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寿司芸者さん
平均点: 6.32点 書評数: 25件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.25 6点 眼球堂の殺人~The Book~- 周木律 2026/08/04 11:30
堂に回転機能と水没機能が備わっているのはダイナミックで奇想、お見事。

序盤の立面図から何かトリックがあると疑って読んだが...”死角で見えない柱”って必要だったかな?
各柱はどれも館から見て裏側があるのだから、そこに幾らでも隠れ部屋は設けられそうだが...。
メイントリックに瑕疵があると興が削がれるなぁ。

全体的に冗長な文章であり、表現も恥ずかしい箇所が多い。探偵像も厨二的だ。
今後に期待!

No.24 7点 ルパンの消息- 横山秀夫 2026/08/04 10:36
ミステリーの面白要素がテンコ盛り! 読書コスパ抜群って感じ。
スパイ大作戦、3人の並行聴取、迫る時効、レズビアン、盗聴、三億円事件......え?三億円事件っ!?

供述される過去と捜査が進む現在を往復させながら、満載の要素を開示していく秀逸な構成。
なのだが、実際の三億円事件と絡めたのは好みが分かれるところ。
しかも「真犯人」という設定だしね。ちょっと興覚め。

鮎美と橘ということにして、幸子の正体告白という締めでも良かったんじゃないかなぁ。
ハイドによる凌辱も必要だったかなぁ、好みではない要素。
名手横山秀夫も若かったということか。

_____
橘が”古い金庫”から開けた描写、俺もおかしいなと引っかかってはいたんだけどなぁ~。
引っかかり止まりだったなぁ、閃光が走らなかった......。

No.23 5点 クライマーズ・ハイ- 横山秀夫 2026/08/04 09:10
いわゆる「ミステリー」ではない。
魅力的な”謎”も”謎解き”もない。

新聞社内パワーゲームの詳細描写や史上最大事故の緊迫した展開は、確かに読み応えがある。
しかし、それが読みたかったわけではない。
また、主役である悠木の優柔不断と無計画さ、そして昭和仕草には辟易させられる。
実在しそうにリアルだからと言って、小説を読んで眉を顰めたいわけでもない。

「山は誰をも正直にし、登山は素晴らしい」論を持ち出すのは別にいい。
であるならば、山での告白を利用して、大仕掛けの謎をスルスルと解きほぐす構成が読みたかった。
現代と17年前、山と下界、二つの時空差を利用してトリックを仕掛けて欲しかった。
名手横山秀夫モノとして大きく不満な一作。

______

いわゆる「悪いやつ」を敢えて挙げるとするならば、
悠木をデスクに据えた局長の粕谷が、手腕的に一番「悪い」かな......。

No.22 8点 第三の時効- 横山秀夫 2026/07/28 23:33
むうっ、面白い。出色の出来。

全六篇の短篇集、事件やトリックに相互のつながりは無い独立小品。
しかし! 読み通せば浮かび上がる、我を張りながらも通底で絆を見せるF県警強行犯の絵巻物。

三人の班長がいい。「理詰め型」の朽木、「謀略型」の楠見、そして「閃き型」の村瀬。
事件のリアルさも良い、小気味よく曝されるトリックも見事、だがそれ以上に、三人と三つの班の、浮かび上がる競争心、猜疑心、巧妙心、…そして最後に団結心。
『花を持たそうとしたのだ、退官間近の伴内に』という部分、ムネアツでしたねぇっ!

何かに似ている、この読後感とムネアツ感と思ったら、少年漫画『キングダム』に瓜二つ!
そこに気づけば、おおっ、もっとだ、もっと読みたいぞと中毒の様に求めてしまう。
だがしかし…いまだF県警強行犯シリーズがまとまった文庫はこれ一冊のみだ。。

残念過ぎる、だから期待している。次の短篇集を、いやなんなら大長編でもいいぞ!
刑事部長や課長の代替わりまで描く大河叙事詩になってくれっ!

No.21 7点 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 2026/07/23 11:12
活劇風にサクサク展開するので読み易いし、普通に面白い。

年齢の叙述トリックにはまるで気付かず、結局「綾乃の孫娘」ワードの出現まで掛かった。
「おじいさん」「おかあさん」呼びや、唯一老年と判明していた「節子」を偽名で当初から登場させていた等のトリックは「ほー」と感心しながら楽しめた。

しかし、老年でも意気軒高を示す描写が少々あざと過ぎるか?
色恋ぐらいは良いとして、高校の先輩後輩だ、来年に大学受験を控える、あげくは丸山町で売春だと…
あまり気持ちよく鮮やかな騙し方ではないよなぁ、と。

そして何より不可解だったのは、過去のヤクザ潜り込みパートは要りますか?
活劇要素だというのは分かるが、何かしら現代の活躍や謎に紐づいているべきではないか?
もう一つ繰り返される土葬墓の掘り返し描写も意味不明、士郎さんを埋めた時の描写?要る?
読み込めてないのかもだけど、この辺りがカシャカシャカシャッと嵌ってくれると
うおーっ、傑作だ、気持ちいいーって感じたと思う。

作者の意図や、評者の解説などあればぜひ読んでみたいもの。

No.20 8点 13階段 - 高野和明 2026/06/13 18:31
2人の青年にまつわる2つの筋が絡んでいく展開はスリリングで読み応えある‼️

ミスリードを味わったのも満足度高いし、バディ旅行記めいた設定も読んでいて小気味良い。ただ、キーコンセプトであるはずの「階段」の位置付けは少々物足りなかった、もっと謎の根幹かと期待したのに。。

悪事を働きし者達がほぼ皆応報を受けていて、読後の納得感は高いが、それでも冤罪で10年収容の樹原と完全被害者の友里は救われないなぁ。。

No.19 8点 メインテーマは殺人- アンソニー・ホロヴィッツ 2026/06/10 13:30
緻密な構成。面白い。読後にペラペラと読み返したくなる魅力もあり。

巻末解説にもあるが、「情報の渡し方と組み合わせ方」が秀逸!
69頁の”語られない第五の鍵”と170頁の”息子による母の回想”とが、239頁の”鍵がスイッチを入れる瞬間”につながるとかね。
知的エンターテイメントっ!

が、しかしフェアかというと疑問は残る。RADAの集合写真まで読んだとて、果たして真犯人を突き止められる読者はいるものか?
「芝居好きなのは血筋かしら?」で察しろと…? 『十二夜』の登場人物って、『レアティーズ』からのスペル自動修正機能って…。

う~ん、教養が足りないな。。

No.18 7点 君のクイズ- 小川哲 2026/06/02 13:33
巧緻な構成! ゼロ文字押しが、次第に高い蓋然性を帯びていく過程はスリリングな知的遊戯っ! ただ結局は、メタ的状況から読み解いた、というのは平凡な結論でもある。それでも、とても読み易いし満足度の高い逸品!

No.17 8点 新参者- 東野圭吾 2026/05/31 15:57
くわぁー、気持ちいい快作っ!
サクサク、パチパチと、パーツ同士が小気味よくハマって完成するEasy Gradeのガンプラみたいな逸品

商店街の古き良き日常がウェルメイドに描かれる短編が8本続く、
それぞれ無関係な小さな事件と謎が解き明かされるに従い、
大きなメインストーリーと謎が立ち上がり第9話で綺麗に収まる

理系な作品(?)かな、脱帽の構成力でした。お勧め!

No.16 5点 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 2026/05/14 15:32
叙述とまでは言えない描写。読み易くて、まぁ楽しめた。
総出で大掛かりに仕掛けているのは悪くないが、ただ起点となる犯罪性が薄いだけに、隠された真実なども乏しく、また意外性にも欠けており、ミステリーとしての満足度はイマイチ。謎解きらしき部分も少なかったかな。

No.15 9点 かがみの孤城- 辻村深月 2026/05/13 00:37
繊細に、それでいて周到に描かれた傑作。
ミステリーではないかもしれないが、それはどうでもいい程の傑作。
安易な展開に逃げ込まず、7人、いや8人全員を闘士として描いた力作。
今も昔も、未来も、若者は傷付きながらも闘い抜くのだという青春賛歌にして応援歌。

No.14 7点 ロートレック荘事件- 筒井康隆 2026/05/06 17:49
雰囲気のある文章。技巧に富んだ作品。
本トリックのオリジナルともいえる一作であり、今呼んでも読みごたえはある。
しかし、章ごとの「おれ」が異なる表記は・・・いまひとつ納得できず。
アンフェアとまでは言えないが。。

No.13 8点 『アリス・ミラー城』殺人事件- 北山猛邦 2026/05/02 17:00
重厚、芳醇、面白い!

探偵同士の対決感もあり、古城の雰囲気もあり!
まぁまぁ納得のトリック満載。少々、物理トリック多すぎるか?

・・・しかし、まぁ、最後は叙述、ということ?

No.12 9点 殺戮にいたる病- 我孫子武丸 2026/04/27 18:00
圧巻!
ほんとうに、たったの1行で世界をひっくり返してみせてくれた。
全く予想だにしていなかった構造に震えます。

文章や語り口も、作者若かりし頃の作品でありながら、
落ち着いていて読み易く、雰囲気を感じさせてくれた。

一点、「二十八日午後十時四十五分」の表記だけわからない。なぜだ……?

No.11 6点 盾と矛- 方丈貴恵 2026/04/24 11:44
良作だとは思う。

探偵側と隠蔽側が競う設定は独創的であり、推理で明らかになる事実は意外性に富んでおり、テンポよく読めて、楽しめた一作。ラスト、もうひと捻りの展開があれば、更に満足でした。

文体や描写には、幼さを感じる個所も多々。”ミステリーはトリックが醍醐味”は否定しないが、軽く浅く見えてしまう描写は雰囲気を壊してしまうのも事実。


No.10 7点 紅蓮館の殺人- 阿津川辰海 2026/04/21 17:32
構造的に仕掛けられた大技は秀逸!
こういうのを期待していた、という興奮とともに読み進められた。

対照的に、決定的場面で突き付ける推理は小技でセコい。。
折り目が無いはまだしも、ずっと鞄の紐を握ってたからとか言われても…

大技が書けるんだ、小技ぐらい磨け!
将来期待は大なり。

No.9 5点 星くずの殺人- 桃野雑派 2026/04/11 14:41
舞台設定とか環境描写とかはまぁまぁ面白く読めた。
ミステリーとしてはなんだかなぁ。
EMPを便利概念として使い過ぎ。
例え原理として成立するとしても、カタルシス感じる解ではない。
電磁石による真空の出現とかは、こじつけであり、伏線回収とはならなかったし。
読み易く、前半は楽しかっただけに残念。

No.8 9点 地雷グリコ- 青崎有吾 2026/04/08 13:55
唸らされる作品っ!
ゲームとミステリーの高度なハイブリッドがお見事。ひとつひとつはおふざけ日常イベントなのに、毎回ハイテンションな描写で、紛うことなき圧巻の伏線回収っ! きもちよっ。そして、エンディングが淡くて純粋な青春展開なのも良い!
流石は「1週間で3冠」作品っ!

No.7 5点 死と砂時計- 鳥飼否宇 2026/04/08 13:39
小品が連続する感じ。
世界観設定が特殊で脳内イメージが難しかったが、それも悪くないスパイス。
さすがに最終展開は、途中でネタバレ感が強かった。
が、それよりなにより、ラストが悪ふざけし過ぎで、少し気持ち悪い読後感。

No.6 8点 インシテミル- 米澤穂信 2026/04/08 13:07
面白い!
本格感を感じるクローズドサークルもの。
賞金ボーナスの概念を組み込んだことで、最後の二人になる前で展開へと進んだ点に唸らされる。
最後、これだけ匂わせたのだから、続編出てくれないかなぁ~。

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