皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
レッドキングさん |
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平均点: 5.28点 | 書評数: 934件 |
No.134 | 5点 | オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン | 2018/12/10 18:39 |
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何故に切れた靴紐は絆創膏によって修繕され 何故に靴の内側に詰め物があったのか? それはある属性に限定される犯人によって実際に使用された物だったから・・・。だがまってほしい。それが「あたかも~であるかのごとく」誤導させるための「ニセ手掛かり」ではないと どうやって否定できるのか。で必要なのはやっぱ証拠で今回は残された絆創膏の切り跡っていうチンケな・・。
第二の殺人での犯人限定のロジックは変に美しい。「彼の死に顔は穏やかだった・・ ここに窓がほしい・・」 状況証拠の極みだな |
No.133 | 4点 | フランス白粉の秘密- エラリイ・クイーン | 2018/12/03 19:07 |
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何故に死体は犯行現場から異動されねばならなかったのか? 犯罪の発覚時刻を遅らせるため。 何故に発覚時刻を遅らせる必要があったのか? それまでに行なわなければならない事が出来なくなるから・・・
でもこの「ロジック」・・必要条件:「Aは犯人でありえる」は満たしているのかもしれないが、十分条件:「A以外に犯人はありえない」は満足させられないなあ 例えば 作品に何人か出てくる「警官」の一人Xが真犯人でないとは言えないし、あの取締役達の一人Yが「合理的判断」と「非合理的行動」をチャンポンに行った犯罪であることも否定できない。 で、必要とされるのが「証拠」。それがない場合「ローマ帽子」では「おとり捜査」が行われたが、ここでは「共犯」の「司法取引の摘発」が出てきた。そりゃないよな |
No.132 | 4点 | ローマ帽子の秘密- エラリイ・クイーン | 2018/11/27 14:19 |
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何故にある物は持ち去られたのか? 犯人がそれを必要としたか それが犯人を指し示す物だったから
それは誰によって如何にして持ち去られたのか? 閉ざされた空間の数百人の容疑者の中から一人の犯人を導き出すロジック でも所詮ロジックはロジックでしかなく 決め手となるのは確かな「証拠」 それがないから行われる「おとり捜査」・・・これあまり愉快でないんだな ようするにわざわざ犯行を行わせるよう仕向けるんだもんな。 それにしても どんなにわずかであったとしても その血の中に〇人の血が混じっていることが致命的な脅迫材料になるってのも・・米国というか時代というか・・・。 そういえば 我国の帝に「私たち皇室には〇〇人の血が入っている」とのお言葉があった。 また某大物元首相は「私には〇〇〇人の血が流れている この太いまゆ毛を見れば分かるだろ」って戯言いってたな。 |
No.131 | 7点 | 陰獣- 江戸川乱歩 | 2018/11/21 17:10 |
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子供のころ この作品によって「本格」「変格」というガイネンを知った。また「ロジック」および「多重解決」っていう物のあり方を教わった。 |
No.130 | 8点 | 孤島の鬼- 江戸川乱歩 | 2018/11/21 17:03 |
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もちろん点数は大きくオマケ付き。だって乱歩といったら「陰獣」とこれだし。
前半は、二つの密室・不可能トリックが付いた本格ミステリ。 中盤にスリラーな怪奇手記を挟み、後半の冒険サスペンスへ。 「宵待草」、竹久夢二、「ゴンドラの唄」・・・ 大正ロマン時代を舞台に、昭和初期エログロナンセンス文化期に書かれた奇跡的な一冊。 「不具者」「かたわ者」「せむし」「つんぼ」・・・ 障害者差別用語のオンパレードに同性愛者探偵・・・今なら「LGBT差別」とかにもなりかねない・・・の活躍、 やや惜しい出来の密室・不可能トリックも、「最後にひとひねりほしかった」と言う不満も含めて「申し分なし。」 他に何が必要だったろう。 |
No.129 | 5点 | 幽鬼の塔- 江戸川乱歩 | 2018/11/16 08:09 |
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世の中にはこんな動機の死もあるのか 戦前のみならず 変に歪んだ「聖女崇拝」って今もあるもんな そういや あの「白装束集団」今どうしてるんだ |
No.128 | 5点 | 真珠郎- 横溝正史 | 2018/11/16 07:56 |
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これ絶対「首無しの如き祟るもの」の源流だよな |
No.127 | 7点 | 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2- 江戸川乱歩 | 2018/11/15 19:46 |
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男が女に残した「ゆるす」の文字が全てだ。
もちろんミステリではない。いわば究極の反戦小説。でも「ゆるす」 |
No.126 | 4点 | 緑衣の鬼- 江戸川乱歩 | 2018/11/15 19:29 |
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これ先に読んじゃったせいで 本歌と言われる「赤毛のレドメイン」の方を読む気が失せてしまった |
No.125 | 5点 | 三角館の恐怖- 江戸川乱歩 | 2018/11/15 19:14 |
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子供の頃、クラスの「学級文庫」に乱歩シリーズを寄贈した奴がいて、おどろおどろしい表紙絵に魅せられ方端から読んだ。この「三角館」が何とかいう海外小説のリメイクとは知っていた。人によっては「金」よりも大事な動機があるということを知った。ただあのエレベーターのナイフトリックには物理的に納得できなかった。あれってそんな勢いよく飛ぶものか? |
No.124 | 5点 | ルパン対ホームズ- モーリス・ルブラン | 2018/11/15 07:41 |
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子供の頃、「怪盗対名探偵」て少年版ので読んだ。明らかに自国びいきで書かれていたが・・ホームズのこと「頭の禿げあがった中年」て・・その後、ホームズ本の方ばかりに興味がいくようになった。美男青年紳士の怪盗なんて鼻もちならん。わがルパン三世(あれ日本人だよな、それともハーフクォーターか)の方がカッコいい。 |
No.123 | 4点 | 奇岩城- モーリス・ルブラン | 2018/11/15 07:29 |
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なんだあのホームズの扱い。フランス人作家の幼稚で原始的な愛国心。ルパン三世なんて見たら愕然とするのかな。 |
No.122 | 5点 | 犬神家の一族- 横溝正史 | 2018/11/14 21:35 |
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あの白マスクとあの見立てで有名な作品だが、ミステリとしては、連続殺人と見立て殺人の分離、第二殺人のアリバイトリックといったあたりがキモかな。でも仮面覆面ていったらあのネタだろって言うような、そのまんまのネタだもんなあ。加えて「忠孝の鑑のような美男」と「清純な26歳処女の絶世美女」のカップルなんて、殺人鬼でもなきゃ絵にならんだろが。
ところで、あの見立ての(「よき」けす)だが、(「ワ」イ)とも解読できるぞ・・・ |
No.121 | 5点 | 明治断頭台- 山田風太郎 | 2018/11/11 13:40 |
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第一篇の螺旋階段トリックとフランス人の巫女が印象的だった でもあの女にはぜひ日本人に帰化してもらいたかった |
No.120 | 7点 | 妖異金瓶梅- 山田風太郎 | 2018/11/11 13:18 |
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第一短編の「赤い靴」単独でも、連作短編集としての全体としても評価は変わらない。「赤い靴」のフー・ホワイダニットの魅力は第二篇以降は失せる・・要するに繰り返しなのだから・・が、終わりに近づくにつれて「金瓶梅」を越えて「水滸伝」の世界にまで物語が拡がるところがよい。
それにしてもヒロインのエロチシズムの邪悪さ凄まじさ。それはいわば中国の闇の深淵さ。 我が日本文明など、深く壮大なシナ文明の闇に比すれば、遥かに及ばない破片のようなものか。 |
No.119 | 7点 | ウォッチメイカー- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/11/02 17:24 |
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ライムシリーズ第七弾。「痩身丸顔ドラキュラ」と「巨漢肥満モンスター」の猟奇殺人コンビ。対するは、「四肢麻痺のホームズ」に「モデル上がり女刑事」さらに「透視力女」を加えた探偵軍団。 メンタル動機の連続残虐殺人をめぐる虚々実々の攻防・・と読者を誘導しておいて、アッと驚く操り及びドンデン返し(ここまでは「コフィンダンサー」「エンプティチェア」の踏襲)・・と思わせておいて、エッと驚く更なる「二重返し」。 ここまで捻るとそれまでの作品のハラハラドキドキ感は薄れるが、限りなく「本格の様なもの」に近づく。今のところ そしておそらく今後もジェフリー・ディーヴァーの最高作ではないかと。(ライムおよびダンスシリーズしか読んでないが) |
No.118 | 5点 | 少女たちの羅針盤- 水生大海 | 2018/10/28 17:36 |
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自分にはないことだったけれども「青春」てよいもんだな、演劇少女もバンド少年も・・甲子園はちと暑苦しいが。でも青春てのは殺人で汚されて初めて絵になるしろもんではないかと。 |
No.117 | 4点 | 封印の島- ピーター・ディキンスン | 2018/10/28 16:19 |
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麻耶雄嵩に「紹介」されて知った作家だから読んでみた 麻耶の「あの部分」に影響を与えたのは分かったが 「新本格第二世代」的な捻りに捻った「トリック」「ロジック」というんではなかったな 作品のチョイス失敗だったのかも |
No.116 | 7点 | 暗いところで待ち合わせ- 乙一 | 2018/10/27 10:08 |
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「知る者と知らない者」から「知る者と知る者」へ、「知られていることを知らない者と知られていることを知っている者」から「知られていることを知っている者と知られていることを知っている者」すなわち「知り合っている事を知り合っている者たち」への二人の変化 単なるわたし個人から私たちへ「WHO?」ダニットの「純」文学。 |
No.115 | 6点 | エンプティー・チェア- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/10/25 12:07 |
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ライムシリーズ第三弾。現代のホームズvs不気味な「昆虫少年」。根拠地ニューヨークから南部の沼地に舞台を移し虚々実々の追跡劇・・・と見せかけて、アッと驚く舞台どんでん返しで、ホワットダニット物に物語が完結。 |