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ミステリの祭典

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踊る手なが猿

作家 島田荘司
出版日1990年08月
平均点6.50点
書評数6人

No.6 5点 ボナンザ
(2019/08/14 21:54登録)
光文社の短編集は肩の力を抜いて書いた感がある作品が多いですね。
おっと思わされるのは表題作で、暗闇団子はひねりがなさすぎで前振りがいらないレベル。

No.5 7点 メルカトル
(2017/02/17 22:10登録)
再読です。
吉敷刑事シリーズ?が2篇。ノンシリーズが2篇の短編集。
『踊る手なが猿』はケーキ屋に飾られた手なが猿の人形の赤いリボンが、たまに位置を変えられているのはなぜかという日常の謎を扱った作品ですが、それほど複雑な事件ではありません。しかし、東京という土地柄を踏まえた謎解きはなかなか面白いです。
『Y字路』は玉の輿に乗れそうな状況の女の部屋に、忽然と現れた男の死体の謎というありがちな設定です。普通の感覚なら当然即警察に連絡するだろうという歯がゆさを感じるものの、女の切羽詰まった境遇には同情を禁じ得ないです。
『赤と白の殺意』幻想味を多分に含んだ、封印していた過去の出来事とは何かを探るサスペンス。やや小ぶりな感は否めませんが。
『暗闇団子』島田流恋愛小説。しかも純愛小説ですよ。江戸時代にタイムスリップしたような、妙な感覚に陥ります。それだけの筆力で読ませる島荘、さすがです。
全体的に小ぢんまりした作品を集めたような感じはしますが、随所に「らしさ」が出た佳作が揃っていると思います。特に『暗闇団子』はとても純情な二人の恋物語で好感が持てますね。

No.4 6点 斎藤警部
(2015/10/05 23:59登録)
表題作と「暗闇団子」のせいか、どこかしら人情ってヤツを漂わせる短篇集。
(他の二篇はそうでもないのに)

人情もありつつ表題作のトリックの微妙なバカっぽさ(実際の行為ならは頭イイの範疇だろうが、小説のネタとしては。。面白いけど)は「6とん」の人を思わせずにいられませんねw

No.3 6点 E-BANKER
(2010/06/27 22:23登録)
光文社の短編集第3弾。
4編中2編は吉敷刑事(当時)が登場しますが、主役的扱いではありません。
①「踊る手なが猿」=着眼点が光る秀作。確かに当時ならそうだった・・・今は結構変わってますが(何が?)
②「Y字路」=1作目と同じく「結婚したい年頃女性」が事件に巻き込まれます。現場の見取図がさも重要そうに示されてますが、そんなにトリッキーな話ではありません。
③「赤と白の殺意」=記憶の底に眠っていた過去の記憶が蘇って・・・よくある趣向です。
④「暗闇団子」=作者の作品中の随所に出てくる”江戸はよかった”的趣旨の短編。好みではない。
という訳で、なかなか味わいのある4編ではありますが、全体的なレベルは平均点という感じでしょうか。

No.2 10点 Tetchy
(2007/12/07 18:44登録)
文句無し!の短編集。
表題作は「踊る手なが猿」の正体に、島田の奇想の冴えを感じたし、「Y字路」の意外な結末もまたよし!
しかしなんと云っても「暗闇団子」がいい!!
ホント、こういうの書くと上手いよなぁ、島田は!

No.1 5点 なおゆう
(2003/05/26 11:03登録)
短編集。どれも先が見えて、期待していたどんでん返しもなく、島田作品としては物足りない。

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