皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
パメルさん |
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平均点: 6.13点 | 書評数: 622件 |
No.82 | 6点 | さよなら神様- 麻耶雄嵩 | 2016/06/05 11:15 |
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六編からなる連作集
各編でいきなり犯人が明かされるという異色作 神様の言葉が正しいならば犯人はどうやって殺人を行ったのかを 小学生の探偵団が捜査していくというのが基本線 どれもこれも趣向を凝らされた仕掛けが待っている 作者らしい後味の悪さが本領発揮されるのは「バレンタイン昔語り」以降で 衝撃的な真相が待っている ラストは何とも言えない脱力感がある |
No.81 | 6点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 | 2016/06/05 11:09 |
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ネット上で殺人推理ゲームを出題し合っている
出題者は殺人事件を実際に行った上で問題を出している この設定自体は面白いと思う 解答者は新聞で情報を得たり実際に現場に行ってみたりして 答えを導き出していく 仮想空間でのやり取りと現実社会が入り乱れた作品 トリック自体は楽しめるが誰一人として警察に疑われることなく 殺人が繰り返される不自然さが難点 出来れば誰か一人ぐらい警察に追われる展開になれば面白みが増したと思う |
No.80 | 8点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2016/05/28 11:39 |
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主人公二人の関係性がこの物語の最大のポイント
二人が絡むシーンは描かれていないし心理描写もほとんど無し 読者に想像させるという手法を使っている 秘密の共有と幼い頃の体験が関係性のカギを握っている 歪んだ愛情を持つ男と心を失った女のこの世を生き抜こうとした哀しい物語 読後感は悪いが分厚い本でありながら捲るページが止まらない 夢中になって読んだ一冊 |
No.79 | 6点 | 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 | 2016/05/27 21:19 |
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絶対的な存在である神様を用いる事により推理の余地を無くしている
神様は嘘つかないのだから このような世界を構築していながら事実の積み重ねを隠す事により 世界そのものがガラリと変容する どす黒い世界観が楽しめる 決して子供には読ませないでください |
No.78 | 5点 | 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 | 2016/05/27 21:14 |
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昭和から平成への転換期を背景にアリスの入学から
マリアの入部までの一年を瑞々しく描かれた短編集 ミステリの出来としては今一つ 特徴的なのは一部を除いて死体が登場せず「日常の謎」を 中心に描かれている 学生アリスシリーズが好きでない限りおすすめ出来ない |
No.77 | 6点 | 眠れぬ夜の報復- 岡嶋二人 | 2016/05/07 02:09 |
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事件の真相を奇想天外な捜査方法によって徐々に
あぶりだしていくプロセスが読みどころ 十分楽しめる作品になっているが 「眠れぬ夜の殺人」に比べプロットの緊密さが 失われていることは否めない |
No.76 | 6点 | ロートレック荘事件- 筒井康隆 | 2016/05/07 01:46 |
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気軽にどんでん返しの本格ミステリを味わうには最適の一冊
真相は衝撃的でそれまでの世界観がひっくり返るほどの仕掛けになっている トリックに関してはアンフェアだという意見も頷ける ただ最後まで上手く騙されたという快感が残る |
No.75 | 8点 | 針の誘い- 土屋隆夫 | 2016/04/22 21:21 |
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現実にあった誘拐事件を例に出し恐怖感を煽るなどサスペンス溢れる展開
脅迫状・誘拐・殺人方法など細かなトリックを積み重ねることで構成されている 可能性の無いと思われる部分に焦点を絞り論理を武器にして犯人に迫っていく いずれも実現可能なトリックを使いフェアに徹しているところに好感が持てる |
No.74 | 7点 | 贖罪の奏鳴曲- 中山七里 | 2016/04/15 14:36 |
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凶悪な犯罪歴を持つ悪徳弁護士が主人公で魅力的
莫大な報酬を要求したり目的の為なら死体遺棄さえやってのける 明瞭な筆致で読みやすくところどころ心に響く言葉もあり 読んでいて気持ちが良い サスペンスとしても楽しめるし社会派ミステリとしても楽しめる |
No.73 | 6点 | 見えない精霊- 林泰広 | 2016/04/11 12:03 |
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空中に浮かぶ飛行船でそれも暗闇という舞台設定
幻想的な世界観を持ちながら密室での連続殺人が行われる 論理的に精霊の正体を暴こうとする主人公に対し 論理的に精霊以外の犯行は不可能であると証明する少女との やりとりが読みどころ トリックはご都合主義だが十分楽しめる |
No.72 | 7点 | 眠れぬ夜の殺人- 岡嶋二人 | 2016/04/07 14:05 |
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一つの謎が解けると次から次へと謎が連鎖的に発生していく
一種のコンゲーム要素もあり最後まで展開が読めない複雑なプロット 警察という組織では使えない非常に危険で強引なやり方で解決する サスペンスフルな痛快エンタメ小説 |
No.71 | 5点 | 頼子のために- 法月綸太郎 | 2016/04/04 18:36 |
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冒頭の手記の微妙な違和感から驚愕の真相にたどり着く
深刻な家庭の悲劇が暗鬱した雰囲気で描かれている 虚像に支配された人間が歪んだ論理のまま突き進んでいく 犯人の気持ちは全く理解できない 歪んだ愛の物語で読後感は悪い |
No.70 | 5点 | 世界は密室でできている。- 舞城王太郎 | 2016/04/01 10:47 |
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密室ミステリの定型をぶっ壊した異端的な作品であることは間違いないでしょう
実現性希薄なトリックが次から次へと浪費される馬鹿らしさが魅力 中学生らしい?アホな会話や改行が少なく独特な文体を受け入れることが 出来れば楽しめると思います(暴力描写も少ないですし) 挿入されているイラストも味があって良い ミステリというよりは主人公とルンババの成長物語 |
No.69 | 6点 | 新参者- 東野圭吾 | 2016/03/18 09:45 |
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誰もが見過ごしてしまうような事を徹底的に調べ
小さな手掛かりを掴んでいく そして微笑ましいほどの登場人物への心遣い 加賀刑事の素晴らしい人間性を堪能できる ミステリとしては薄味 |
No.68 | 6点 | マジックミラー- 有栖川有栖 | 2016/03/16 00:58 |
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いわゆるアリバイ崩し物
事件の鍵は思いがけない場所につながっている 鉄道ミステリとしてのみならずそれをミスディレクションとして 相対化した謎解きミステリとしても楽しめる |
No.67 | 5点 | 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 | 2016/03/07 13:59 |
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児童向けの冒険活劇小説
児童向けなので仕方ないのだが平仮名が多く 漢字にはすべてふり仮名がふってあり逆に読みにくい 内容的には小学生対象では少し難しいと思うし かといって大人が楽しめるかというと疑問が残る |
No.66 | 5点 | 64(ロクヨン)- 横山秀夫 | 2016/03/05 10:24 |
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昭和64年の誘拐事件が警察内部で隠蔽されそれを主人公が
暴いていく所が読みどころ 刑事部と警務部との確執そして自分の家庭問題に苦悩しながら 部下に気を配り権力に立ち向かっていく主人公 組織内の争いがくどいしストレスを感じる また主人公の正義感を前面に押し出した感じがどうも好きになれない |
No.65 | 6点 | 法月綸太郎の冒険- 法月綸太郎 | 2016/02/29 01:09 |
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収録されている七編は本格謎解き・安楽椅子探偵・図書館を
舞台にした軽パズラーなど多岐にわたっている 全体的に地味ではあるがトリッキーな論理展開が楽しめる ただ図書館シリーズは自分には軽すぎました 巻頭に正統派パズラーそして後半に同一シリーズの 軽い短編を配置する構成となっている |
No.64 | 8点 | 一の悲劇- 法月綸太郎 | 2016/02/22 19:05 |
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複雑な人間関係が絡み合う誘拐殺人事件
ほとんどの登場人物を一度は容疑者へと 浮かび上がらせるプロットはワクワクさせてくれる 秘密を抱えた男の視点で物語は語られ 終始張りつめられた緊張感に包まれている 展開も二転三転し明らかにされるトリックも衝撃的 不満な点はダイイングメッセージ あの解釈は強引すぎるし普通誰も気づかないでしょう |
No.63 | 7点 | ナミヤ雑貨店の奇蹟- 東野圭吾 | 2016/02/18 12:34 |
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現代から過去の相談者へ現代から三十三年前の店主へ
この二重の奇妙なタイムスリップを介して 様々な相談者が話の中に登場する 一人一人のエピソードは絶妙に交差し 次第にある場所へと収束していく その過程は張り巡らされた伏線が回収されながら 最終局面に向かっていく様は心を熱くする ファンタジーな物語が好きな人にはおすすめ出来る |