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ことはさん
平均点: 6.34点 書評数: 222件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.5 7点 世界推理短編傑作集5【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2020/05/05 00:05
この時代になると、ホームズ風の短編は採用されなく、コリア、アイリッシュ、ブラウンなど、異色作家短編集にもとられる作家が増えてきます。
時代の流れも感じるけれど、私の好みと少し外れてきているのも感じる。
カーは元版の「見知らぬ部屋の犯罪」から「妖魔の森の家」に変更。(元々翻訳権の兼ね合いで「見知らぬ~」だったらしい)
1作選ぶとすれば、やはり「妖魔の森の家」。これはよくできている。(翻訳としては乱歩訳(本当か?)の版が好きですが)
次点で「証拠のかわりに」。ウルフ物は、やはりこの程度の長さが最適。

No.4 8点 世界推理短編傑作集4【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2020/05/04 23:58
1930年代にかかり、作品が充実してきたといってよいでしょう。
セイヤーズの作品が一番退屈と思えるラインナップ。
乱歩曰く「奇妙な味」の名編「二壜のソース」「銀の仮面」や、「密室の行者」の豪腕、ハメットの短編まで。
私が読んだアンソロジーでは最強のラインナップですね。
1作選ぶとすれば「信・望・愛」。ミステリとししては変化球で、この中からこれを選ぶ人は少ないと思いますが、これ偏愛している1作なので。

No.3 7点 世界推理短編傑作集3【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2020/05/04 23:28
1920年代に入った3巻は、ヴァラエティにとんでいるといえます。
「茶の葉」のようなトリック1本勝負の作から、ヘミングウェイまで。これがミステリの幅の広さだというセレクションがよいです。
1作選ぶとすれば「偶然の審判」です。「偶然の審判」とくれば「毒入りチョコレート事件」との関係ですが、解説で触られているのは、「The Avenging Chance の謎」として真田啓介さんがネットに公開している説の結論を、引き写したものと思えます。「The Avenging Chance の謎」では、1990年代に見つかった中篇版 The Avenging Chance の存在を軸とした、作品毎の差異を手がかりに、実にミステリ的に創作の裏側を推理していきます。「偶然の審判」と「毒入りチョコレート事件」の両作を読んだ謎解きミステリファンには、ぜひ読んでもらいたい傑作です。すごい説得力あり!

No.2 6点 世界推理短編傑作集2【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2020/05/04 23:12
元版からは、「放心家組合」が1巻から移動してきて「奇妙な足音」が追加。かわりに「好打」と「窓のふくろう」が抜けています。
「好打」の発表年は、1913から1937に変更。どんだけ違ったんだよ!
作品としては「ホームズの追随者」という感じが強い。ホームズの型を刷新するにはまだ時間がたりなかったのでしょう。
1作選ぶとすれば「オスカー・ブロズキー事件」ですが、訳者が元版から変わっています。読み比べてみましたが、私は元版のほうが好き。ソーンダイク物では最も好きな作品だったのですが、井上勇訳による部分があったのだなぁと実感。

No.1 7点 世界推理短編傑作集1【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2020/05/04 22:50
元の版は、私の読書歴の最初期に読み、ミステリを広く概観させてくれて、ミステリ観の基本を作ってくれた作品集。
版を改めて、今後もアンソロジーの基本図書として読みつがれていくことを期待します。
新版になって、年代順という方針は変わらないけれども、作品の年代特定が更新されたり、収録作が増えたり(ポーとドイルとチェスタトンが追加)して、いくつも作品の異動があるので、元版とは別に登録します。
第1巻は、ポーとドイルが新規収録されて、かわりに「放心家組合」が2巻に移動しています。そのため、有名な名探偵の作品5作、他3作と、ホームズ時代の趣が強くなりました。個人的にはこのバランスのほうが好き。
個々の作品は、古臭いといえば古臭いかもしれませんが、実際に古いのだから、これはもう味ですね。
1作選ぶとすれば「十三号独房の問題」。

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ことはさん
ひとこと
ホームズ生まれの、クイーン育ち。
短編はホームズ、長編は初期クイーンが、私のスタンダードです。
好きな作家
クイーン、島田荘司、法月綸太郎
採点傾向
平均点: 6.34点   採点数: 222件
採点の多い作家(TOP10)
エラリイ・クイーン(23)
レジナルド・ヒル(19)
アンドリュウ・ガーヴ(14)
近藤史恵(11)
アガサ・クリスティー(9)
笠井潔(8)
クリスチアナ・ブランド(6)
P・D・ジェイムズ(6)
東野圭吾(5)
アンソロジー(国内編集者)(5)