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take5さん
平均点: 6.51点 書評数: 278件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.238 5点 11枚のとらんぷ- 泡坂妻夫 2023/07/29 11:13
奇術という記述、
時代が感じられますねえ。
作中作品の伏線回収×11は、
よく練られているとは思いますが
感動はできず、
犯人のWhyはそこまでこだわる!?
という感想で、
私は結局リアルな人間ドラマが先で
ミステリーを捉えていると
再確認した次第です。

No.237 7点 真夜中の密室- ジェフリー・ディーヴァー 2023/07/27 17:20
ライムシリーズも15彈ですか、
皆さん評価厳しいですね。
確かにツイストを求められて
無理やりにでもという感じは
否めないですが、
ちゃんとひねっているから370ページ
ジェットコースターが止まらないで
進むのだととらえましょう。
犯人視点の描写はちゃんとリアルだし、
スペンサーの人間もよく描けています。
ディーバーも70才をだいぶ過ぎて、
アメリアとマッスルカーはどこまで
走り続けるのでしょうか?
気になってきました。

No.236 7点 盤上の向日葵- 柚月裕子 2023/07/25 16:31
藤井聡太さんが八冠を目指す今から、
八年も前に書かれたのに古くない、
将棋をモチーフにした作品。
プロの世界と賭け将棋の世界と共に
魅力的に書かれていて、
600ページを1日で読んでしまいました。
遺体は誰か?
なぜ高名な駒を握っていたのか?
犯人は誰か?
などを考えるのに、
警察パートと生い立ちパートの
カットバックが冴える作品でした。
ある程度将棋を知っていると
更に楽しめます。

No.235 8点 爆弾- 呉勝浩 2023/07/23 11:28
400ページ超を
4時間一気読みさせられた
迫力の作品。
爆弾はいつ?どこ?なぜ?
ほぼ、取り調べ室での知恵比べで
これだけ読ませるのは
犯人タゴサクも刑事も私たちも
潜在的な感情を
顕在化させられるからでしょう。
単に表現がグロテスクな作品とは
一線を画すととらえたいです。
警察小説としても秀逸です。

No.234 8点 傲慢と善良- 辻村深月 2023/07/21 17:36
辻村深月さんが好きです。
筆力の高さは周知の事ですが、
結婚にまつわる双方の人間描写が深く、
読んでいてつらくなるほど。
男性側の第1章がミステリーとして8点、
女性側の第2章が再生の物語として7点、
私には平均で7.5点です。
タイトルの傲慢と善良が、
人間には見事に両方
備わっていることを表していて
なるほどなあと思いました。
小野里(大先生)が文中で言うように、
ジェーン・オースティン
『高慢と偏見』のオマージュなのですが、
ただのくっ付けババアではない凄みが
また印象的でした。

No.233 5点 名探偵のはらわた- 白井智之 2023/07/16 18:15
読むべき本が貯まってきていて、
あわてて読んだからなのか?
日本重大事件史をなぞるのには良かったですが
そこまで。
主人公の探偵との出会いも良かったですが
そこまで。
新聞の書評で予約したのだっけ?
記憶がそこまで無くすみません。

No.232 5点 此の世の果ての殺人- 荒木あかね 2023/07/15 13:03
乱歩賞に惹かれて読みました。
設定が地球破滅ということで入り込みにくく、
人物は魅力的なのですが、
設定が生かされているとは言えず、
この点数になってしまいました。
自分の23才の頃と比べると、 
作者の力は感じますが。
偉そうですみません。

No.231 8点 俺ではない炎上- 浅倉秋成 2023/07/08 17:04
タイトルから想像できる範疇の、
デマに踊らされる的な深みのない作品

↑と思って前半を読んでいました。
すみません間違いでした。
考えてみれば、
前作『六人の嘘つきな大学生』の
クオリティーからしてそんなわけないって
後で思いました。

↑他の方の書評を後から読んだら
虫警部さん等似ているものがありました。

タイトルを一つ深く読むと
自分事という主題が隠れていて
うまいなと。
これなら原作を担当するマンガも含めて
他の作品を読まねばと思いました。

↑その後『ショーハショーテン』読みました。
かなり面白いです。
王道青春マンガでジャンプらしいです。
お笑いの分析も興味深いです。

No.230 3点 サーモン・キャッチャー- 道尾秀介 2023/06/25 12:57
道尾秀介のミステリーが好きですが、
これはミステリーでなく、
エンタメ作品でした。
しかもあまり面白く、、、
備忘録として登録させて頂きました。

No.229 7点 君のクイズ- 小川哲 2023/06/10 15:50
私も時々家族でテレビ視聴するのですが、
早押しクイズとは、
相手より早く正確に知識を動員して、
論理的に結論を導くもの、、、
と、主人公同様に考えておりました。
テレビの前では割りと答えられるので
父ちゃん知識凄いだろーと。

この価値観の転換と、
0文字押しミステリーの謎解きだけで
200ページ一気押し。
借りて二時間で読了、
息子に渡す。
息子もすぐ読み始めました。
リーダビリティーの極致。
人生の深淵等の深みはありません笑

No.228 7点 アノニマス-コール- 薬丸岳 2023/05/28 13:14
元警察官の娘が誘拐された。
誰が、何のために?
徐々に見えてくる警察機構の隠蔽体質。
合わせて見えてくる主人公の真実。

薬丸岳が好きです。
社会派としての味わいは
他ほどほど濃くはないですが、
すらすら楽しめました。

No.227 7点 刑事弁護人- 薬丸岳 2023/05/14 14:49
社会派として薬丸岳が好きです。
被告のワイダニットで押す作品。
弁護士として信念も背景もある
二人の主人公が魅力的で、
ハードカバー500ページ越でも
ぐんぐん読めました。
扱う話題が小児への加害と
重いものがありますが、
登場人物の葛藤が丁寧に描かれています。
最後の加納母に対する二人の有り様は、
やりすぎとテーマのギリギリの所で
評価の分かれる所かもしれません。

No.226 7点 天国への階段- 白川道 2023/05/07 12:35
私の前の5人の方が、
高評価でしたので読みました。
書評通りミステリーとしての
要素はかなり薄いです。
主人公をめぐる人間模様を描いた、
三代に渡る物語。
復讐、権力、愛憎、親子など、
盛りだくさんで描かれています。
最後、桑田が柏木に何を語るか、
いよいよクライマックスか!と思って
読みました。
400字原稿用紙×2000枚以上!
読みやすいですが、
目が疲れました。
GWだから長編に挑戦、、、

No.225 5点 雷神- 道尾秀介 2023/04/30 11:14
道尾秀介作品が好きなのですけど、
此方はいまいち刺さりませんでした。
雷に関する地形に由来する気象学は
興味深いですし、
親子の認識のずれもなるほどと
思いますが、
何か一連の大きな人間ドラマとしての流れが
理解力に乏しく入って来ませんでした。
道尾秀介ならもう少し前のものが好みです。

No.224 8点 方舟- 夕木春央 2023/04/23 17:58
皆さんの評価が高い理由と、
自分の読後感を合わせて考えます。
本書未読の方は目を通さない方がよいでしょう。

まずたった300ページで荒唐無稽寸前の設定を
納得させる筆力が高い。
無駄なページがない。

次に探偵の謎解きに収まらない
登場人物の心理描写と
その人称の扱いがうまい。
最後は探偵は消えちゃうので。

そして、勿論反転の切れが素晴らしい。
直前に試されている事が、
後から悔いても戻れない
人の性を描き切っているので、
あれ以外の展開はないといえます。


挿入される図もシンプルでよいです。

タイトルも哲学的です。
人は自らを生かすために
選別する生き物、それは
生の本能とも言えるのではないでしょうか。
みんなで助かれ!
と思われる方もいるでしょうが、
犯人から逆算するとこの展開が
より必然性を帯びるでしょう。

最後に、この作品が将来
古典的名作に成りうるか、
ということを考えます。
現代の社会的背景を切り取っているか、
人間の本質を描き切っているか、
そのことを鑑みて、、、
私には第一の点だけがマイナスで
この点数です。
偉そうな物の言い様ですが、
私見お許しください。

No.223 7点 invert II 覗き窓の死角- 相沢沙呼 2023/04/23 07:32
ここまでの評価で私を含め、
7人連続7点という安定の作品。
読んでいて常に
ビジュアルが立ち上がる
そういう点では名作。
作品の切れは前二作が勝る
と感じますが、
描写がドラマ的漫画的で
スラスラ読めます。
主人公の翡翠の家族関係が
最後少し書かれていますので
次回作品も期待します。
翡翠は古畑任三郎的な行動をとりますが、
キャラとしても似てるかも。
※それにしても相変わらず本文横に打つ
、、、、、、強調する点が多いなあと。

No.222 7点 どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 2023/03/29 11:36
東野圭吾の殺したシリーズ
謎解き第一弾
お風呂で二時間一気読みして
上がってから早速
どちらかが犯人だろうと
文庫の袋とじをカッターで開いていたら
息子は袋とじの文化を知りませんでした。
開いちゃった文庫を譲ろうと思います。
袋の中は明快に解答があるわけでなく、
ヒントだったのではっきりカタルシスは
得られませんでしたが、
文庫の体裁を含め内容もエンタメとして
大変お勧めできます。
しかし深みも人間の描写も求める方には
お勧め致しません。
また、袋とじという古きよき文化を
継承しつつ、今日の読者がネットで
犯人を確かめる欲を抑えられないという
構造もまたこの作品の毒が効いていて
東野圭吾っぽく思うのです。

No.221 6点 運命の八分休符- 連城三紀彦 2023/03/05 11:03
人を待つ二時間で一気読み。
同じ男性を主人公とする連作5作品。
個人的には紙の鳥は青ざめてが一番
構図が全て反転する所は最盛期の名作を思わせるできでした。
しかし連城作品の五指に入るかといったら
難しいかも。
何を求めるかによりますが、
本短編集は、雰囲気も登場人物も
饒舌で軽めかなと感じます。

No.220 8点 希望の糸- 東野圭吾 2023/03/04 13:30
ミステリーの技巧はさほどでなく、
文体も連城作品等ほど流麗でなく、
状況設定も確率高いものではなく、
しかしこうして読後感が高い故は、
自分が親であり、また子でもあるからでしょう。
親子のつながりはよく糸に例えられますが、
本作品では、様々な糸が織り成す人間模様が、
書き込まれています。
東野圭吾氏も還暦なんですね。
テーマは年月と共に変遷するのですね。

No.219 6点 七つの危険な真実- アンソロジー(出版社編) 2023/02/26 12:11
アムネスティインターナショナルに賛同し、
印税の半分が寄付されるそうです。
既存の短編を集めた物ですが、
著名な方ばかりなので水準は低くないです。
個人的には乃南アサと宮部みゆきの作品が
さすがと思わせる物でした。
赤川次郎も雰囲気ありました。
ただ、後少しで7点。
タイトル通りでなくて残念。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
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採点傾向
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薬丸岳(13)
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アガサ・クリスティー(8)
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