蜃気楼・13の殺人 改訂された文庫版にのみ、風水林太郎が登場 |
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作家 | 山田正紀 |
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出版日 | 1990年04月 |
平均点 | 5.60点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 6点 | 虫暮部 | |
(2023/12/14 13:30登録) 全体を包む大きなトリック。それを成立させる背景の設定等には、関係者が色々と無茶をする理由がきちんと感じられた。 しかし物理的トリックは……ランナー消失はともかく、串刺し死体や空飛ぶトラクターをあんな説明で片付けるなら、寧ろ無くても良かったのでは。 |
No.4 | 6点 | メルカトル | |
(2022/01/22 22:57登録) 栗谷村の村おこしマラソン大会の最中、忽然とランナー十三人が消えた!戦国時代の山城・十三曲坂を使った十キロのコースは、途中で抜け出ることのできない、いわば大密室…。後日、消えたランナーの一人が、木に突き刺さった無惨な姿で発見された。奇妙なことに、この一連の出来事が、百五十年前の古文書に書かれていた!?奇才が挑んだ空前のトリック。 『BOOK』データベースより。 山田正紀ってこんなに読み易かったっけ?というのが第一印象。でも最後に読んだ『阿弥陀』もそんなに難解じゃなかったなあとも思い直しました。 非常に残念な事に最初に登場する風水林太郎が探偵役として事件を解決するものだと思って読んでいたのに、終わりかけにちょっと顔を出すだけだったのでがっかりでした。何でもノベルス版では林太郎の記述はなかったそうで、それなら致し方ないと無理やり自分を納得させることに。一応東京から村に引っ越してきた家族の父親と、元刑事の義父がそれぞれ違う角度から調査をしていきますが、結局解決に導くまでには至りません。 事件としては非常に奇妙なもので、一体どんなトリックを使うのか期待しましたが、かなりの肩透かしを喰らいました。第一の事件、つまりランナー13人の失踪はもしかしてと思った通りでしたし、木の枝の死体串刺し事件は・・・だし、トラクターが空を飛ぶ?事件はこれまたショボいトリック。 謎が妙に惹きつけられるものがあっただけに、真相は期待外れでした。しかし、雰囲気としては三津田信三の某作品に似たものがあり、嫌いではありません。まあオマケで6点としましたが、作品のバランスはちょっとどうかなって感じがしましたね。新保教授の解説は秀逸でしたが。 |
No.3 | 5点 | 文生 | |
(2021/08/25 05:10登録) 村おこしのマラソン大会で13人が忽然と消えたり、そのうちの一人が大木の枝に串刺しになったりと事件の謎自体はド派手で魅力的です。しかし、それに対してトリックがパッとしないのはいつもの山田ミステリー。その分、ホワイダニットに力を入れているのもいつものことですが、今一つ鮮やかさに欠ける印象です。つまらなくはないものの、全体としては竜頭蛇尾を絵に描いたような作品になっています。 |
No.2 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2014/02/25 21:20登録) 村おこしのマラソン大会で、13人が消失。その後、木に釣らされた死体が発見されたり、トラクターが空を飛んできたとしか思えないような事件が発生。これらは150年前の古文書に記載されていることと類似していた。さて、裏にはリゾート開発がからんでいるのか?といった内容。探偵役がいて、いないようなところが狙いであるかのようですが・・・。そのことで、ややピントがぼやけてしまったように思えます。 |
No.1 | 6点 | ギザじゅう | |
(2004/08/25 22:21登録) 密室状況から13人が消失しただの、トラクターが空を飛んだのとでてくるが、ハウダニット色はかなり弱い。話の中心としては田舎のリゾート化問題などをからめたホワイダニットとなろうか。そう考えると面白みもあるが、やはり残念に感じたことは否めない。 なんとなく小道具などで、正史を意識しているのかな、と思うこともあった。 |