皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
バードさん |
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平均点: 6.14点 | 書評数: 324件 |
No.17 | 5点 | 緋色の囁き- 綾辻行人 | 2023/07/05 06:44 |
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(ネタバレあり)
綾辻さんの本はある程度読んでいるが、囁きシリーズは初。残念ながら期待よりは下だった。(本音は5.5点です。) 冴子と校長を殺人者のミスリードに使う所は、雰囲気だしに機能している。肝心の殺人者の正体も落としどころとしては最適だろう。ただし、正体の人が○○ということの伏線は足りないと思う。矛盾はなくとも、上手さを見出せなかった。 他に細かいところで、全体的にキャラメイクが雑と感じた。綾様も結局小物であり、終盤までバックボーンを引っ張る必要を特段感じず。彼女もミスリード要因なのかしら。 |
No.16 | 5点 | 月館の殺人- 綾辻行人 | 2020/03/29 12:23 |
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(再読シリーズ8)
本屋で見かけ僅かに見覚えがあったので自宅を漁ったら見つかった。たしか館シリーズにはまっていた頃に本書もシリーズ作と誤認して買った。まんまとミスリード狙いのタイトルにひっかけられた迂闊な読者です(笑)。 所有していたことすら忘れていたので、ほぼ初読の感覚での再読。 <以下ネタバレあり> 吹雪で外界と隔離された館に胡散臭いメンバーが集まり連続殺人が起こる、という王道ミステリの構成。ミステリ的ギミックが豊富に盛り込まれており、いかにも「原作:綾辻行人」らしい物語である。 好きなギミックの一例は、 ・読者視点だと一つ目の大きな種明かしである、列車が動いていないと判明するシーン(上巻ラスト) ・現場検証が進み弁護士が疑われる展開(犯人のミスリード役としての機能) である。大した事ないという感想の人もいるかもしれないが、個人的には悪くないミステリだった。 しかし、本書の評価がまずまずなのは「漫画」の命であるキャラクターがイマイチだったからである。 (人気漫画の『名探偵コナン』が完全にキャラクター人気で売っているように、ドラマ、映画、漫画といった視覚からも情報が入る媒体では、登場人物のキャラクター性が小説に比べ重要である。) 本書は主人公、脇役共にキャラ付けが今一つで、例えば容疑者役のテツ共である。こいつら全員質の悪い鉄道オタクというキャラで嫌な感じの奴らなのよ。で、序盤から終盤までこいつらの鉄道オタ悪ノリギャグがちょいちょい挟まれるのだが、嫌な奴のギャグほど寒いものもなく、読んでいて冷める要素だった。そういうギャグを繰り返すなら、なんとなく憎めないキャラ付けをするべきだった。 (綾辻さん原作物だと『Another』のアニメなんかは上手くキャラ付けできていたと思う。) シナリオそのものが悪いのではなく漫画への落とし込みが上手くなかったという印象。 |
No.15 | 7点 | 奇面館の殺人- 綾辻行人 | 2019/08/13 15:55 |
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待望の館シリーズ9冊目。文庫版の後書きにあったように最近のシリーズ作品(黒猫、暗黒、びっくり)より、シリーズ初期作品(十角、水車、迷路)に近かった。特に本館にはマイベスト館である迷路館の正統続編感がある。ただし残念ながら似た雰囲気の迷路館には劣ると感じた。それでも十分楽しめたけどね。
館のしかけがふんだんに利用された事件だけに、これまでのミステリの知識だけで全てを見通すのは難しいかもしれない。(被害者の首を切った理由や犯人が内線でサロンから人払いをした理由など。) 一方、館固有の要素がない謎(客人達に面を付けた理由や被害者の指の破棄理由)はわりかし単純なので、予想できた人も多いのではと思う。犯人当てはかなりきちんと読んでないと難しいかなあ。 お家芸である叙述トリックは本作品ではかなり控えめという印象。驚きといより、「は・・・?なんじゃそりゃ!」と思った。 最後の方の鹿谷の 「たとえば地の文で、使用人以外の登場人物をどう呼び分けるとか、その辺の面倒をちょっと想像しただけで眩暈がしそうになります。ましてや、つまらない悪戯っけを起こして、たとえば”同姓同名の”という事実を読者に対して伏せてしまおうなんて考え出したら・・・・・・」 という台詞は完全に綾辻さんの代弁で笑っちまった。ロートレック壮の解説風自慢に近くて褒められたものではないけど、建前的には鹿谷の台詞なんでセーフっすかね(笑)。 |
No.14 | 5点 | びっくり館の殺人- 綾辻行人 | 2019/08/10 08:59 |
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(再読シリーズ5)
他の館シリーズに比べるとメインのしかけがこじんまりとしているのは事実だが、単品のミステリ、ホラーとしては結構上手いと感じた。 ミステリとして関心したのは、あおいの発した虐待というワード。俊夫がリリカの役を演じていたことを隠しながら話がつながるように組み込みつつ、実際は人形役をやらせられていたということへの台詞。そうすることで事件の際に読者に対し密室を提供でき、ただの単純な殺傷事件をミステリの事件へと昇華させたのである。 昔読んだときはホラー色が強く、いまいちと感じたが、今回の再読で、本書のミステリとしての良さに気づけた。 |
No.13 | 5点 | Another エピソードS- 綾辻行人 | 2019/06/08 10:20 |
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ちょいと厳しめの採点をさせていただく。
Anotherの外伝としては楽しく読めた。しかし、知らないシリーズの別キャラで同じ話を読まされたら肩透かしかなと思う。 ホラーよりとはいえ、思い込みの二重人格おちをメインのしかけに持ってこられるとやっぱり厳しい。 あとラストの住所のくだりの意味が分からなかったのだけど、どういう意味なんでしょう・・・? |
No.12 | 7点 | Another- 綾辻行人 | 2018/10/20 21:16 |
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別の作品で取り上げられていたので、気になりこの機会に読んでみた。
ミステリ要素は思っていたよりは少な目と感じた。後半の展開は強引な感じも受けたが、最後まで根本的には呪いの問題を解決できていない点が安易なエンドでなく好印象である。 また、例のしかけは綾辻さんの得意なやり方という印象。彼の作品を何冊も読んでるとさすがに耐性がついているみたい(笑)。嬉しくもあり、悲しくもある。 |
No.11 | 7点 | 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 | 2014/03/07 22:38 |
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前評判が高かったので期待して読んだがそれにこたえてくれたとは思う。読んだのは割と前なのだが劇団暗色テントは中々にインパクトのあるネーミングで嫌いじゃない、迷路館に出てくるキャラの名前が出てきたりとリンクしてる感じも良いと思う。
内容も古典ミステリによくあるドロドロした雰囲気を出しつつ暗くなりすぎてなく素晴らしい、トリックも叙述じゃないというのも館シリーズと差別化できてていい。 ただ槍中のうんちくはちょっとしつこい気がする、更に槍中さんあの失言はいくらなんでも初歩的なミスすぎるでしょ。 |
No.10 | 7点 | 鳴風荘事件- 綾辻行人 | 2013/12/25 16:02 |
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殺人方定式の2冊目にあたる今作品、1冊目よりも自分好みだった。このシリーズはいかにロジカルに犯人当てをさせるかという点が重要なのでロジックで上手いと思わせてくれたこちらは前作より1点高くした。(個人的にはペンキの化学薬品アレルギーの隠し方と事件での利用のされ方が上手いと思う。) |
No.9 | 6点 | 暗黒館の殺人- 綾辻行人 | 2013/10/28 13:02 |
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まぁとにかく長い、読み終わって達成感にかられたのはこの作品が初めて。
その長さをもってどのような壮大なトリックが待っているのかと思いきや中身の事件は割りと地味、それよりも浦戸家のおどろおどろしさの方が気になった。(少し幻想小説の気がある。)謎の数はいくらでもあるのでどこかで驚くことはできると思う、個人的にはメイントリックと中也の正体が良かったかな。特にメインの仕掛けは注意深く読めば気づけるはず。 総評すると館シリーズファンなら確実に読むべき大作、ただし一つのミステリとしては長さに耐えうる人のみ読むことをお勧め。 |
No.8 | 6点 | 黒猫館の殺人- 綾辻行人 | 2013/10/16 21:30 |
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館シリーズの中で人形館と並ぶスーパー変化球。今読んだらどうなるかわからんが当時は微妙な相違点に全く気付かない迂闊な読者だった。(今は少しは成長したと信じたい。)
「こんなアホみたいなのありか!?」と突っ込みたい人も多いと思うが自分はこういうのこそ館シリーズに求めるものだと思っているので問題なし、手記内の事件ははっきりいって大したことはない。 |
No.7 | 8点 | 時計館の殺人- 綾辻行人 | 2013/09/24 22:57 |
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これまでの館シリーズのなかで最も大がかりな仕掛けで時刻を表にして確認ときはうまくかみ合ってるなぁと感心した。
作品の長さも長編としては読みごたえがありかつ長すぎることもなくちょうどよかった。 読んでいた時は特に不満はなかったけど後々考えてみると大量殺人の理由が少し厳しい気はした。終わり方は急展開だが館シリーズとしては珍しい終わり方だと思う。 |
No.6 | 6点 | 殺人方程式- 綾辻行人 | 2013/09/07 08:26 |
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アンフェア気味な館シリーズとは毛色が違いよくできたミステリでしっかりトリックと犯人を当てられる構成なのは見事。ちょうど高校生の時に読んで似たような物理の問題を解きまくっていたのを思い出し苦笑い。
ただ個人的な好みで館シリーズのような雰囲気のほうが好きなので評価はまずまず。 |
No.5 | 6点 | どんどん橋、落ちた- 綾辻行人 | 2013/08/03 11:57 |
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一つずつ採点していくと
どんどん橋 7点 ぼうぼう森 6点 フェラーリ 4点 いぞの家 7点 ラスト 5点 といったところ。 個人的にはこういうアホな短編集は好きで問題のパロティー話はおいおい大丈夫か?と笑えた。 ただギャグ重視の短編ミステリとしては東野さん名探偵の掟がすごすぎてそれと比べると凡作。 |
No.4 | 5点 | 人形館の殺人- 綾辻行人 | 2013/06/09 11:16 |
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館シリーズだからこその作品だと思う、館シリーズなのだからという先入観がないと一番大事な引っ掛けの意味も分かれないので間違えても十角、水車、迷路館の前に読むべきではないと思う。
作品の評価については館シリーズありきで単体としては「え?」といったところ。ただ変化球レベルは黒猫館よりも上だと思っているので館シリーズファンとして総合的にはこの点数。 |
No.3 | 9点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2013/06/01 18:11 |
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個人的にはびっくり館までの8作の中では館シリーズNo.1の作品。
再読回数も多く、それだけ好みに合ってるということだと思う。作中の「迷路館の殺人」の真犯人はわかったがその後明かされる真実に完全にしてやられた、こんな風に気持ちよくだまされたからこそ面白いと感じたのだろう。9点か10点かで迷ったが十角館との差は僅差なので同じ点数で。 |
No.2 | 7点 | 水車館の殺人- 綾辻行人 | 2013/05/19 12:56 |
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十角館に引き続きミステリ初心者時代に読んだ館シリーズ。(今も初心者レベルですが)
ほとんどミステリを読みなれてなったので仮面という怪しさ満点のキャラがいるにもかかわらずその正体をまったく疑わずに読んでしまった。だから仮面の男の正体があかされたときには素直に驚かされた。 そういった初心者補正も入ってこの点数。少しミステリを読むのになれた人なら仮面男の正体は多分ばればれなので今読んだら-1点かも。 |
No.1 | 9点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2013/05/06 20:35 |
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再読したのでコメントを。実は初めて読んだミステリ、自分のミステリ好きの基盤を作ったといっても過言ではない作品。
当時はこんな面白いものがあったのかと仰天した、進めてくれた友人にも感謝したい。今見れば突っ込みどころもあったがそれでも十分高評価。 |