皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
kanamoriさん |
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平均点: 5.89点 | 書評数: 2426件 |
No.26 | 8点 | ずっとあなたが好きでした- 歌野晶午 | 2014/10/26 18:31 |
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「葉桜~」に比肩し得る、歌野晶午の新たな代表作!--------というような、ミステリ系のブログやその筋の方々のTwitterの感想をよく見かけたので、目いっぱいハードルを上げて読みましたw
流行りの言い回しだと、”恋愛小説集に擬態した〇〇ミステリ”で、600ページに近い分量に13編の様々な形の恋愛話が収められています。すっきりした文章なので、長尺のわりには読みやすく、また一気に読んだほうが良いように思います。 内容は、美少女転校生に初恋する小学5年生、年齢を偽りバイトに励む中学生、ラジオの告白番組を利用しようとする高校生、演劇サークルの先輩女性に惑わされる大学生、パリでヌードダンサーと同棲する新米会社員、ネット掲示版で知り合った女性に恋する中堅会社員、集団自殺寸前にメンバーの女性に惚れる中年男、ビラ配りの仕事中に美魔女に魅せられる落ちぶれた初老の男などなど、主人公の年齢はバラバラですが、やはり何歳になっても男は男、どいつもこいつも皆いっしょですねw 純粋な恋愛小説もありますが、ミステリ趣向やオチが施された作品のなかでは、第1話の表題作と、「舞姫」、そして最終話の「散る花、咲く花」の3編がとくに印象に残りました。 |
No.25 | 7点 | コモリと子守り- 歌野晶午 | 2013/02/04 12:34 |
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舞田ひとみ高校生編。ひとみの中学までの同級生で、引きこもりの少年を物語の中心に据えたボリュームのある長編で、本書は仕掛けを凝らした誘拐ミステリの秀作と評価したいです。ただ、これまでのシリーズの流れから、タイトルは「舞田ひとみ17歳、子守りときどき探偵」でもよかったのでは?とも思いますが。
幼児虐待、生活保護、引きこもりなどの社会性のあるテーマを背景にしつつ、スマホの特殊機能やコインロッカーの新システムといった最先端知識を駆使した構成は、”現代の誘拐ミステリ”としてなかなか読ませます。連続幼児誘拐事件の裏の構図の手がかりもフェアに提示されていて、丁寧に読めば途中で読み解くことも可能でしょう。 謎解きが終わった後の、100ページにわたるエピローグは確かに長すぎるのですが、青春ミステリ風のラストシーンはいいですね。印象的です。 |
No.24 | 6点 | 春から夏、やがて冬- 歌野晶午 | 2011/11/10 19:04 |
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元エリートの中年警備員が、スーパーの万引き娘を捕まえるところから始まる物語には、謎らしい謎の提示もなく、自分の娘をひき逃げで亡くした中年男の心情と、生活苦の娘への施しと交情を淡々と展開させているだけなのですが。
そこは作者のこと、”ラスト5ページで世界が反転する”。 大どんでん返しと言うほどのインパクトはないんだけど(なにせ、帯にネタバレぎみに「反転」と謳われている)、物語のテーマと仕掛けが綺麗に合致しているように感じた。 小粒ながら無難にまとめ上げた佳作といったところでしょうか。 |
No.23 | 4点 | 密室殺人ゲーム・マニアックス- 歌野晶午 | 2011/10/07 17:43 |
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シリーズの番外編。
これまで5人の鬼畜メンバー内で閉じられていた密室ゲームをオープンにすることによって初めて意味を持つことになる作品全体に仕掛けられた本書のアイデアはそう悪いとは思わない。 しかしながら、個々の出題に対する真相はお寒い限り。ゲームだからトリックが巧く行ったものを出題したという趣旨の”メンバー”の発言があるが、それを言ったらオシマイだ。 |
No.22 | 6点 | 舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵- 歌野晶午 | 2010/11/23 21:16 |
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舞田ひとみ中学生編。
ひとみに事件と謎を持ち込んでくる語り手のエミリら、女子中学生3人組のキャラクターがよくて、ミステリ部分よりその言動や生態が面白かったので前作より高評価。 パズラーとしてはいずれもユルメですが、激やせ外国人講師の謎「幽霊は先生」が個人的ベスト。 これ以降、17歳高校生編だけでなく、20歳女子大生編、23歳OL編、26歳奥様編.....と続編を希望します(笑)。 |
No.21 | 5点 | 密室殺人ゲーム2.0- 歌野晶午 | 2010/07/15 17:47 |
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前作を踏まえた上の趣向を凝らしていますが、やはりパートⅡゆえのマンネリ感は否めませんでした。
個々のトリックは前作に劣らないとは思いますが、これで本格ミステリ大賞というのはちょっと解せません。 |
No.20 | 6点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 | 2010/07/15 17:46 |
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貯め置いていたアイデアの在庫一掃のための特異な設定、と思わなくもないですが、個々のトリックが面白いのでよしとします。
ハンドルネームの匿名性に隠れた鬼畜系5人の怖さをひしひしと感じてしまった。 |
No.19 | 6点 | 絶望ノート- 歌野晶午 | 2010/07/14 18:58 |
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本書も毒気に溢れたブラックな”裏・本格”ミステリ。
手記(日記)形式で語られるこの手の小説では、他作家の同類作品で使われた仕掛けの範囲内のもので、真相は見え易くなっていますが、細かな叙述ネタがまぶされていて楽しめました。 |
No.18 | 5点 | 舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵- 歌野晶午 | 2010/07/14 18:57 |
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軽く書き流した感じを受ける連作短編集。
著者としては珍しい作風ですが、同趣向のミステリが多数書かれている中、新味に欠けます。 探偵役の少女に突飛なところがないのも、らしくない。 |
No.17 | 5点 | ハッピーエンドにさよならを- 歌野晶午 | 2010/07/14 18:57 |
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ブラックな趣向を凝らした”裏・本格”の短編集としては第3弾。
各編とも毒気や狂気がにじみ出ていますが、初期の「正月十一日、鏡殺し」ほどのインパクトは感じませんでした。 「玉川上死」が個人的に気に入っています。 |
No.16 | 6点 | 女王様と私- 歌野晶午 | 2010/07/14 18:57 |
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本書は著者の”裏・本格”の到達点だと思いますが、それだけに正統派の本格を期待した読者を裏切る作品でしょう(本格の掟破りの部分もありますし)。
肩透かし気味のオチは留保して、プロットの妙を楽しめました。 |
No.15 | 4点 | ジェシカが駆け抜けた七年間について- 歌野晶午 | 2010/07/14 18:57 |
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最初にこのアイデアが浮かんで、エチオピア人の女子マラソンランナーを始めとする物語設定を構築していったのでしょう。
一発ネタのトリックに引っ張られて、物語そのものが非常に薄っぺらな感じを受けました。 |
No.14 | 6点 | 安達ヶ原の鬼密室- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:44 |
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うーん、同じネタの使い回しでも、このように使えば面白いアイデアと言われるんだろうか。
凝った構成自体は面白いですが、なんか損した気分になりました。 |
No.13 | 6点 | 家守- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:44 |
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裏・本格系統のミステリ短編集。
「正月十一日、鏡殺し」ほどの毒気は感じられませんでしたが、各編とも何らかの企みに満ちた好短編集。 |
No.12 | 5点 | 館という名の楽園で- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:44 |
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文庫オリジナルの短めの長編ミステリで、前回の孤島ものに続き今回は館ミステリ(のパロデイ?)。
トリックに関しては、作者の不敵な笑みが浮かんでくるような外し方が面白かった。 |
No.11 | 7点 | 世界の終わり、あるいは始まり- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:04 |
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これは、裏・本格のほうの歌野晶午が全開したミステリでした。
本格嗜好の読者にはミステリとして認められるか微妙な作品で、評価が分かれると思いますが、後期のパトリック・クェンティンを彷彿とさせるプロットは結構好みです。 結末の付け方もあれで問題ないと思いますが、中盤のスリリングな展開が読みどころでしょう。 |
No.10 | 6点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:04 |
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手垢のついた絶海の孤島テーマのミステリですが、まだこのようなアイデアがあったのかと驚くようなプロットでした。
短めの長編だけにキレは抜群です。 |
No.9 | 7点 | 放浪探偵と七つの殺人- 歌野晶午 | 2010/07/13 23:04 |
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信濃譲二ものの本格ミステリ短編集。
作者の原点回帰のような本格編が7編収録されていて、パズラーとして一級品の作品集だと思います。 ダークで奇妙な味の短編も好みですが、たまに読む正統派の本格編もいいですね。 |
No.8 | 7点 | ブードゥー・チャイルド- 歌野晶午 | 2010/07/13 22:18 |
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自分は黒人の子供だという”前世の記憶”をもっている中学生を主人公にして、その謎を追っていくストーリー。
ネタはある程度見え易くなっていると思いましたが、主人公の造形の魅力と巧みなプロットで、物語に惹き込まれました。 作者のストーリーテラーとしての才能が開花した作品だと思います。 |
No.7 | 6点 | 正月十一日、鏡殺し- 歌野晶午 | 2010/07/13 22:18 |
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作者独特のテイスト・持ち味が確立したのは、この短編集からではないかと思っています。
たしか”裏・本格”と称されていたと思いますが、旧来型のトリックを重視することなく、意外な方向から読者に驚きを与える作風の短編が揃っています。 |