踊り子の死 デイヴィッド・ロイド警部&ジュディ・ヒル部長刑事 |
---|
作家 | ジル・マゴーン |
---|---|
出版日 | 2002年09月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 6人 |
No.6 | 6点 | メルカトル | |
(2022/01/09 22:54登録) 寄宿学校での舞踏会の夜、副校長の妻が殺された。暴行された形跡があったと聞いた教師たちは、一様に驚きを見せた。男と見れば誰彼構わぬ彼女の色情狂ぶりは、学校の悩みの種だったのだ。では、レイプ目的の犯行ではありえないのか? ならば、動機は?すべてが見せかけにすぎないとしたら、その夜、本当は何が起きたのか? Amazon内容紹介より。 精神的に不安定な状態で読みましたので、細かい点まで読み切れているかどうか分かりません。それにしても、全体の半分位を占めるロマンス要素は必要だったのでしょうか。取って付けた様な印象がどうしても拭えません。ほんのアクセント程度ならまだしも、肝心の殺人事件の捜査をそっちのけで恋愛沙汰の描写は如何なものかと。どうも海外の作品は印税欲しさなのか知りませんが、話を無駄に長くし過ぎるきらいがありますね。上下巻も国内に比べると非常に多いですし。 まあそんな事はどうでも良いですが、殺人事件の検死や事情聴取などを見る限り、結構よく書けていると思えるだけに、それを御座なりにしてしまっているのは返す返すも残念です。よって、解決編が唐突に出現してしまうように感じられる訳です。真相に関しては最後まで犯人像を読者に掴ませず、よく辛抱して仕上げたとは思います。 色々惜しい作品との印象を受けました。文章は何ら問題なくむしろ達者な方だと感じました。ただ多視点なのとプロットに難がありそうで、個人的にはなんとなくスッキリしませんでした。 |
No.5 | 8点 | YMY | |
(2021/05/07 23:16登録) 舞台は、翌年から共学になる予定の全寮制パブリックスクール。交通事故で記憶の一部を失い、杖が必要となったフィリップが英語教師として赴任してくる場面で幕が上がる。教師間の人間関係は、あまり良好とは言えず、盗難事件が頻発するなど、学内には不穏な空気が漂っていた。 舞台と登場人物を限定した上で展開する犯人探しは起伏に富んでダレ場が無く、ラストの推理の切れ味も良い。一読の後、読み返して伏線を確認する楽しみもある。 |
No.4 | 6点 | ボナンザ | |
(2019/11/01 22:43登録) 恋愛描写がほとんど本筋に関係ない以外は良作。 |
No.3 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2015/12/26 17:28登録) 裏表紙より~『寄宿学校での舞踏会の夜、副校長の妻が殺された。暴行された形跡があったと聞いた教師たちは、一様に驚きを見せた。男と見れば誰彼構わぬ彼女の色情狂ぶりは、学校の悩みの種だったのだ。では、レイプ目的の犯行ではありえないのか? ならば、動機は?すべてが見せかけにすぎないとしたら、その夜、本当は何が起きたのか?』~ シリーズ3作目になるらしい。主役のロイド警部とジュディ刑事は不倫関係にあります。その描写にページを割いているのですが、気にならず逆に楽しめました。奇人・変人?という登場人物の造詣もいいですね。誰が犯人であってもおかしくない状況で、本格ミステリーらしいどんでん返しも織り込まれています。日本での翻訳は2000年(1987発表の「騙し絵の檻」)と遅く、まだ4冊のみです。気になる作家の1人となりました。 |
No.2 | 8点 | smile66 | |
(2011/06/05 23:47登録) ジル・マゴーンは本当に外さない。 色々な推論が建てられる舞台設定に人物設定、 そして、プロットともう本当に職人技だと思います。 二転三転する推論はお手の物で、最後の解決への推理もキリっとしてて素晴らしい本格ミステリとなっていると思う。 ただ、主人公たちの恋の行方が殺人事件に比べてほんっっとどうでもいいと思ってしまうのは私だけでしょうか。 主人公たちが悩んだりしてる時に物語がひどく停滞する印象がする。 多少の描写ならいいけど、なんかやたらと多く風通しが悪いのでマイナス2点。 |
No.1 | 7点 | nukkam | |
(2009/04/01 16:09登録) (ネタバレなしです) 1989年発表のロイド主任警部&ヒル部長刑事シリーズ第3作です。登場人物が揃いも揃って共感できないタイプだったので物語的にはいまひとつのめり込めませんでしたが本格派推理小説としては1級品です。緻密な推理が披露された後でそれを根底からひっくり返すような証拠が提示され、さらにそこからの逆転推理という流れが凄いです。どんでん返しの鮮やかさでは世評の高い「騙し絵の檻」(1987年)をも凌ぐと個人的には思います。 |