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ギザじゅうさん
平均点: 6.99点 書評数: 238件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.17 6点 ロシア幽霊軍艦事件- 島田荘司 2005/03/24 18:15
アナスタシアの謎にあそこまで合理的な解決を与えたのは見事。しかも歴史ミステリでいながら、不可能犯罪的な楽しみも味わえるという、豪華な(?)一冊。
ただし、トリックは知っているか否かの部類であるだけに、純粋にその解決で満足か、といえば難しい。脳に異常があったというのも、島田作品の流れから読めてしまう。
ついでに『緋色の研究』タイプの構成はあまり好きではない。が、概ね成功作の部類に入るのではないか。

No.16 6点 御手洗潔のメロディ- 島田荘司 2004/12/19 14:16
IgEはなかなか発端の変わりようから、意外な結末までよく出来ていた。あのような事件なら、御手洗の存在がよく栄えていい感じ。対して、ボストンは御手洗の大学生時代の事件という変わった設定だが、ダイイングメッセージがバレバレなのが、興ざめだった。が、ラストは面白い。
非ミステリの二作だが、御手洗という人物を浮き彫りにするという意味では重要だが、あまり好きにはなれない。やはりミステリでありながら、御手洗を深く描くようにしてもらいたいと思う。しかし、御手洗ほど謎が多い人物だから、このような話が成り立つのだとも思う。この二編をもってしても、御手洗を覆う霧の深さは大して変わらないからだ。これは御手洗に許された特権か?

No.15 7点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件- 島田荘司 2004/10/03 21:59
これを読むと、本当に島田氏はホームズが好きなんだろうなぁ、と思う。ホームズという人間を夏目漱石という日本人が描いているのだが、それも胴に入っていて面白く読めた。
暴騰の謎の怪奇性もよく、それに対する解決策はだいたい予想がしやすい物だが、その犯人の捕らえ方も非常にホームズらしくて面白かった。
ホームズの人気に寄りかかっているかと思いきや、それを知らない人でも楽しめると思う。ユーモア風に好き勝手書いている割には、後年の大作群の片鱗も見えた(様に感じた)

No.14 8点 龍臥亭事件- 島田荘司 2004/03/15 11:26
暗闇坂に続く大作群の閉めをくくる超大作
密室、消失、見立て、そして舞台が岡山(津山三十人殺し、横溝正史)とくれば期待しないわけにはいかない。
が、本格としてはいささか陳腐。今までもトリックに無茶があるのは何度もあったが、しっかりと論理で固めていたけれど、今作はその論理も薄弱。論理以前にこんなトリックを成立させることが詭弁に近い。これを作者言うところの「奇想」と取るのは無理がある。
しかし、社会派としては秀逸の出来!探偵役を御手洗でなく、石岡和己を据えることで、「石岡和己」のアイデンティティの再生とともに戦前の犯罪史を紐解くことで、日本人論を語る。そしてそこに現われる多数による少数への無知、無理解。
今作は同じ「日本人」としても読み逃すことは出来ない。

No.13 7点 アトポス- 島田荘司 2004/02/13 22:30
有無を言わせぬ豪快なトリックと社会問題という相変わらずの島田節(?) 前半部と後半部が最後でつながるのはいいが、前置きが長すぎる気もする。
が、御手洗が颯爽と現れて解き明かす謎のスケールと真相は見事。

No.12 8点 奇想、天を動かす- 島田荘司 2003/06/19 01:17
予想していた大技トリックではないが、本格として良く出来ている。社会派もうまい具合に融合している。
読み終わってタイトルにしびれたのは本当に久しぶりだ。
まさに『昭和』という時代を代表する傑作!

No.11 8点 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 2003/03/26 21:59
占星術や斜め屋敷を思わせる大技トリック。
やってくれるぜ。トリックに義経伝説や夜鳴き石を絡ませているのは流石!
サスペンス的な展開もなかなか面白かった。

No.10 8点 眩暈- 島田荘司 2003/02/16 23:37
奇想が渦巻く眩暈の世界を『推理』をもって紐解く御手洗は見事なり!
読んでて恐ろしくなってきた。

No.9 5点 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 2003/01/18 16:42
死体を八つ裂きにするというのに、八俣の大蛇伝説や五穀の起源などで味付けをしてあるのはおもしろかった。
トリックは別段どうとも思わなかったのが残念。

No.8 8点 水晶のピラミッド- 島田荘司 2002/12/17 12:46
事件と平行して語られる話もなかなかおもしろい。
もともとピラミッドフリークの僕は結構楽しめた。
不満な点としてはあの物理トリックや、ピラミッドの図があればもっとわかりやすいと思うのだが・・・。

No.7 7点 御手洗潔の挨拶- 島田荘司 2002/11/01 22:38
事件の謎はちょっと考えればわかりそうな物ばかりだが、
どれもなかなか楽しめる。
『疾走する死者』の話では石岡君ではないキャラクターの視点から描かれているため御手洗の変人ぶりと超人ぶりが強調されていていい。

No.6 7点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2002/10/03 00:38
なぜ顔の皮をはがしたのか、死んだ被害者が乗っていた列車などと、謎の与え方がおもしろい。
トリックはちょっと平凡かもしれないが、なかなか楽しめる。警察の連中が迷いに迷って真相にたどり着いていくのがおもしろい。

No.5 9点 暗闇坂の人喰いの木- 島田荘司 2002/09/23 19:49
トリックは偶然ともいえるが、特におかしいようにも思わなかった。それよりは巨人の家の秘密がおもしろかった。
大楠の伝承や雰囲気もよかった。
充分満足のいく作品!

No.4 7点 御手洗潔のダンス- 島田荘司 2002/09/04 23:54
『山高帽のイカロス』は魅力ある謎とそれから展開する謎解きはおもしろい。
しかし『近況報告』は無くてもよかったと思う。御手洗ファンのために書いたのか?

No.3 8点 異邦の騎士- 島田荘司 2002/08/14 00:16
占星術や斜め屋敷みたいに派手なトリックがあるわけではないが、非常におもしろい。
『俺』の少しずつ変わりゆく様がよく書けていると思う。
他の御手洗シリーズを読んでからのほうがいいだろう。

No.2 8点 占星術殺人事件- 島田荘司 2002/07/27 22:13
トリックもふくめて結構楽しめた。
長々と話が続いたり、あまり事件と関係の無いところはもうすこし手短にしてほしかったかな。こういう時
「電話帳読まされた気分だよ」
と言いたくなるね(笑)。
御手洗潔という人間は気に入った。

No.1 8点 斜め屋敷の犯罪- 島田荘司 2002/07/27 00:27
純粋におもしろい。
メイントリックは斜め屋敷というものを上手く頭の中でシミュレートしないとわかりづらい。
探偵の御手洗潔をはじめから出してほしかった。
後半から現れてあっさりと事件を解いてしまった感じなので。
(御手洗の代わりに警察の連中が迷ってくれはするけれど・・・

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ギザじゅうさん
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