中途半端な印象。

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