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ミステリ初心者さん
平均点: 6.20点 書評数: 388件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.10 7点 聖女の救済- 東野圭吾 2023/10/17 19:29
ネタバレをしております。

 たぶん、容疑者Xの献身以来?の探偵ガリレオシリーズを読みましたw ガリレオの湯川は個人的にはあまり好きになれない人物ですw ただ今回は(今回も?)安楽椅子探偵的にちょくちょくでる感じで、あくまで草薙と内海が主人公格な視点で進んで行くため、ほとんど気になりませんでしたw
 非常に読みやすかったです。アリバイトリック系の推理小説として完成度が高いです。少し違うかもしれませんが、鬼貫警部シリーズのような感覚で読めました。あまり無駄な点がなく、アリバイトリックを楽しむことに特化した文章が心地よかったですw
 エピローグの使い方も非常にうまいですね。物語の最後に、犯行直前の会話ではなく、殺意が芽生えた1年前の会話だったことが明かされるほのかな叙述トリックのノリで(?)、亜ヒ酸の袋の存在がミスリードになっておりますね。この文を読むと、まるで、殺害直前に毒を仕込んだように錯覚しますw 

 推理小説部分について。
 私は毒殺トリックに飢えておりますw 単に犯行方法が毒殺というものではなく、どうやって毒を入れたとか、どうやって特定の人物だけに飲ませるとかそういうトリックが読みたいのです。本作品は毒殺トリックとして満足の出来でした!
 トリックについては、現実にはかなり難しいのではないかと思います。やはり、誰かが浄水器を使うと破綻してしまいますし。ただ、小説上はそれが可能に思えるような細かい伏線が張られており、作者の実力の高さがうかがえました。
 ただ、あの毒の仕掛け方では宏美が巻き添えになってしまう可能性もあった気がするのですが、どうなのでしょうかね? 読んだ感じでは、絶対に宏美が浄水器を使わないとは言えない気がするのですがどうでしょうか。綾音は宏美を巻き添えに真柴を殺すような人物には書かれていないと思うのですが。

 総じて、非常に本格度が高く無駄な点が少ない質の高い推理小説でした! 容疑者Xの献身や、短編での探偵ガリレオシリーズはあまり好みではなかったのですが、この作品は私の好みでした。

No.9 7点 十字屋敷のピエロ- 東野圭吾 2021/04/01 19:36
ネタバレをしています。

 非常に読みやすく、読了までさほど時間はかかりませんでした。
 本格推理小説のツボを押さえた館ものです。クローズドサークルではありませんが、過去の事件と合わせ3つもの事件が起きます。変に説明っぽくなっていないのに、読み進めると、登場人物とその関係や館のことなど必要な情報が自然に読者の頭に入っていくようで文章がうまいです(単に相性がいいだけかもしれませんが)。

 推理小説的要素も満載で満足できました。主に3つの事件がおきます。
 時系列的には最初の頼子自殺事件。本書では最後あたりに解決します。十字屋敷であることを生かした、館ものらしい仕掛けです。私はまったくこの可能性に気づきませんでした…。好みが分かれそうですが、私は割と気に入りました。(難癖ポイントもあるが(笑))
 次に、宗彦・三田殺人事件。神の視点ではなく、ピエロの視点であることを生かしたトリックも見事でした。難癖点もあるので下記に書きます(笑)。
 青江殺しについてはあまり推理小説的良さはありません。しかし、ラストのどんでん返しは見事でした。


 難癖点。
 事件全体として、共犯者や犯人を庇う行動をしている者が多いです。論理的に全て推理するのは難しいと思います。
 宗彦・三田殺しは犯人の計画通りに行くかどうかはちょっと運が必要かもしれません。

 全体的には、本のページ数にたいして濃い内容でした。どんでん返しにつながる要素が随所にあるのもよかったです。個人的に、東野圭吾さんは初期の作品のほうが面白いと感じます。

No.8 6点 回廊亭の殺人- 東野圭吾 2019/05/04 18:35
ネタバレをしています。

 クローズドサークル風味(?)で、読み易く楽しめました。主人公が過去事件の被害者で復讐者であり、過去事件の犯人探しと現在の発生した事件を追うといった、割と王道系です。資産家の死と遺言、相続問題、隠し子と昔ながらの展開でした。
 トリックも個性があって良かったです。性別を曖昧に書くことや、里中二郎が入れ替わっていた点、偽二郎・殺されていた人物の再登場自体はそれほど珍しくはないですが、主人公の"ジロー"がいわゆる里中二郎・鰺沢弘美でもない、恋人を演じていた鰺沢なところが面白いです(と、私が勝手に思っているだけかもしれないが)。小説上は矛盾していても、主観では矛盾していなくて面白いです(主人公は里中が偽者と気づいていないから、べつに矛盾していないが)。主観と客観でまるで違う事柄でも、感じ方などの差で矛盾でなくなる・・・といった作品が何作かありますね(叙述トリックと相性が良い気がします)。

 以下、好みではなかった点
 主人公が鰺沢と再会したときに、あまりリアクションがないのは不自然。そのため私は、主人公が里中の焼死した死体を見て偽里中の存在に気づいたのかとも思いましたが、その場合は過去事件の真相がバレバレであり、やはり里中鰺沢入れ替わりは知らなかったようですし(だよな・・・?)。
 過去事件、現在事件共に、推理小説としてはいまいち面白みに欠けていた印象でした。動機さがしが主な印象です。ある程度、犯人当てかアリバイトリックの要素があればもっと高得点でした。

No.7 7点 どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 2019/02/24 18:39
 ネタバレをしています。文庫版です。

 これまでに読んだことのないタイプの推理小説で、個性があってよかったです。最後まで読んだとき、「??」でした(笑)。例えるなら、ラストページに読者への挑戦状があり、解決編がない感じでしょうか? 解決編がないものの、犯人断定の手がかりがあり、理不尽な感じもしないので、ありでした。
 妹を殺された兄が、犯行現場の証拠を勝手に持ち出して独自に事件を捜査→復讐のために潤一と佳世子を追う。それを加賀が追うといった構図が、なんだがスリリング(?)で、ページがすいすい進みました。東野作品は物語の構成がうまいのか、文がうまいのか、毎回読みやすくて良いですね…。倒叙もののような趣で、なおかつフーダニットの楽しみも損なわれてないですね!
 話の流れ的に、潤一と佳世子の利き手を解き明かせば犯人がわかるのは理解しましたが、読み返す作業が煩わしく感じ、袋とじ解説を読んでしまいました(笑)。

 以下、難癖。
 園子は、文を書くときや食事が右利きのやり方で、その他が左利きのやり方…というのは、兄である主人公の述懐なんでいいですが、その他の人たちもそうとは限らない気はします。左利きの人は右もうまく扱えることが多いから右利きの殺し方でも左利き犯人だ~といった作品も見たことがあり、推理小説にでてくる"利き手問題"は作品によって立場がころころ変わるのが苦手です。

No.6 7点 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 2019/02/10 12:30
 ネタバレをしています。

 同作者のある作品が、この作品に近いトリックを使っていることを知っていたため、ある程度はネタが割れている状態で読みました。こちらの作品もなかなか面白く、甲乙つけがたい出来です。どちらも趣向はにていますが、別種のトリックが混ぜ込んであり、個性が立っています。
 基本的な物語の流れは、王道クローズドサークル物のそれです。過去の事件の疑問から始まり、何かしらの問題があって館を抜けられない登場人物たち、そこで起きる新しい事件・・・といった感じですが、強盗団がおしいるのは新鮮でした。
 この作品は、叙述トリック・・・?なのでしょうか? 主人公が朋美のピルケースに睡眠薬を入れたことを伏せられていて、その点では叙述トリック的なのですが、主人公は結局自分の行為とは直接関係が無かったと思っているのがミソで、罪の意識も殺したとも思っていませんでした。実際、朋美は睡眠薬を飲みませんでしたし。間接的には殺していますが。この点では、岡嶋二人のある作品を思い出しました。

 以下、難癖。
 タイトルに"殺人"とついているならば、これはアンフェア(笑)。"仮面山荘事件"とかにしたらよかったのに。細かい事を言うようですいませんが。※追記 事件でもねぇな(笑)

No.5 5点 白馬山荘殺人事件- 東野圭吾 2018/10/16 20:09
ネタバレをしています

 非常に読みやすく、読了までさほど時間はかかりませんでした。密室の謎は、マジックのようで楽しめました。ただ、暗号解読の件は好みではありませんでした。長編にしてはすこし地味な印象があります。5にしました。

 私は最初、叙述トリックの類かと妄想しました。登場人物紹介の書き方が独特で、名字だけあるいは"マコト"や"ナオコ"など文中の表記と違うのがみそなのかな~と思いましたが、全然ちがいました。

No.4 8点 ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 2018/08/06 02:56
ネタバレをしています



 以前、東野圭吾さんの本を読んだときには相性がわるいと感じたのですが、この作品はとても面白くかつほぼ1晩で読めてしまいましたw クローズドサークルということもあったんでしょうが。

 こってこてのクローズドサークルのように描かれたようで、設定からラストまで実はお約束を裏切る展開で好きです。誰も山荘を出ないがクローズドサークルではないことや、全員役者、舞台稽古風(?)とお決まりの展開から外れたオリジナリティがすばらしかったです。特に、感動的なラストのクローズドサークルは見たことがなく、いい意味で違和感がすごい!
推理小説は普通、犯人が探偵やそれ以外をだますためにトリックをつかったり、作者が読者を直接だますためにトリックをつかったりします(この作品もそうですが)。が、犯人が第三者をだますために演技をしているのは新しいな!と感動しました。そのために犯人と被害者が協力関係にあり、犯人と神の視点はある意味で協力関係でない。

 神の視点=登場人物主観系は、他にも読んだことがあり、その作品よりもこの作品のほうが早く出たということに驚きましたw 他の作品も大好きなのですが、そちらのほうがそのトリック自身を生かしており、お互いにオリジナリティがあると思っています。

 自分は、独白のある久我のみ事情を知らされていない探偵で、その他の人物はすべて演技であり、カメラで撮っているのでは?と、論理も動機もまったく無視した的外れなことを考えていましたw 一種の作中作のような感じの考え方ですが、よく考えたら久我が探偵役として無能でも優秀すぎても成り立たず・・・


 あえて気に入らない点を上げるとすれば、由梨江殺害役が雨宮をがやっていること。ただ、これも、犯人がこれからの被害者に犯行を依頼するという、この作品でないと見られないような変わった光景がみれるという意味ではすばらしかったです。

No.3 5点 探偵ガリレオ- 東野圭吾 2014/02/05 15:49
 特命リサーチ200Xが大好きだった自分としては、楽しめました。

No.2 5点 ゲームの名は誘拐- 東野圭吾 2012/05/28 14:51
 少しだけネタバレがあります。


 楽しめました。犯人が主人公の痕跡をのこす方法は頭いいなと思いました。
 
 評価とは関係ないけど、全キャラクターを好きになれず、読むのに苦労しました。

No.1 4点 容疑者Xの献身- 東野圭吾 2012/05/28 14:39
 ネタバレあります。

 トリックが簡単すぎます。叙述トリック的なものも含まれているような気がしますが、どうってことないです。物語、動機ありきだと思います。
 その物語、動機部分も嫌いです。犯人はただの殺人者です。殺された人もかわいそうだし、あの母娘かわいそう。

 自分は動機では評価を下げません。が、他にいい点がありません。

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ミステリ初心者さん
ひとこと
 有名な作品をちょこちょこ読んだ程度のミステリ初心者です。ほとんど、犯人やどう殺したかを当てることができません。


 高評価・低評価の基準が、前とは少し変わってきました。
 犯人を一人に断定で...
好きな作家
三津田信三 我孫子武丸 綾辻行人 有栖川有栖 鮎川哲也
採点傾向
平均点: 6.20点   採点数: 388件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(16)
三津田信三(14)
歌野晶午(13)
綾辻行人(11)
エラリイ・クイーン(11)
東野圭吾(10)
東川篤哉(10)
鮎川哲也(10)
西澤保彦(9)
アンソロジー(国内編集者)(8)