皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
虫暮部さん |
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平均点: 6.22点 | 書評数: 1848件 |
No.49 | 7点 | 何故エリーズは語らなかったのか?- 森博嗣 | 2024/07/18 11:43 |
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このシリーズにしては結構ミステリ的な “謎とその解明過程とその真相” な感じ。シリーズの予備知識が無くても単独で読めそう。そこが良かった。
“エリーズ・ギャロワ博士がグアトに会いたがっている” との噂の真相は何だったのか? 博士は自分が消えた後、“究極の恵み” をどうする心算だったのか?“恵み” は同時に “Vで他者を消す方法” でもある。扱いに困って、不確定要素(グアト)を巻き込むことで不測の事態を起こそうとした、天命に委ねようとした、と言うのが最も有力な私の読みであるが……? |
No.48 | 5点 | 情景の殺人者- 森博嗣 | 2024/02/02 14:35 |
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指示役がいて実行犯がいてと言う真相やその関係性など、最後にサラッと明かされて終わり。これは複数視点を使うとかして犯人サイドからもっと描かないと面白くない。
物語の始まりとなる浮気調査は結局どういうことだったのか。“わざわざ証拠を摑まないといけないことかなぁ” はもっともな疑問で、それが解決していない。 印象的な情景が無かったわけではないが、私は寧ろ “それを美しいと感じる、とはどういうことか” と言う方向へ考えさせられた。 |
No.47 | 5点 | 目薬αで殺菌します- 森博嗣 | 2023/12/29 15:21 |
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架空のアレ、と言うのは微妙だけど、存在感自体は際立っていてナイス。他のエピソードも個々に見ると面白い。でもまとめ方が投げ遣り(いつものことか……)。
【バカ】を含む名前を付ける親はいないだろう、と思いながら読んでいたが、案の定。伏線? |
No.46 | 5点 | タカイ×タカイ- 森博嗣 | 2023/12/07 13:52 |
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死体を高く掲げたホワイとか曖昧な真相とか、面白そうな要素は含まれているが、わざと面白くない書き方をしてそれこそがクールだと思っていそうな感じが面白くない。
あと、事件関係者と小川が同級生だった、そういう人間関係の偶然をフィクションで使うのは好きじゃないな~。 |
No.45 | 7点 | オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case- 森博嗣 | 2023/01/26 13:08 |
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Last Case とか言って大上段に構える程のものではない。期待半分諦念半分の心持で臨んだのは良かったと思う。事件の雰囲気がいいし上手にまとめた感はあるが、“彼女の友人を容疑者から外した根拠” や “サイカワ先生が招待された理由” は強引で苦しい。
エピローグが書籍化の際の加筆だってのは大胆。「メフィスト」誌上で読んで満足している読者はアレを知らないんだ。実はあの部分、勘で気付いてました。ヒントは、外国人が記述者である効果? “ドクタ・マガタ” と表記されるとぱっと見 “ドグラ・マグラ” のようで、何回間違えたことか。 |
No.44 | 7点 | 歌の終わりは海- 森博嗣 | 2022/01/22 12:45 |
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タイトルでテーマをはっきり宣言している割に、それについてさほどの深みや捻りが示されているわけではない。既にある言説をなぞったとの印象しかないが、しかしこれは斬新な意見を求める類のネタじゃないからねぇ。
ストーリー上にマッチポンプめいた装飾を加えなかった為、流れはスッキリしている。逆説的だが、余計な工夫をしていないおかげで好感の持てる佳作に仕上がった。 |
No.43 | 6点 | キラレ×キラレ- 森博嗣 | 2021/12/07 10:47 |
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事件の流れ、特に適度に空白な部分が、(或る時期以降の森博嗣にはそこでイライラさせられる作品も多いが)本作では面白かった。でも真相に“自作自演”が混ざると説得力が激減しちゃうんだなぁ。そのへんの加減が雑。 |
No.42 | 6点 | 実験的経験- 森博嗣 | 2021/07/31 13:07 |
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手抜きのようなミステリよりはこっちのほうがまし。一種のミステリ論・文化論のようなものではある。外来語の語尾にーを付けない問題の答も此処に。 |
No.41 | 5点 | 馬鹿と嘘の弓- 森博嗣 | 2021/02/10 13:43 |
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そういう人生観もアリかな~、と思わせておいて卓袱台返し、みたいな狙いは決まっている。文章力の勝利ではある。しかし現実の事件をそのまま髣髴させる書き方のせいで、非道な展開を無心に楽しめないのは大減点。戦略ミスだと思う。 |
No.40 | 3点 | イナイ×イナイ- 森博嗣 | 2020/06/04 11:47 |
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犯人が事件を、誰に対して、何の目的で、どのように見せかけたかったのか、まるで判らない。私の理解力の問題ではなく、辻褄が合っていないからだと思うのだが。
エピローグでの小川令子の“もっとうまく(商売として)立ち回る方法はなかっただろうか”と言う発想は、ミステリっぽくなくて面白い。 |
No.39 | 5点 | ηなのに夢のよう- 森博嗣 | 2019/08/30 09:57 |
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やろうと思えばなにがしかの方法で実行可能なのだから、実際にどうやったのかは問題ではない、と言わんばかりの態度だが、だったらこんな“高い死に場所”なんてギミックを付加する必要は無い。シチュエイションの無駄遣いだ。
その点を除けば悪くない(除いていいのか?)。 |
No.38 | 7点 | ψの悲劇- 森博嗣 | 2018/10/17 13:10 |
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なかなか面白い、と言うか森博嗣にはこのくらいを作品の最低ラインとしてキープして欲しい。
ただ、全体的に“たいしたことじゃない”という視点で静かに書かれているため、ネタの割に印象が地味。こういう着地点が作者の持ち味ではあるが、今作では勿体無いかも。演出過多な書き方をすればもっとエンタテイン出来たと思う。 |
No.37 | 5点 | λに歯がない- 森博嗣 | 2018/09/03 11:24 |
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何を以て復讐の成就と見做すか、は当事者の胸先三寸と言う側面があるわけで、犯人に奇矯な行動を取らせがちな森博嗣作品とは親和性が高いと言える。って勿論皮肉だよ。
第2章の“そんな駄洒落を言うために、普通四人も殺さないでしょう?”という台詞は大胆な伏線!途中で出て来たコンクリートミキサ云々は結局ダミー? |
No.36 | 6点 | εに誓って- 森博嗣 | 2018/07/03 15:32 |
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とばっちりで殺されたバスの運転手が気の毒。最初から団体でバスを借り切っておけば済んだ話じゃないか。 |
No.35 | 6点 | 血か、死か、無か?- 森博嗣 | 2018/06/01 11:05 |
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このシリーズはひとつの物語をゆったり書いているようなもので、勿論なにがしかの出来事は起こるのだけれど、巻による印象の差が乏しい。ストーリーがどうと言うより、それによって提示される世界観を味わっている側面が強い。西尾維新なんかだとそれを思い切ってぶつけてくるけれど、Wシリーズはじわじわと染みて来る感じ。ただ意地悪く言うなら、既にほぼ焼き上がっている肉塊を少しずつ切り売りしているようにも思える。 |
No.34 | 4点 | ダマシ×ダマシ - 森博嗣 | 2017/10/12 13:17 |
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今に始まったことではないが、思い付きだけで場当たり的に書き進めて、色々綻びが出たけれど書き直すのは面倒なので、ひとの心の曖昧さを免罪符にして辻褄を合わせた、という感じ。本作では、わざわざ殺すほどの必然性が全く無い、という点が致命的。あの人が偶然あの人の顔を知っていてあっさり身元が割れるのも手抜きとしか思えない。他にも合点の行かない記述は多く、森博嗣の近作は不自然ポイントを探す為に読んでいるかのような私である。 |
No.33 | 3点 | レタス・フライ- 森博嗣 | 2017/07/31 10:28 |
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殆ど内容が無いような話を文章の個性だけでどこまで引っ張れるか実験した、が概ね失敗した、という感じ。辛うじて「砂の街」は面白いが、この本に収録してしまうと、基本的に同類である他の短編に埋もれて、その良さが際立たない気がする。 |
No.32 | 6点 | τになるまで待って- 森博嗣 | 2017/07/27 11:56 |
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ドアの溶接をセメントでカモフラージュした、と言うのは誰に対するカモフラージュなのか?密室状況を作った理由が時間稼ぎならトリックがあとで露見しても問題は無いわけで、そんな作業をしている時間こそが勿体無いのでは。
トリックは肩透かしだしストーリーもたいしたこと無い。しかしどこがどうと言うわけではないが、この時期の森博嗣作品としては比較的面白く感じるほうの一冊。 |
No.31 | 5点 | θは遊んでくれたよ- 森博嗣 | 2017/01/11 14:22 |
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こんな時間、こんな場所に、二人だけで立ったとき、相手が自分を殺そうとしてるか、それとも、そんな気持ちはこれっぽっちもないか、それくらい、わかるんじゃないか?
というラヴちゃんの意見は、あまり論理的ではないが、非常に説得力を感じた。しかし(あくまで仮説とはいえ)事件の真相でほぼその通りのことが行われているんだよなぁ。なにそれ。 思わせ振りなだけで回収する気のない伏線の存在感が大き過ぎて、相対的に事件の核がしょぼく見える。 |
No.30 | 4点 | Φは壊れたね- 森博嗣 | 2017/01/04 11:04 |
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この密室トリックは意味が無い。室内にもうひとりいるなら、そいつが刺せば良かったじゃないか。犯人は何がしたかったのか、この行為が何故それをしたことになるのか。作者は“人間の内面は読めない”という言い訳に頼り過ぎである。 |