皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
sophiaさん |
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平均点: 6.94点 | 書評数: 370件 |
No.13 | 6点 | 逆ソクラテス- 伊坂幸太郎 | 2021/04/06 00:34 |
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ノスタルジックで切ない前半の2つ「逆ソクラテス」「スロウではない」がよかったですね。後半の話はちょっと物騒でした。こういう連作短編集の常として、そして特に伊坂幸太郎という作家の特性を考えると、最後にそれまでの話に登場した人物を再登場させて締めるのだろうなと予想はしていたのですが、あの人物ですか。うーん、あの人物は違うんじゃないですかねえ。そんなに改心するようなことがありましたっけ。最後をもっとふさわしい人物が締めていればプラス1点というところでした。他にも複数の話に登場する先生がいますが、この先生を使い回す必然性があまり感じられませんでした。リンクをもっと効果的に使って欲しかったです。 |
No.12 | 7点 | ホワイトラビット- 伊坂幸太郎 | 2019/02/05 21:59 |
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ギミックを成立させるために行った二つの場面の時間軸の微妙なずらしが見事。「レ・ミゼラブル」へのオマージュであろう作者の視点からの注意書きが要所で挿入されるのも最初は鬱陶しかったですが、時間軸のずれたこの作品を読みやすくするのに効果を上げています。なかなか新しい趣向で楽しめました。 |
No.11 | 7点 | AX- 伊坂幸太郎 | 2019/01/19 17:05 |
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3編目までのほのぼのっぷりにどうしたことかと心配になりましたが、4編目からこのシリーズ本来の殺伐とした感じが出てきて一気に面白くなりました。3編目までは言わばフリのようなものかもしれません。そう考えると連作短編集という体裁は採っていますが、実質的に一つの長編かと思います。第4編のある仕事の下りが本編から浮いていたのは伏線だったからなんですね。最後に余談ですが、伊坂幸太郎ほどの作家が「いつぶり」などというおかしな言葉を使っていることに驚きました。 |
No.10 | 7点 | マリアビートル- 伊坂幸太郎 | 2019/01/11 19:01 |
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人物やトランクの複雑な動きをよく考えて物語が作られてあり、読者は頭の中に常に列車の見取り図を描いて展開を追うことになります。終盤に視点人物のバトンタッチが行われるのは、アイラ・レヴィン「死の接吻」を思わせる構成でワクワクしたのですが、そこがこの作品のピークになってしまった気がします。なお、この作品を読む前に「グラスホッパー」を再読していて正解でした。読んでいないと面白さが半減とまでは言いませんが、2割減ぐらいはします。 |
No.9 | 7点 | グラスホッパー- 伊坂幸太郎 | 2019/01/08 00:33 |
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「マリアビートル」や「AX」を読む前に、殺し屋シリーズ第1作を復習がてら十数年ぶりに再読。だいぶ忘れてました。スピーディーな展開で読者を引き込む手腕はさすが。3人の視点人物の切り替えも効果的。ただしあまり中身のない血腥い話であり、伊坂版「パルプ・フィクション」といったところでしょうか。なお鈴木と蝉については分かりますが、鯨の行動の動機付けがいまいち分かりませんでした。最後の決着もあっさりとしたものでした。 |
No.8 | 5点 | 死神の浮力- 伊坂幸太郎 | 2018/07/03 18:21 |
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結末が読めるんですよねえ。その先に更にサプライズがあると思っていたんですけど特に何もなくて、それで終わり?という感じでした。それも伏線だったのかと思う箇所がある反面、あれは伏線じゃなかったのかと思う箇所もあります。「一週間の生涯なら、百年でもささげるべきである」の下りや、レインコートの男が殺された件です。その辺がどうも荒いんですよね。前作「死神の精度」の方が断然よかったです。麻耶雄嵩の神様シリーズと同じで、短編向きの設定ではないでしょうか。 |
No.7 | 8点 | 死神の精度- 伊坂幸太郎 | 2018/03/13 19:42 |
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「死神の浮力」を読もうと思ったのですが、前作の内容を完全に忘れてしまっていたので復習がてら再読しました。文句なしに面白かったのは「死神と藤田」です。設定を生かした見事な終わり方でした。「旅路を死神」は感動的な話ですが、死神はあまり関係ありませんでした。全体的に「可」か「見送り」かで迷うところをもう少し見たかった気がします。 |
No.6 | 9点 | ゴールデンスランバー- 伊坂幸太郎 | 2017/07/23 23:37 |
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全部読み終わった後で「ああ、そういう話か」と分かるタイプの作品ですね。
本来の犯人候補であった人物のことなど、謎をもう少し解き明かしていく作品かと思っていたので拍子抜けした部分はありましたが、それを帳消しにしてもいいかと思えるくらいラストシーンが感動的でした。 |
No.5 | 8点 | アヒルと鴨のコインロッカー- 伊坂幸太郎 | 2005/05/23 19:33 |
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タイトルからは想像もできないほど重い話ですね・・・・・・
それを独特のユーモアで軽く描くのが著者の魅力なのでしょう。 「三人の物語の終わりに巻き込まれた」という設定は秀逸です。 映画化して欲しいんですが、叙述トリックの件で無理か。 |
No.4 | 6点 | 重力ピエロ- 伊坂幸太郎 | 2005/05/16 02:18 |
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殺人の件に関しては目を瞑ろう。
だが放火は許容できません。 善良な市民の財産や生命を脅かすのは許しがたい。 博物的には勉強になるし、メッセージ性も強い作品だが、上記の点だけが不満。 |
No.3 | 5点 | 陽気なギャングが地球を回す- 伊坂幸太郎 | 2005/03/13 03:55 |
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あまりに何でもアリすぎで白けますし、主人公たちの会話に出てくる瀟洒な言い回しも若干鼻につきます。
自閉症児の扱いも好きではありません。 そもそもこういう軽いノリの犯罪小説というのが合わないのかも。 |
No.2 | 8点 | ラッシュライフ- 伊坂幸太郎 | 2005/02/24 17:20 |
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5つのストーリーの時系列がどうなっているのかという疑問、それがこの作品を読み進める原動力となりました。
「拳銃の音」「ボブ・ディランのCD」「トイレに行くふりをして一仕事」等、ミスディレクションもなかなか豊富で手こずりました。 ただパズル的要素が強いあまりか、作品の持つメッセージ性は若干希薄に感じられました。 |
No.1 | 6点 | オーデュボンの祈り- 伊坂幸太郎 | 2005/02/15 04:12 |
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ちょっと大人向けの童話(?)みたいな話でしょうか。 すごく含蓄のある作品のような気もしますが、ミステリとして評価するのは難しいです。 |