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ミステリの祭典

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王を探せ
鬼貫警部シリーズ

作家 鮎川哲也
出版日1981年12月
平均点5.50点
書評数6人

No.6 7点 斎藤警部
(2016/01/06 07:31登録)
亀取二郎が容疑者だけで四人もいると思ったら何と「第五の亀取二郎」まで登場するという実にカメトリィでトレンディな不可思議プロットを誇る作品。しかし最初から同姓同名に必然性が与えられている安定感は頼もしい。
ま、若干お遊びカラ回りの感もありますがね。

No.5 5点 nukkam
(2015/08/20 23:37登録)
(ネタバレなしです) 中編「王」(1979年)(私は未読です)を長編化して1981年に発表された鬼貫警部シリーズ第16作の本格派推理小説です。プロローグ(本書ではプロロオグと表記)で亀取二郎による殺人描写がありますが犯人側からの描写はここと「間奏曲」の章だけなので犯罪小説でも倒叙小説でもありません。犯人の名前(亀取二郎)はわかっているのに同姓同名の容疑者を何人も登場させ、しかもみんなアリバイがあり、犯人当てとアリバイ崩しを両立させた所に本書の工夫があります。亀取同士を鉢合わせさせたりせずに無用な混乱を避けているところはスマートでさえあるのですが、肝心の謎解きの出来栄えは微妙です。タイトルに使われている「王」の意味するところの解釈がかなり強引だし、アリバイトリックもあれだけ捜査陣が手こずっている割にはどこかお手軽な印象を与えます。鬼貫警部が終盤までほとんど出番がないのが物足りませんが、ようやく登場するとそこから先は一気に解決へ向かいます。

No.4 4点 あびびび
(2015/03/10 01:01登録)
テレビにも出るマルチ評論家を殺した犯人の名は亀取二郎。その名前は評論家が本日午後に会うと予定表に書き入れていた。その「亀取二郎」は、東京近辺に40名ぐらいいて、そのうちアリバイや動機などで4名に絞られた。その後、もうひとり、恐喝者らしい男も殺され、担当刑事はその4名のアリバイ崩しに奔走するが…。

現在では無理だろうが、当時の社会を反映するアリバイトリックは凄く良かったと思う。ただ、なんとなく犯人の亀取二郎があの男と分かったから、他の3人のページが凄く無駄に感じた。いや、読み飛ばしてしまった。いくら読んでも犯人ではないのだから…。

そこがこの作品の難点と言えば、身も蓋もないのだろうか?

No.3 5点 E-BANKER
(2012/06/16 15:39登録)
鬼貫警部と丹那刑事の名コンビが活躍する人気シリーズの1作。
1979年に「王」と題して発表された中編を加筆修正し、改称したのが本作。

~だから、どの「亀取二郎」が犯人なんだ? その「亀取二郎」は2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐え切れず、彼は憎き強請屋・木牟田を撲殺する・・・。警察が被害者のメモから掴んだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞り出した数人は全員アリバイを持つ、一筋縄ではいかない「亀取二郎」ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる凶行に及ぼうとしていた・・・~

プロットは面白いが、なんとも中途半端な読後感だった。
紹介文のとおり、犯人の名前は事件の発生直後に判明しているのだが、同姓同名が多いうえに、5名に絞られた容疑者たちは全員鉄壁のアリバイを持つ、というのが本作の「肝」だ。
(「亀取二郎」なんていう珍名がそんないるか? という当然の疑問は置いといて・・・)
となると、本シリーズの定番である「アリバイ崩し」の出番。

今回のアリバイトリックは確かに「凝ってる」。
途中、鬼貫警部が犯人が弄したであろうトリックを説明してくれるが、実はこれが捨てトリック。
ただ、終盤に判明する真のトリックがショボイ、っていうかある意味強引。
この時代の「急行列車」ならでは、ということなのだが、新幹線や特急列車に馴染んだ現世代の方々には想像つかないんじゃないか?
死亡推定時刻の「誤認」についてはウマイようだが、かなり「雑」にも思えた。(タイトルも本筋との関係が薄いのではないか?)

まぁ、鮎川作品としては晩年に発表されたもので、トリックの見事さよりは、リーダビリティーや作者らしい軽妙な語り口を楽しむべき作品のような気がする。
(本作でも事件の舞台の1つとして「鎌倉周辺」が登場・・・好きなんだねぇー)

No.2 5点 江守森江
(2009/05/29 10:44登録)
時刻表物以外の鮎川長編作品にはガチガチ本格のイメージがある・・・
確かに本格ではあるのだが、物凄く緩さを感じた(決して貶してはいない)むしろサラッと読め楽しい。
一番鮎川らしくない作品。

No.1 7点 測量ボ-イ
(2009/05/13 15:27登録)
4名の同姓同名「亀取二郎」(だったっけ・・間違ってたら
スミマセン)より真犯人を捜す異色作。
何か凝ったのない、という方はこの作品をどうぞ。

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