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ミステリの祭典

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ノッキンオン・ロックドドア2
御殿場倒理&片無氷雨 

作家 青崎有吾
出版日2019年11月
平均点6.80点
書評数5人

No.5 8点 虫暮部
(2023/12/21 12:59登録)
 2が付いて濃度もワンランク上昇。上手く設定を広げた上で畳んでいる。面白くて却って書くことが無いな。
 唯一気になったこと:60度に設定出来るシャワーなんてあるのか。危険なだけでは?

No.4 6点 まさむね
(2023/04/17 20:24登録)
 シリーズ第2弾。前作は7年も前に読んだので、詳細までは思い出せないものの、連作短編としての意義は本作の方が上(のはず)。連作短編集としての評価は別として、個々の短編はなかなか面白かったですね。個人的ベストは「消える少女追う少女」。極めて基本的なネタではあるけれど、はっとさせられました。
 で、連作短編の肝となる最終話「ドアの鍵を開けるとき」については、シリーズとしての驚きは確かにあったけれども、トリック自体は薄味であるし、犯人の行動に対する違和感が凄い。動機と行動が繋がらないというか…。普通そこまでやるかね?そして現在に至るまでさ…。いや、これ以上はやめておきましょう。

No.3 7点 E-BANKER
(2023/03/26 13:12登録)
シリーズ二作目となる本作。「不可能」専門の御殿場倒理と「不可解」専門の片無氷雨のコンビが、やってくる難事件を次から次へと片付けていく・・・
2019年の発表。

①「穴の開いた密室」=大きな穴が開いた密室って・・・、じゃあ密室じゃないじゃん、って思うんだけど、謎解きのメインは当然ながら「なぜこんなに大きな穴を開けないといけなかったか?」ということ。で、解法はいわゆる逆転の発想っていう奴。
②「時計にまつわるいくつかの嘘」=「時計」といえば無論アリバイトリックがテーマとなるのは自明。女性が腕時計を巻くときって普通・・・てなことがロジックとして展開されていく。
③「穿地警部補、事件です」=ふたりの探偵の旧友にして盟友?が穿地警部補。彼女の家系が代々警察官僚を務めているとの情報が開示される本編。事件は一件落着かと思いきや、意外な真相が明かされる。で、ラストの穿地のセリフがなかなかカッコいい。
④「消える少女、追う少女」=これはなかなかの佳作だと思う。線路下を潜る形のトンネル。その中で突然神隠しにあったように消えた少女。ロジック全開の解法は作者らしく非常に良かった。動機も・・・分かる気はする。
⑤「最もマヌケな溺死体」=準密室となった現場で見つかった溺死体。容疑者には全員アリバイあり。しかも、溺死したプールは一旦水がすべて抜かれていた・・・。ひとつ疑問。指紋認証でしか動かないエレベーターとのことだが、それなら絶対に使用履歴は残るはず。これがあれば、一発で真犯人が分かるはずでは??
⑥「ドアの鍵を開けるとき」=ふたりの探偵の好敵手である糸切美影。穿地も加えた旧友四人が関係する過去の事件。現場は当然密室。意外過ぎる過去が明かされ、本シリーズがこんなにも奥が深かったのかと改めて気づかされた一編。ただトリックそのものは凡庸。

以上6編。
良いシリーズになった。で、良い短編集である。
長編作品のように細かく込み入ったロジックこそないものの、短編らしい切れ味勝負のトリックやロジックが効いている作品が並んでいる。主要キャラたちの関係性もかなり明確になってきて、そっちの展開も楽しみになってきた。
いずれにしても良質な短編はやぱり面白いと再認識した次第。
次作もあるかな?
(マイベストは、やはり④)

No.2 6点 ボナンザ
(2023/01/27 19:43登録)
個別の話はそれぞれ結構面白く、トリックも斬新。最後の一編はあまりひねりがなくて微妙。

No.1 7点 名探偵ジャパン
(2021/01/08 21:12登録)
当初の予定からかなり期間を空けての刊行となってしまいました。
キャラクター小説という側面がある以上、登場人物のキャラクター像や人物関係をおさらいしてから読むべきで、そうしないと面白さが半減してしまうのでしょうけれど、面倒くさくてそのまま読んじゃいました(登場人物の名前も含めて、「探偵が二人組」ということ以外、ほとんどすべての設定を忘れていました)
こういうことがあるから、キャラクター小説は読者の記憶が確かなうちに矢継ぎ早に出していかないと駄目なのです。

相変わらず手堅いミステリを量産できる器用な作家ですね。「ハズレ」のない良い短編集でした。
最後に登場人物の関係性の総決算が行われるので(少年漫画の打ち切りラストみたいな駆け足感でした)、できれば前作から続けて一気読みすることをおすすめします。

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