皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ムラさん |
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平均点: 4.28点 | 書評数: 296件 |
No.296 | 4点 | 魔法の色を知っているか?- 森博嗣 | 2016/07/29 06:33 |
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100年シリーズに出て来たと思われる土地が登場?
全体的な物語としてはまだ起が終わりかけたくらいだろうか。 本作ではないがVシリーズを読んだ人向けに魔法の色のネタバレが施してある。 |
No.295 | 4点 | 彼女は一人で歩くのか?- 森博嗣 | 2016/07/15 22:42 |
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Xシリーズと百年シリーズの間くらいの話。百年シリーズではおなじみのウォーカロンの技術が発展してる最中の話かな。
Xシリーズとかと比べてとってつけたような推理は省かれてるので純粋にSFとして楽しめる感じであった。 テーマは真賀田博士の目標(たぶん)である人類規模の再生と不死性に関して。 |
No.294 | 6点 | χの悲劇- 森博嗣 | 2016/05/31 20:14 |
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今までのシリーズを読み続けてた読者はぜひオススメです。
このシリーズを読み続けてたからこそ楽しめる部分があります。 |
No.293 | 6点 | 西巷説百物語- 京極夏彦 | 2015/04/24 20:02 |
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林蔵が主役の短編集
時代的には前巷説百物語~巷説百物語辺りだろうか 個人的に巷説メンバー勢揃いの野狐と物悲しい話の豆狸が特に面白かった。 |
No.292 | 6点 | クロスファイア- 宮部みゆき | 2014/05/20 18:44 |
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超能力でミステリってどんな感じなのかなぁって読んでいくと、なるほど宮部みゆきらしいキャラが生きている社会を掘り下げるような作品になっている。
鳩笛に引き続き銃の弾丸になった超能力者の青木が苦悩する様を描かれている。 とんとんと描写が進んで面白かったけどあえて言うなら最後のシーンをもうちょっと伸ばして見たかった。これは宮部みゆき作品でだいたい言ってるような気がする。最後に行きつくまでの道のりが濃いからどうも最後があっさりめに感じてしまう。 |
No.291 | 4点 | キウイγは時計仕掛け- 森博嗣 | 2013/11/14 04:05 |
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キャラが疾走していて面白かった。面白かったのだが、求めていた物とちょっと違うような感じも。
S&Mのキャラの同窓会的要素が強いかな。 ミステリの濃度で言うと、いつもの森博嗣と言った感じだけど、オチはわりと満足。 |
No.290 | 4点 | 鳩笛草- 宮部みゆき | 2013/11/11 17:37 |
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クロスファイヤを読む前の知識として読んでおこうかと思ったが、予想以上に引き込まれた。
超能力者として生きる苦悩が描かれていて面白い。それでいて、SFファンタジー的な感じではなく、普通の人間の生活のようにも書かれているのがなお。 表題の鳩笛草が一番良かったかな。短編だけど濃さは長編並みだった。 |
No.289 | 6点 | 赤目姫の潮解- 森博嗣 | 2013/10/03 06:48 |
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評価がかなり難しい本作品。ハードSFな感じで意味わからないけど、どことなく引かれてどんどん読み進めてしまう感じ。
百年シリーズの一つとして言われると確かに納得できる。想像でこの場面はシリーズのこの部分なんだろうとか、登場人物は誰なんだろうなとは出来るけど確信まではいたらない。 幻想小説として書かれたらしいけど、確かに四季冬を見ているような浮遊感がある。でも四季冬のが好きかな。 とりあえずこれを見て映画マトリックス1を思い出した。バトルもないし真相も教えてくれない、ふわふわとしたマトリックス。そんな作品。 |
No.288 | 5点 | エヌ氏の遊園地- 星新一 | 2013/08/12 21:13 |
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登録されていたのを見つけたので久々に再読
星新一らしいショートショートが詰まった作品で面白い一品 有名なのは「殺し屋ですのよ」だろうか。個人的に一番好き(もしくわ怖い)のは「危険な年代」だろうか。 |
No.287 | 6点 | 64(ロクヨン)- 横山秀夫 | 2013/06/13 18:59 |
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[影の季節]より主人公の二渡が今度は敵として登場。
しかし、善も悪も曖昧いなルールとルールのぶつかり合うこの小説で敵と言う表現もおかしいかな。 警察がメインの小説と言っても、事件そのものではなく、内部で働く警察官の知られていない仕事を書ききる作品でした。単に犯行を追う刑事の作品ではなく、さらにその背景で活躍する警察官を書ききる力強さはやはりこの作者ならでは。 刑事と警務とさらにマスコミとの綱渡り的な立ち位置を乗りこなさなきゃならない主人公の苦悩がありありと書かれていて面白かった。 しかし、やはりすごかったのはプロットの綿密さ。一歩間違えれば詰め込みすぎと言われてもおかしくないこの作品を、綺麗に着陸させた手腕はお見事です。 ただやっぱり警察の敵は犯人とマスコミという感想は拭えない。 |
No.286 | 3点 | 人形はなぜ殺される- 高木彬光 | 2013/04/29 07:44 |
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古き良き時代のミステリー。
トリックとしてはほんとに良く出来ているのだが、セオリーすぎて、ある程度ミステリ読んでいると読めちゃうのが難点。 いまだと、昔の背景を楽しむのに重点を置くかも。 頭脳明晰な名探偵が苦戦しすぎて、中弛みしてしまったのでこの点数で。 (あの天才が苦悩してる!?って煽りが多すぎてちとくどかった) 短編もそうだけど、神津さんよりも周りの人間のが頭良く思えてしまう。 (ここからネタバレあり) 昔だからこれも仕方ないけど、首なしトリックと電車のトリックが定番すぎるとやはり鼻白んでしまう。 一番怪しくない奴が一番怪しいという、魔術というかミステリの定番も踏んでくれているのでさらにわかりやすい。 (ここからは追記) 自分の読んだのは新装版だったので一緒に収録されている【罪なき罪びと】と【蛇の輪】もついでにレビューしてみます。 罪なき罪びと:これまたセオリーな感じだが、いい感じに怪奇小説になっている。 蛇の輪:人形はなぜころされるもそうだけど、これもタイトルが上手く絡んでいるお話。短い上にまとまっているのでこれが一番面白かったかも |
No.285 | 3点 | 使命と魂のリミット- 東野圭吾 | 2013/04/25 18:43 |
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相変わらず、この人のレパートリーの広さと作品の水準には驚かされるけど、それだけに今回は良い作品で終わってしまった気がする。
セオリー通りな医師物語に、セオリー通りな運び方で面白かったは面白かったけど、物足りなさを感じてしまう。もちろん、気持ちのいい〆をしてくれたことには感謝なんだけど。 裏切ってほしいとかそういうんじゃなくて、ちと淡々とし過ぎたというか。 最後の、西園先生の心臓発作はいらなかったかなぁ。 自分の中で東野さんの作品は、読了後に正義を問いかけられるような重さを感じる作品が相性がいい気がする。 |
No.284 | 7点 | ディアスポラ- グレッグ・イーガン | 2013/04/23 19:35 |
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簡単にかいつまむと、地球の危機に瀕したことを予言した高位の生物たちを探し求めるストーリー。
すでに体を持った肉体人と、情報で生きている主人公に種族は分かれる。 圧倒されるくらいの難しい専門用語が出てくるが、それを理解出来たらもっと楽しめたかもしれないという無念さがある。しかし、理解出来なくても十二分に楽しかった。 主人公が引きこもっているのを外へ出そうとした人物が肉体人の絶滅を目のあたりにしてまっさきに脱落したり、元肉体人が生き延びるために肉体を捨てたのに、やはり肉体人としての自分を諦めきれなかったりとけっこう考えさせられる。 主人公とそのパートナーが人生を捨ててまで高位の人物の正体を見極めたのに、結局はまた籠ってしまった主人も幸せだったのかどうか考えると虚しい。パートナーも諦めて、どこかへ行ってしまったし。 しかしこんだけ難しい理論を説明なしにぶっぱなしてくるのに、なぜかパウリの排他原理は説明してくれる易しさ(?)にはちょっと笑ってしまった。コズチ理論という難解な理論はわかるのにヤドカリの生体はハッキリしないギャップも生命の不思議さを感じさせる。 個人的な感想だと、どれだけ技術が発達しても、人生を決められる方法なんてないのかなとこの本を見て考えたり。 |
No.283 | 6点 | 星を継ぐもの- ジェイムズ・P・ホーガン | 2013/04/23 19:26 |
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次々と出される謎を理論的に解明していく流れはまさにミステリ。
オチは正直な話わかってしまったが、オチを裏付ける膨大な説得力に心をひかれた。 と書こうと思ったけど、さらにもう一回被せてくるオチで心地よさがあがった。タイトルがここで輝いてくる。 個人的に、ダンチェッカーは噛ませ犬になると思っていたのに、一番いい人物になったことが印象的だった。 ここで一番よかったのは、一つの死体を探求する物語に収まらず、これをきっかけとして新たな宇宙を開拓していく物語に付随しているところかな。なんか夢がある。 |
No.282 | 3点 | メルカトルかく語りき- 麻耶雄嵩 | 2013/04/08 08:15 |
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(軽いネタバレあり)
評価が難しい所だが個人的には楽しめた。メルカトルの真実も正義もゴミ箱に捨てちまえな感じが好き。論理主義ではありそうだけど。 全体として、論理的に犯人がいなかったり、死んだ奴を無理やり犯人にしたりとメルカトルが奇抜なところが目立つが、あくまでもトリック自体はセオリー的でありふれてるのがちと残念な所。 奇抜な探偵が王道ミステリを解決する物語だから、それでいいとは思うのだけど。 |
No.281 | 3点 | さよならドビュッシー- 中山七里 | 2013/04/01 13:28 |
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ミステリというジャンルでこの本は読みたくなかったなぁ。このミス大賞に言うべき言葉ではないが。
火事で障害を背負った少女がピアニストになるストーリーだったらこの本はレベルが高いんだとは思うけど、ミステリとしてはちょっと面白くない。 メイントリックがわかりやすいというか意外性を持たせるための演出だし、途中で気が付いても面白さは変わらないけど、その他の殺人事件がやっつけすぎる。これが一番悪印象。 火事の描写や痛みの描写がレベル高く、本題材のピアノの描写もやはり上手いんだが、さすがにくどかったな。最後、がむしゃらに演奏してるシーンは面白かったけれども。 ここからは作者の責任じゃないが、帯にある『驚愕のラスト!』はその存在がネタバレになる上に、拍子抜けするから止めて欲しいと主張し続けたい。こういうトリックは可能性の一つでも感じさせたらもう終わりなんだから、作者としては繊細に扱いたいだろうに編集が全てを台無しにする。 |
No.280 | 4点 | 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 | 2013/03/27 01:15 |
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表題の「犯人のいない殺人の夜」はさすがの上手さだけど、いまだったらもうちょっとわかりやすく誘導出来た気がして、そこのところは残念。良く言うと、上質な謎なのだが、悪く言うと、それに懲りすぎて他が大ざっぱ。
被害者加害者の悪意の固まった騙し合いは、なんとも東野らしい。 小さな故意、闇の中、エンドレス、白い凶器はオチはわかりやすかったけど、動機の悪さは好き。白い陶器の肌をした悪女が多い東野ならではの物語な気がする。 それ以外だと、「さよなら、コーチ」のオチのつけ方は意外性を狙っていて面白かった。踊り子は何とも言えない後味の悪さ。 昔の作品だけど、全体的に良質な短編集だった。 |
No.279 | 8点 | ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙- ヨースタイン・ゴルデル | 2013/03/24 06:31 |
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科学と歴史の融合ともいえる贅沢な学問である哲学の入門書。
歴史と成り立ちを交えて、丁寧に哲学という存在を教えてくれるのでとてもわかりやすい。 ギリシア神話から始まり、デカルト、マルクス、ダーウィン、フロイトと哲学としてではなく、他分野でも有名な人物も扱ってくれるのでいろいろと視野も広がる。 とくに、デカルトとかフロイトとか、何をしたのかは知っているけど具体的にそれがどういう意味なのかはわからないという人にはぴったりかもしれない。 また、ソフィーの誕生日のはずなのに、謎の少女であるヒルデの誕生日を祝う手紙が届いたりとミステリとしても惹きつけられる作品。 ただずらずらと哲学の話だけをするのではなく、所々に謎を散りばめられているのでスムーズに読み進められる 登場人物であるソフィーと共に『この世界とは何か』『われわれとは何か』と誰もが思っている謎を一緒に考えされられるストーリーともなっている。 |
No.278 | 7点 | 皇帝のかぎ煙草入れ- ジョン・ディクスン・カー | 2013/03/14 01:04 |
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(ネタバレあり)
綺麗に進む心理トリックで面白かった。なによりもタイトルがいい いわゆる古典ミステリだからこそ映えるトリックだと思う。しかし、古典ながらも今も色褪せず輝いているトリック。 周りがトンチンカンで非論理的な争いをしてる中、探偵がバシッと推理を決める王道的ミステリ。 しかし、外国小説によくある罵り合いはやっぱり慣れない。 自分が読んだのは、旧約の井上一夫訳だが、かなり読みやすかった。とりあえず、読んでいてつっかえる部分は無い。 |
No.277 | 7点 | 前巷説百物語- 京極夏彦 | 2013/03/07 01:34 |
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(ネタバレあり)
又一が小股潜りとなるルーツの話。 想像以上に青臭い又一の葛藤が見れて面白かった。 しかしあちらも立てて、こちらも立てることが出来ない又一の話は、予想以上に重い。 やったやられたの殺し合いを経験してるからこそ、又一のいう事が重くなる。 また、この話を見た後に、後巷説百物語の狐者異を見るとかなり印象が変わる。 仲間ほぼ皆殺しにされた仇の化け物退治の苦労とか、。 この巻には出てこないが、騙されやすいってか素直な万三と、知識のある久瀬の両方の性質が合わさった百介が重宝される理由が改めてわかる。 しかし又一がまだ駆け出しで化かしの知識が薄い設定のためか、いつもに比べて妖怪小説度は低めな印象。ほかの巷説シリーズの妖怪度が高いからそう感じるだけかもしれないけど、 |