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皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

take5さん
平均点: 6.58点 書評数: 361件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.281 5点 アイネクライネナハトムジーク- 伊坂幸太郎 2024/04/06 12:13
伊坂幸太郎はいくつか読んで
だいぶ好きな物もありますが
これは上手いとは思いますが
五指には入らないと感じます
時代と視点が変化する短編集
ナハトムジークの意味は実は
ナジームハメドだったのです

No.280 6点 去年の冬、きみと別れ- 中村文則 2024/03/30 14:47
何がビックリしたかと
書評書こうとこのサイトを見たら
直前に書いた人が私の4年前という、
どれだけボケちゃうの?というより
どれだけ残ってないのって
改めてびっくり。
再読ですって方いらっしゃいますが、
初読と思って書かせて頂きました。

No.279 7点 さようなら、オレンジ- 岩城けい 2024/03/30 09:30
第29回太宰治賞。第8回大江健三郎賞。
2014年本屋大賞4位。
様々な事情を抱えた女性が異国の地で
生き残るために懸命に努力する姿と、
決して諦めない意志と希望を描いた
人間ドラマ。物語の中心となるのは
アフリカの難民の女性と
ハリネズミと呼ばれる日本人女性で、
難民の女性の日々の生活と
日本人女性が書いた恩師への手紙が
交互に織り込まれる構成で物語が展開します。
手紙の真相が軽いミステリーですが、
力強い人間の描かれている素晴らしい作品
という点で書評をあげました。

No.278 6点 世界でいちばん透きとおった物語- 杉井光 2024/03/03 14:22
こちらのサイトで本を探される方
私もそうですが、
ネタバレしていませんとあっても
ある程度の情報を欲すると、
結果的にネタバレに近い情報が
手に入ってしまうというジレンマ。
少なくとも本作については
一切これ以下の書評に触れずに
たった230ページ700円
または図書館なら無料ですから
とっとと読まれる事をお勧めします。

それで、読み終えた後に、
人並さんの書評に納得したり、
他の方同様内容に言及したり
しなかったりする書評を書けば
よいのです。

ですから私の書評も以上!

No.277 5点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!- 深水黎一郎 2024/02/24 13:12
ビブリオバトルをご存知ない方は、
YouTubeでも紹介されているので
ご覧下さい。
学生さんのプレゼンが上手なんですよ。
「あなたは人を殺したことがありますか?」
から本書の紹介が始まります。
プレゼンの評価は8点くらい。
肝心の本書は5点ですかね、、、
イタリア語の究極のトリック
ウルチモトロッコ
言いすぎですね。
2時間弱でさらっと読めて、
紙媒体の可能性も感じますが
小説のクオリティーとしてはまぁまぁです。

No.276 8点 バールの正しい使い方- 青本雪平 2024/02/18 13:39
周りに擬態して生きる
礼恩の小学生からしばらくの物語
、、、の物語。

繊細な感性、
みずみずしい表現。
新聞の書評をきっかけに読みましたが
これは私には大当たりです。
心に残る力強い読後感。
ミステリの枠におさまらず
読書っていいなと思います。

No.275 7点 ヨモツイクサ- 知念実希人 2024/02/18 10:46
ネタバレあります。

リーダビリティ高し。
200ページほどまでで
完全に荒唐無稽の世界観を構築する筆力。
最近アイヌの伝承に関わるミステリを
凍てつく太陽で楽しみましたが
そちらは文化へのリスペクトを感じ
こちらは不思議さしか感じない
完全にプレデター扱いなのがある意味清いです。
35?ページの反転にはびっくりしました。
あれだけ字がでかいので。
そしてフォントも怖かったですw
ゾンビ系って流行ってるんですかね。
古い人間で7点以上つくイメージが
湧かずファンの方すみません。
小学生の息子が同じ部屋でかがみの孤城を読んでいますが
次にヨモツイクサは勧めないなあ~と。

No.274 7点 満願- 米澤穂信 2024/02/12 21:23
齋藤警部さんが書いてらっしゃるのですが、
連城節を感じさせる作品がちらほら。
短編集としてはまぁまぁよかったです。

夜警   
警察小説。 困り者の部下の見え方が反転

死人宿
これから自殺する犯人捜しの末、反転

柘榴
家族愛憎系、事件を捉える視点で反転

万灯
バングラデシュ経済サスペンス、
すごく良く描けていると思います。
しかし日本に帰ってからが淡白。

関守
峠の茶屋のおばあさんがよい味出してます。

満願
下宿でお世話になった奥さんは殺人犯となり、
弁護士になった主人公と再会。
怪しい雰囲気がよいです。

No.273 5点 汚れた手をそこで拭かない- 芦沢央 2024/02/10 15:56
息子が友達に進められて読み
私も読みましたが
これ小学生が読む本ではないでしょうw
前2つはまぁまぁ反転ミステリで
後ろの方はイヤミスです。

No.272 6点 そして扉が閉ざされた- 岡嶋二人 2024/02/04 11:04
フーダニット、ハウダニットを
カットバックで追いかける
大変リーダビリティの高い作品。
真相は普通の衝撃度ですが、
The本格ミステリといった趣き。
あまり人物に感情移入できずこの評価。
文庫の割に字が大きくて目に優しいです。

No.271 6点 さよなら妖精- 米澤穂信 2024/01/27 10:19
青春小説であり
戦争小説である
このギャップが
本の力です。
ユーゴスラビア紛争下で
飛び交う砲弾と
弓道の高校生大会で
放たれる矢との
切ない対比です。

No.270 7点 雪は汚れていた- ジョルジュ・シムノン 2024/01/22 20:21
連合軍占領下のフランスで、
淫売屋を営む娼婦崩れの母を持つ
若者の無軌道な行動を描く。
彼は結局占領軍の調査部局に捕まる。
ある種強靭な彼は尋問を耐えてゆく。
占領軍は愛国主義者などの政治性を
犯行動機と疑ったが、
そこは本質ではない。
一旦は裏切った若い娘の感情を知る
クライマックス、
彼は従容として死に赴く。

戦争とは
様々な顔をしているものですね。

No.269 8点 凍てつく太陽- 葉真中顕 2024/01/14 18:24
blueでもそうでした。
作者が表現する
歴史に翻弄されながらも
生きていく登場人物が魅力的です。
太平洋戦争の時代、
室蘭での軍部と警察、
アイヌと内地と朝鮮から連れてこられた人々
混在する混沌が見事に書かれていて、
500ページ以上一気に読ませます。
5時間以上がかかりましたが満足!
凍てつく太陽
タイトルもいいし、
表紙の鳥たちも効いています。

No.268 7点 十戒- 夕木春央 2024/01/13 16:53
300ページに全く足らないから
あっという間に読めるタイパ作品。
3時間に全く至らないで読了。

もしも、、、
この作品が「方舟」の前に書かれていたら
「方舟」がシンプル過ぎると言われてしまう
そんな感じがします。
やはり前作の衝撃は
後の作品評価に影響しますね。

この作品では「そして誰もいなくなった」への
オマージュや
プロットの精巧さが感じられて好ましいのですが
爆弾という設定が
精巧さと合っていないかなあとも思います。
すみません私見です。

唯一衝撃的と言えるのが
ある登場人物の台詞
好きになって、期待して、がっかりした人
というくだり、
やはりこの作品は
「方舟」の後に書かれるべき作品という事です。
怖すぎる、、、

No.267 7点 死者が飲む水- 島田荘司 2024/01/08 21:09
この作品で江戸川乱歩賞三度目のノミネート
しかし無冠の帝王、受賞ならず、、、

南雲堂文庫353ページにある
「適度の怠惰と、そして保身のための計算とで、
日常の正義は、そして平和は、守られている。」
牛越刑事のこの台詞は、
自嘲や犯人へのリスペクトを感じるもので
わざと言わせる島荘らしさ。
私にはここがクライマックスです。

時刻表トリックの第二弾の方は、
、、、ちょっとやり過ぎでした。
しかし事件の背景は
島荘らしい社会派で
私には好ましかったです。

飢餓海峡じゃないですが
青函連絡船の転覆事件が
伏線となっているのも感慨深いです。

No.266 6点 マチルダは小さな大天才- ロアルド・ダール 2024/01/01 05:51
ロアルド・ダールは
大人も子どもも楽しめる作家ですね。
ある道徳性について論考された本の
参考文献として用いられていた児童文学ですが
大人への皮肉が身にしみる名作です。
マチルダの担任と校長の伏線回収だけ
ちょっとしたミステリー。


新年一人目の書評でした。
昨年だけでこのサイト
3000件も紹介されていました。
2024年 謹賀新年
今年も皆さんの紹介から
良書に出会える事を願います。

No.265 9点 同志少女よ、敵を撃て- 逢坂冬馬 2023/12/30 17:55
初めて満票を得たという
アガサ・クリスティ賞受賞作
独ソ戦を描いた戦争小説であり
広義のミステリーであり、
女性視点の社会派小説であり、、、
とにかく読み応え満載でした。
戦争の大義、
それでも生きる意味とは、
弾道学からロシアの生活まで
作者の綿密な取材力が光る大作。
作者はこれがデビュー作?本当に?
あり得ない筆力です。
読書中盤から私の頭の中に
ノーベル賞受賞作家の
「戦争は女の顔をしていない」
が浮かぶのですが、最後に、、、
いやもう冬休みに大作に出会えて良かった。

あとお二人で書評10人達成、
「飢餓海峡」で潰されてしまった
高評価に新しい血を送り込み計画
8か9か迷って9点にしました。
どなたか乗りませんか。

No.264 9点 この夏の星を見る- 辻村深月 2023/12/03 15:34
小説として10点
ミステリーとして4点
その他の要素の最頻値として9点

Surges がBGMで流れてくる。
『コロナ禍』などと
私のような大人が一括りにしたら
決して見えない世界がある十代の一年間。
辻村深月さんが好きです。
これまでの作品で
一番ミステリーから遠く
一番琴線に触れました。

No.263 7点 恩讐の鎮魂曲- 中山七里 2023/11/19 11:56
御子柴シリーズ第三弾
よかった点
緊急避難をめぐる伏線回収(因果応報)が
よく描かれています。
また、特養老人ホームをめぐる
今日的課題もよく描かれています。
難点
登場人物の背景をめぐる伏線回収が
too match過ぎて
カタルシスを通り越しています。
でもお休みの午前中に
二時間ちょっとで一気読みできた
リーダビリティは高く、
よい時間を過ごせました。

No.262 5点 復讐の協奏曲- 中山七里 2023/11/18 17:06
御子柴シリーズ
キャラ設定が特殊な事に加えて
被害者関係者と加害者がシンクロするという
かなり作り物の世界を読みます。
まあ小説ですから作り物の世界でも
よいのです。
最後の法廷のくだり、
ページの制約か?と思うほど
あっけなく終わりました。
情報屋の能力高っとか、
突っ込みどころ満載ですが
リーダビリティも高っです。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
決められません
採点傾向
平均点: 6.58点   採点数: 361件
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ジェフリー・ディーヴァー(20)
連城三紀彦(15)
薬丸岳(13)
大沢在昌(12)
道尾秀介(12)
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