皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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レッドキングさん |
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| 平均点: 5.29点 | 書評数: 999件 |
| No.119 | 7点 | ウォッチメイカー- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/11/02 17:24 |
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| ライムシリーズ第七弾。「痩身丸顔ドラキュラ」と「巨漢肥満モンスター」の猟奇殺人コンビ。対するは、「四肢麻痺のホームズ」に「モデル上がり女刑事」さらに「透視力女」を加えた探偵軍団。 メンタル動機の連続残虐殺人をめぐる虚々実々の攻防・・と読者を誘導しておいて、アッと驚く操り及びドンデン返し(ここまでは「コフィンダンサー」「エンプティチェア」の踏襲)・・と思わせておいて、エッと驚く更なる「二重返し」。 ここまで捻るとそれまでの作品のハラハラドキドキ感は薄れるが、限りなく「本格の様なもの」に近づく。今のところ そしておそらく今後もジェフリー・ディーヴァーの最高作ではないかと。(ライムおよびダンスシリーズしか読んでないが) | |||
| No.118 | 5点 | 少女たちの羅針盤- 水生大海 | 2018/10/28 17:36 |
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| 自分にはないことだったけれども「青春」てよいもんだな、演劇少女もバンド少年も・・甲子園はちと暑苦しいが。でも青春てのは殺人で汚されて初めて絵になるしろもんではないかと。 | |||
| No.117 | 4点 | 封印の島- ピーター・ディキンスン | 2018/10/28 16:19 |
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| 麻耶雄嵩に「紹介」されて知った作家だから読んでみた 麻耶の「あの部分」に影響を与えたのは分かったが 「新本格第二世代」的な捻りに捻った「トリック」「ロジック」というんではなかったな 作品のチョイス失敗だったのかも | |||
| No.116 | 7点 | 暗いところで待ち合わせ- 乙一 | 2018/10/27 10:08 |
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| 「知る者と知らない者」から「知る者と知る者」へ、「知られていることを知らない者と知られていることを知っている者」から「知られていることを知っている者と知られていることを知っている者」すなわち「知り合っている事を知り合っている者たち」への二人の変化 単なるわたし個人から私たちへ「WHO?」ダニットの「純」文学。 | |||
| No.115 | 6点 | エンプティー・チェア- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/10/25 12:07 |
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| ライムシリーズ第三弾。現代のホームズvs不気味な「昆虫少年」。根拠地ニューヨークから南部の沼地に舞台を移し虚々実々の追跡劇・・・と見せかけて、アッと驚く舞台どんでん返しで、ホワットダニット物に物語が完結。 | |||
| No.114 | 6点 | コフィン・ダンサー- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/10/25 11:52 |
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| 名探偵vs名殺し屋。かたや科学のシャーロック・ホームズにして究極の安楽椅子探偵、こなたメンヘラのゴルゴ13 手に汗握る虚々実々の戦い・・と読者を陽動しておいてアッと驚く真犯人。どうせ本格物でないんだろうと、素直に読んでたら油断できない作家。「僕は何故あの男に魅せられるのだろう」・・絶妙なるフーダニットの伏線。 | |||
| No.113 | 4点 | 仮面舞踏会- 横溝正史 | 2018/10/17 11:19 |
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| 人物描写からして 犯人これしかないだろうなあって思ってたのが犯人で こんな風に豹変するんだろうなあって思ってた通りに豹変した | |||
| No.112 | 7点 | 海を見ないで陸を見よう- 梶龍雄 | 2018/10/07 18:04 |
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| ケム・ナンの残酷な青春小説「源にふれろ」のテーマは「源にふれるな」。すなわち「海を見ないで陸を見よう」。 | |||
| No.111 | 7点 | 源にふれろ- ケム・ナン | 2018/10/06 20:40 |
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| 失踪した姉を求めて旅立った男が出会ったものは、サーフィンだった。そしてサーフィンが求めているという「源」。
「二度と帰り来ない青春」というのは悲しくも美しいが、「決して逃れることもできず 取り返しもきかない青春」はただただ残酷で重たい。 とっくの昔にその時期を過ぎてしまっているのに、残酷な「青春」に縛り付けられ、おぞましい「源」に憑かれてしまった哀れな男女たち。「源にはふれるな」こそがこの作品のテーマ。 |
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| No.110 | 6点 | 七人のおば- パット・マガー | 2018/10/05 21:55 |
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| 七人のおばの中から犯人を見つけるフーダニット と見せかけた〇〇〇を見つけるフーダニット すげえなこのおば達 みんな違ってみんな凄い | |||
| No.109 | 6点 | ジャンピング・ジェニイ- アントニイ・バークリー | 2018/10/05 21:42 |
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| 「殺されちまったほうがスッキリする被害者」が出てくる話の結末はこうでなきゃな、「オリエント急行」もいいが。に比べて我が国のその手のは変にカタくてさ、「犯人の心情は分かるが、法は法だ。裁かれなければ・・」式になるから鼻白む。 | |||
| No.108 | 6点 | 少年時代- ロバート・R・マキャモン | 2018/10/05 21:18 |
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| ここがミステリサイトでなければ8点は献上したい。「トムソーヤ」由来の「米国の匂い」のするファンタジー少年小説として。
でも冒頭から最後にかけてミステリとしての展開完結もあんだよなあ。その部分はせいぜい3、4点かなあ。で、おまけしてこの点数。残念だけどミステリサイトなんで。 |
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| No.107 | 5点 | ボーン・コレクター- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/09/21 11:12 |
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| ライムシリーズ第一弾。探偵が追い求めた連続猟奇殺人犯は、その探偵を追い求めていた半殺人鬼だった。
たいへんに面白い小説だが再読にはチョット・・繰り返し楽しむ本ではない。ミステリに全然興味ない家族に、ストーリー概略を話し、文庫本の「登場人物一覧」を見せたところ、その「肩書」だけから犯人を一発で当てた。まあ、バレるよな、そりゃ。 |
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| No.106 | 7点 | 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 | 2018/09/18 21:21 |
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| 1.「鈴木太郎」が本当に神様ならば あの神罰を受けた主犯共犯による日常的小道具を使った「密室殺人」として話は完結する。(伏線として犯人の身体的特徴も冒頭と最後に抜け目なく記述されてる)
2.「鈴木太郎」が大言壮語を吐く虚言少年ならば 起きた惨劇は偶然の事象で 「密室殺人」は 主人公の推理を含め 複数の解釈が並立する「多重解決もの」となる。 そして 1か2かは読者の判断に預けられる。「ミステリ」としては1の「神の視点」による解決の6点が妥当だが 2も巻き込んだ着想への敬意を表しオマケ付き。 |
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| No.105 | 5点 | 毒入りチョコレート事件- アントニイ・バークリー | 2018/09/18 20:42 |
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| まあ あの 〇〇小事件など衆目の元に行われた例外的な事件は別として、犯罪の真相など神と本人のみぞ知るだから、「文学」の立場からしたら どこまでも「解釈」あるのみだろ。でもこれ、普通の「ミステリ」なんだから「神の視点」から解決してもらわなきゃなあ。でなきゃ、余韻を残した「文学」か「アンチミステリー」に昇華させるか。 | |||
| No.104 | 4点 | 学寮祭の夜- ドロシー・L・セイヤーズ | 2018/09/18 20:20 |
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| ミステリの名作古典の一つと聞いてたので ずっと以前に襟を正して読み始め あくび噛みころしながら読み通した あの手の「英国女流ブンガク」だったのねこれ 以降この作家読んでないし これからもないだろうな | |||
| No.103 | 5点 | ホッグ連続殺人- ウィリアム・L・デアンドリア | 2018/09/17 22:47 |
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| 〇〇に見せかけた殺人でなく 殺人に見せかけた〇〇ってのがグッドアイデア
だがそもそも「ABC・・」以来の 「◎◎殺人」に見せかけた「△△殺人」てのの逆の 「△△殺人」に見せかけた「◎◎殺人」てのないのか |
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| No.102 | 6点 | 五番目のコード- D・M・ディヴァイン | 2018/09/17 19:40 |
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| 「〇〇殺人」と見せかけた「△△殺人」(「ABC殺人事件」だな)・・と見せかけた「~~殺人」。今後さら複雑化したの出るのかな。
< 2021/9/15 再々読> ディヴァイン第六作(せっかく「五番目」タイトルなんだから第五作だと締り良かった)。犯人の「不可能性」トリック(まあ目眩ましやね)の妙を加点すべきだったと思い知り、5点から6点に変更。 |
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| No.101 | 6点 | 八つ墓村- 横溝正史 | 2018/09/14 20:08 |
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| 小説としてはとても面白い 横溝の中で一番好きかな あの数十年前の映画も印象的だったなあ 「砂の器」監督に寅さん金田一でショーケン主演 ほんで山崎努小川真由美の演技あれ怖かったなあ でも犯人いくらなんでも殺しすぎ | |||
| No.100 | 7点 | Xの悲劇- エラリイ・クイーン | 2018/09/14 13:21 |
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| 見どころは三点
第一幕で 「凶器それ自体」が「密室」=「使用不可能性」を演じていること 第二幕での「法廷ミステリ」の逆転劇と犯行不可能ロジックの展開 (まあ小柄な人物が 利き腕でない片腕では巨漢は投げられない とは絶対には言えない というツッコミはおいといて) 第三幕での動機解明・・・ホームズ長編物の匂いのする「過去因縁ロマン」の展開 はるか昔 まだ十代のころ 知りもしないくせに「本格もの」は「グリーン家」がその標準を形作り「Yの悲劇」がそれを乗り越え その後はないなんて思いこんでた その後「Y」より「X」のが上だという評価聞いても シェイクスピア最高作は「リア王」でなく「テンペスト」だとか 「カラマーゾフ」と並ぶのは「罪と罰」でなく「白痴」だとか はたまた「ホワイトアルバム」こそがビートルズ最高作だとかいった類の小賢しいマウント言説の一つだろうと感じていた でも あらためて読み返すと こんな面白い話だったんだな「Xの悲劇」 |
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