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take5さん
平均点: 6.54点 書評数: 336件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.296 7点 あと少し、もう少し- 瀬尾まいこ 2024/08/10 08:30
中学生の駅伝競走を巡る六章からなる物語
主人公たち6人のそれぞれが葛藤を抱える。
一区設楽は、なぜあれほど臆病で速いのか
二区太田はなぜあれほど切れてしまうのか
三区ジローのムードメーカーたる所以は?
四区渡部がクールでなきゃいられない訳は
五区俊介は、なぜ桝井をあれほど慕うのか
そして六区の桝井が駅伝に込める思いは?

構成がよくて一章一区ずつ回想込みで進み
背景が明らかになりながらゴールを目指す
要所で素人監督上原先生が良い味出します

中学校のスポーツは技術以上に学ぶものが
あるっていうの、今までぴんと来なかった。
だけど、今はわかるんだ。」と先生の言葉、
この夏実感するならこの1冊、YA本です

No.295 7点 幻夏- 太田愛 2024/08/02 12:42
// =│という残された暗号にまつわる謎解きやら
1と10が釣り合っていないという世の中への提言が
一気に押し寄せるお馴染みの三人が登場する作品。
今回の主人公は相馬です。小さい頃の思い出と今が
重なって複雑な様相を見せてきます。社会派として
マスコミや法曹界への鋭い視線は相変わらずですが
太田愛さんの作品の中では相対的にイマイチかな。
それでも一気に読める筆力は健在ですけれどね。✨

No.294 9点 天上の葦- 太田愛 2024/07/28 15:37
鑓水、繁藤、相馬三人が主人公のシリーズ
上下巻ハードカバーで800ページの長編

戦時中の言論統制がこの時代のメディアと
シンクロする、重厚な社会派ドラマです。
それでもどこか軽妙に読み進められるのは
キャラのもつ力、太田愛さんの筆力です。

最終章、喜重の手紙は落涙必至の総まとめ
出会ってよかったこの夏の血肉となる名作

白狐が誰か問うミステリー、更に死の直前
老人の指差したものの意味を回収する展開
広く皆様に読んでいただきたい作品でした。

No.293 8点 犯罪者 クリミナル - 太田愛 2024/07/20 17:22
脚本家、太田愛氏の小説デビュー作品。
上下巻1000ページがダレる事なく進む
その筆力に脱帽。冒頭の通り魔事件、
そのスピード感に名作の予感。主人公
3人の人物も次第に輪郭がはっきりして
絵が浮かぶようです。犯罪者側の得体の
知れなさがあれに似てるな~と思ったら
帯には書いてあるそうです。ディーバー
級というお勧めが(私は図書館本につき
帯なし)。
通り魔事件の他にも、政財界の癒着や、
政治のパワーバランス、食品安全問題、
市民運動、裁判の大変さ等、多くの話題
を含む満足度の高い読書となりました。
次の作品からも、主人公3人がそれぞれ
中心となっていくという事で楽しみです。

No.292 7点 りら荘事件- 鮎川哲也 2024/07/15 10:05
新装版のリラ荘事件で読みました。
久しぶりに読んで覚える既視感は、
その後の作品が鮎川大先生の影響を
多分に受けているからでしょうし、
(色盲の作品は平成でもありますね)
トランプの下りは、大先生も先人の
影響を受けているのが分かります。
ミステリー系譜の早い位置に存する
とても重要な作品と言えるでしょう。

私が一番心に残ったのは、砒素です
美白に砒素という事がさらっとあり
これは現代でもいけるのか?興味あり
星影先生のキャラも立っていてよき。
いずれにしても昔の人は推理小説に
新星現ると確実に思ったでしょうね。

No.291 8点 未明の砦- 太田愛 2024/07/07 17:36
600ページ超えなのに、一気読みでした。
作者はTRICK2等の脚本も手掛けています
本作品は超社会派です。熱量が凄いです。
元は新聞に連載されていたということで、
ジャーナリズムもまだ死んでないのかなと
だが作品の中では散々な書かれようですが

金権政治、労働問題、警察組織の問題また
戦後日本の民主主義の問題と、多岐に及び
読者に問う作者自身が、取材をしっかりと
されているのがよく分かります。読み手の
自分が自分事で日本の問題を捉えているか
問われていると身の引き締まる思いです。
日本国憲法に触れているところでも、自身
教育に携わる者として大変心に残りました

ミステリー要素は高くないかもしれません
しかし各人が何を考えて行動するのかは、
最後に回収されていきますし、ご都合主義
そう読む方もいるかもしれませんが私には
清々しい希望を感じる終わり方でよいです

東京都知事選挙に出かける事のみ読書休憩
以後一気読みが本作品のもつ力の証明です✨


No.290 8点 地雷グリコ- 青崎有吾 2024/06/30 15:54
ギャンブル&青春&どんでん返し小説。
各ゲームが非常にロジカルで、人間も、
高校生らしい心の揺れがよく描かれて、
エンタメとして、第一級の作品でした。
5話の短編が徐々に加速していきます。

結局は真兎が勝つんですわかってます。
それでも二転三転にワクワクできるのが
青崎有吾さんの才覚、ドラマのシナリオ
そして漫画の原作も担当しているようで
シンプルに魅せ方を知っている方です。

因みに、裏技以外の各ゲームの推論は、
難関中学の入試問題を感じるんですよね
これ分かる方きっといらっしゃるはず。

この時点で本サイトの3位にランクされ、
皆様にお勧めできますが、かわりに名作
連城三紀彦氏の戻り川心中が6位に…残念

次回作、早く出ないかなと願っています。

No.289 5点 猿の手- 富安陽子 2024/06/29 16:04
ジェイコブスの「猿の手」
カットナーの「不思議な下宿人」
ウェルズの「魔法の店」
を収録しているミステリーホラー
猿の手は人間の性が出ています。

No.288 7点 名探偵のままでいて- 小西マサテル 2024/06/23 12:35
正直、終章を含む全6章のうちの、
初めの2つからは残念感を抱いて、
中盤の2つからは、おや中々!然し
そこまではと思ってしまいました。
このミスってこんなものかとさえ。

作者の散りばめられた過去の名作愛
それは最初から伝わります。幻の女
冒頭の名言、出たねって感じです。

しかし最後の2章でギヤが上がって、
一気に人物のディテールが露わに!
見事でした。主人公の祖父が紫煙を
超えて、いや私怨を越えた所で真相
いやみんなの心想も描くという構成
が素晴らしかった。タイトルの改訂
くさ過ぎるので改訂は正解でしょう。

とにかくあえての前2章で此方の側の
バイアスをさらすことそのものが伏線
だとしたら驚異的です。←読み過ぎ?

装丁も美しくお勧めできる作品です。
ウイリアムアイリッシュもお勧めですw

No.287 7点 ずっとそこにいるつもり?- 古矢永塔子 2024/05/27 10:07
人間、特に女性が大変よく描けており
こちらの内面まで見すかされるかの様
叙述の反転は多少の域で、しかし粋で
ミステリーじゃないという批判は正論
しかし読めばホウと唸る事は請け合い
まあ読後感はドロっとしてはいますが
時に視点を変えることも大切ですよね

No.286 9点 13歳からのアート思考- 末永幸歩 2024/05/05 18:17
皆さんGW後半の読書に勤しんでます?さて、

選書の際は、ミステリーの範疇を考えますか
それとも良書にミステリーを見出しますか?

そもそもミステリーとはどの様な定義ですか
文体に隠された秘密、物の見え方が反転する
または、作者の伝えたい事を技法で知る事?

私がミステリーを好む理由を深堀りすると、
どうやら視野を広げるとかメタ認知的な思考
いや嗜好がありそうだと考えが至りました。
価値観、見えている世界が広がる至高の時を
求めているようです。極めて私考的ですが。

さてこの本、そもそも中高学校の美術教諭が
書いていますので、作り物のミステリーでは
全くもってないのですが、とにかく目から鱗
ボロボロ落ちまくりです。これまで美術とは
どう捉えていたかのバイアスが外れまくりの
人生の伏線回収本として大変お勧めします。

激動する複雑な現実社会を生きる全ての人に
必読の書といわれて読まずにはいられない、
そんな一冊です。さてミステリーとの接点は
と不審に思っても騙されてお読みください。
接点を見出す事で、読書は晴れて完結です。

No.285 9点 きみの友だち- 重松清 2024/04/28 18:17
短編が最終話に向けて収束していく様
どれもが不可欠で落涙必至、見事です。
主人公達の小学生から大人までの時間
どの作品を読んでもその時間の流れが
厳しくて、切なくて、そして優しくて、
重松清は然るべき頃にこそ出会うべき
稀有な作家さんと私見ですが思います。
それぞれの作品は「きみ」を見つめる
誰かによって紡がれているわけですが、
その誰かの眼差しを借りて、私たちも
また各人と共に主人公と出会うという
構造になっています。私にはこの事が
重要だと感じます。それは読書を終え
この現実社会を一人称で見つめる時に
自身が身近な家族や友達をどう捉えて
向き合っているか、それを否が応でも
突き付けられるからです。千羽鶴なら
自分のために折っていると気付かされ
この読書が自分のために生かされる様
これからが問われるのだと気付きます。

No.284 6点 Q- 呉勝浩 2024/04/27 10:58
人並さんの書評から興味を持ちました
コロナ禍の始まりとリンクする600頁
カリスマ的存在,Qをウイルスと重ねて
描かれている世界がリアルでよいです
個人的には作者の他作品では爆弾やら
ライオンブルーやらの方が好みですが
力作大作であることは間違いないです
余談ですが最近手にした本の中で特に
装丁が美しく個人的に満足しています

No.283 5点 私雨邸の殺人に関する各人の視点- 渡辺優 2024/04/14 11:42
いわゆる藪の中的な多重視点作品
クローズドサークルでの殺人事件
素人探偵も登場、各々が推理する
すみません極めて私見なのですが
人物の描写にあまり魅力を感じず
最後の真相もあまりぱっとせず…
殺人が抑圧された心情の開放なら
もう少し人間を描かないと厳しい
300ページは極めて読みやすく
深みを求めなければまあ良しかと

No.282 7点 人魚の眠る家- 東野圭吾 2024/04/06 21:31
脳死を巡る家族の物語
子供を持つ身に滲みる
内面の葛藤は共感必至
500頁以上一気読み
東野=リーダビリティ
生死の線引は人知の外
と考えさせられました
包丁を振り回し問う件
やり過ぎだけど必須?
最後の伏線回収も同樣
テーマを鑑みてもっと
静かに終わるも良し!

No.281 5点 アイネクライネナハトムジーク- 伊坂幸太郎 2024/04/06 12:13
伊坂幸太郎はいくつか読んで
だいぶ好きな物もありますが
これは上手いとは思いますが
五指には入らないと感じます
時代と視点が変化する短編集
ナハトムジークの意味は実は
ナジームハメドだったのです

No.280 6点 去年の冬、きみと別れ- 中村文則 2024/03/30 14:47
何がビックリしたかと
書評書こうとこのサイトを見たら
直前に書いた人が私の4年前という、
どれだけボケちゃうの?というより
どれだけ残ってないのって
改めてびっくり。
再読ですって方いらっしゃいますが、
初読と思って書かせて頂きました。

No.279 7点 さようなら、オレンジ- 岩城けい 2024/03/30 09:30
第29回太宰治賞。第8回大江健三郎賞。
2014年本屋大賞4位。
様々な事情を抱えた女性が異国の地で
生き残るために懸命に努力する姿と、
決して諦めない意志と希望を描いた
人間ドラマ。物語の中心となるのは
アフリカの難民の女性と
ハリネズミと呼ばれる日本人女性で、
難民の女性の日々の生活と
日本人女性が書いた恩師への手紙が
交互に織り込まれる構成で物語が展開します。
手紙の真相が軽いミステリーですが、
力強い人間の描かれている素晴らしい作品
という点で書評をあげました。

No.278 6点 世界でいちばん透きとおった物語- 杉井光 2024/03/03 14:22
こちらのサイトで本を探される方
私もそうですが、
ネタバレしていませんとあっても
ある程度の情報を欲すると、
結果的にネタバレに近い情報が
手に入ってしまうというジレンマ。
少なくとも本作については
一切これ以下の書評に触れずに
たった230ページ700円
または図書館なら無料ですから
とっとと読まれる事をお勧めします。

それで、読み終えた後に、
人並さんの書評に納得したり、
他の方同様内容に言及したり
しなかったりする書評を書けば
よいのです。

ですから私の書評も以上!

No.277 5点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!- 深水黎一郎 2024/02/24 13:12
ビブリオバトルをご存知ない方は、
YouTubeでも紹介されているので
ご覧下さい。
学生さんのプレゼンが上手なんですよ。
「あなたは人を殺したことがありますか?」
から本書の紹介が始まります。
プレゼンの評価は8点くらい。
肝心の本書は5点ですかね、、、
イタリア語の究極のトリック
ウルチモトロッコ
言いすぎですね。
2時間弱でさらっと読めて、
紙媒体の可能性も感じますが
小説のクオリティーとしてはまぁまぁです。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
決められません
採点傾向
平均点: 6.54点   採点数: 336件
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