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ミステリの祭典

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化石少女と七つの冒険
化石少女・神舞まりあ

作家 麻耶雄嵩
出版日2023年03月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 5点 まさむね
(2023/08/24 19:15登録)
 化石少女の続編。順番どおりに読んだ方がいいですね。
 前作同様、舞台は京都北部の名門私立高校・ペルム学園。学園内でこれだけ殺人事件が頻発すれば、マスコミとしては化石少女どころの話じゃないだろう、などと考えちゃいけないことが気になって仕方がなかったワタクシ。ダメな読者でしょうか。
 で、内容としては、麻耶雄嵩らしいとも言えるし、らしくないとも言えそう。最終的には作者の初期長編「あいにくの雨で」を思い起こしました。当該作品を読んだ時にも、同様の感想をもったものですから。パターンは両作品で異なるのですがね。

No.3 4点 虫暮部
(2023/04/27 13:25登録)
 何と言うか、やる気が感じられないんだよね。常時100%で書き続けられないのはまぁ判るが、力を抜いた軽めのものを意図して失敗している。無機的に書こうとして拗らせたような文体も、メルカトル鮎とか木更津悠也とかでは生きて来るんだけど、化石オタクの御嬢様女子高生を描くには不適格。照れてる場合じゃない。相沢沙呼を見習え!

 そんな中、鹿沼亜希子の存在感だけは、あっちの世界線から引っ張って来たような冷ややかな微熱で際立っていた。次巻は『化石少女 vs カメラ少女』にすれば?

No.2 7点 人並由真
(2023/04/20 18:12登録)
(ネタバレなし)
 8~9年ぶりの続刊。
 前作は必ず読んでおいてほしい。

 一本一本の緊張感が並々ならず、そしてそれ以上に世界観そのもの(彰の眼に映り、彼が語る世界像)のテンションが半端ない。
 このちょっとよろけたら、真っ逆さまに奈落に落ちてしまいそうな感覚はなんだ。
 半ばの第4章(第4話)で少し小休止。しかし後半が……。
 
 単品ミステリとしてのベストはあえて言えば第6章だが、その……(中略)。で、そこは具体的にもうちょっと叙述してほしかった(とはいえ、もしかすると、それも……?)。

 で、ラストの第7章。
 このクロージングを見届けて思うことは多いが……、まあとにかく、めったに出逢えない一冊なのは間違いない。

No.1 6点 レッドキング
(2023/03/11 19:36登録)
相当な名探偵の陽キャラ天然女子高生と、やまれぬ事情から探偵の推理結果を打ち消しにかかるワトソン役の後輩男子の学園ミステリ続編。タイトル通り7件の殺人事件・・何と1~2ヶ月おきに普通に殺人事件が起きる名門学園・・を巡る小ネタロジック短編の集積。(麻耶、もう纏まった長編ミステリ拵える意欲も力も失せちゃったのか?) 
前編の「半汚れ」超えた「ブラック」展開と、ブラック効果に効いた叙述トリックに2~3点オマケあげちゃう。

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