皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 2460件 |
| No.540 | 5点 | 一角獣殺人事件- カーター・ディクスン | 2010/06/25 21:09 |
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| H・M卿ものの第4作は、陸軍情報部とか怪盗が出てくるなど冒険スリラー風の幕開けで、これまでの作品とはテイストがちょっと異なります。
監視下の殺人という不可能トリックもありますが、その不可能状況が読んでイマイチ分かりずらいのと、小道具が特殊なので、スッキリしない出来です。 |
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| No.539 | 6点 | 赤後家の殺人- カーター・ディクスン | 2010/06/25 20:56 |
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| 「人を殺す部屋」テーマを扱った、H・M卿もの第3作。
怪奇趣向はまずまずですが、密室内の毒殺という設定は不可能性を薄めているため、あまり効果的な手段でないように思います。 密室トリックの色々なヴァージョンを書きたかったのでしょうか。 |
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| No.538 | 7点 | 白い僧院の殺人- カーター・ディクスン | 2010/06/25 20:46 |
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| 雪の密室殺人(足跡のない殺人)を扱ったH・M卿が探偵役を務める第2作です。
怪奇趣向がまったくというほどないのが少々不満ですが、この種のトリックは本書で初めて読んだので、盲点を突かれた感じでけっこう衝撃を受けました。 密室を構成する理由も非常に納得いくものです。 |
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| No.537 | 7点 | プレーグ・コートの殺人- カーター・ディクスン | 2010/06/25 20:35 |
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| 怪奇趣向の降霊会という設定で石室内の密室殺人を扱っています。H・M卿の初登場作品ですが、登場前の物語前半は怪奇小説の様相です。
初読は講談社文庫の「黒死荘殺人事件」でしたが、読みずらい訳文のせいもあってあまりいい印象がありませんでした。再読してみて、因縁話として語られた黒死病流行時代の短剣のエピソードが、密室トリックをミスリードしている点など巧妙な構成は感心しました。人物に関するトリックは、無理があるように思います。 |
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| No.536 | 7点 | 弁護側の証人- 小泉喜美子 | 2010/06/24 21:22 |
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| シンデレラ物語をモチーフにした騙し絵ミステリ。
新本格の洗礼を受けた現代の読者が読めば、ある程度プロット上の仕掛けは分かると思いますが、これが60年代に書かれていたという点がすごいことです。 騙しのテクニック面でいえば、プロローグの「・・・を死刑に処す」という叙述は却って逆効果ですが、ヒロインの独白に二重の意味(逆の意味)を持たせる手法など、スマートで非常に先駆的なミステリと言えると思います。 |
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| No.535 | 7点 | なめくじに聞いてみろ- 都筑道夫 | 2010/06/24 21:05 |
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| ユニークな長編アクション小説。「飢えた遺産」改題。
主人公の素人青年と12人の殺し屋とのバトルを描いているだけですが、この殺し屋たちが面白い。 亡き父親が通信教育で育成した殺し屋たちという設定で、主人公に残された血に飢えた負の遺産といったところ。彼らが使う殺しの道具が、トランプ、傘、マッチなど奇抜でバラエテイに富んでいるところは、山風の忍法帖を思わせました。 |
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| No.534 | 3点 | ヴードゥーの悪魔- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/24 20:28 |
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| ニューオリンズを舞台にした歴史ミステリ3部作の第1作。
最後の未訳長編ではありますが、よほどのカーマニアでないと面白く読めないでしょう。 作者らしいミステリの趣向は馬車からの女性消失ぐらいですが、不可能性を強調するための「検め」不足で、真相はごく常識的なものでした。 |
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| No.533 | 6点 | アラビアンナイトの殺人- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/24 19:21 |
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| フェル博士の安楽椅子探偵もの。
3人の警察関係者が夜を徹して不可解な事件の顛末をフェル博士に語り明かすというプロットがタイトルの由来です。 その事件は確かに奇妙な様相を呈していますが、怪奇性はあまり見られず、いったい何が起こっているのかという趣向は「帽子収集狂」の事件を連想しました。 同じ事件を別の角度から語る1部・2部の試みはちょっと面白いとは思いましたが、重複感も感じました。 |
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| No.532 | 4点 | 毒のたわむれ- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/24 18:56 |
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| これはパリ警視庁バンコランシリーズのスピンオフ作品と見るべきでしょうか、微妙な位置づけの作品です。
「蝋人形館の殺人」などで活躍したワトソン役のアメリカ人青年ジェフ・マールが登場しますが、探偵役はパット・ロシターという青年で、あまりぱっとしない魅力のない探偵でした。 ある判事邸での毒殺事件を描いていて、犯人は意外といえば意外ですが、その人物の造形は書き込み不足のように思えます。 |
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| No.531 | 5点 | 蠟人形館の殺人- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/24 18:41 |
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| パリの予審判事アンリ・バンコランが探偵役を務めるシリーズ第4弾。
なぜか2、3作目はライン河の古城とかロンドンが舞台でしたが、今回は再びパリにもどり、蝋人形館での連続女性殺人事件に挑みます。 退廃的なパリの情景描写とか蝋人形館の雰囲気はよく出ていて、最後の大佐とのカード勝負の場面なども読ませはしますが、フーダニットとしては物足りなく思いました。翻訳が古いのも難点。 |
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| No.530 | 5点 | キング&クイーン- 柳広司 | 2010/06/23 21:18 |
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| ”米大統領からの刺客VS元女性SP”とか”チェス・ゲーム風の頭脳戦”などの先入観を持って読むと、薄っぺらでご都合主義的なサスペンスにがっかりさせられます。 | |||
| No.529 | 5点 | 蒼林堂古書店へようこそ- 乾くるみ | 2010/06/23 21:09 |
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| ミステリ専門古書店の店主と常連客による日常の謎もの、連作ミステリ。
喫茶サービス付き古書店という設定や、各編とも古今のミステリの蘊蓄から入って自然と謎が提出されるというプロットは読んでいて心地よかった。 これで肝心のミステリ部分が充実していれば・・・・。 |
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| No.528 | 9点 | 三つの棺- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/23 20:47 |
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| 密室講義である程度手の内を明かしておきながら、さらに高度な不可能トリックに挑んだということで、極度に複雑なプロット&トリックになっています。
カーの代表作であることに異論はありませんが、読者が最初に手を出す作品でもありません。「ユダの窓」や「かぎ煙草入れ」などと違って、仕掛けをひと言で表現できない複雑さが、この作品の長所であり短所でもあると思います。 |
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| No.527 | 9点 | 曲った蝶番- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/23 20:31 |
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| 怪奇趣味が存分に発揮されたカーの個人的ベスト作品。
二人のジョン卿の真贋に関するスリリングな展開は最後まで物語に惹きつけられました。 トリックについては賛否が分かれるかもしれませんが、タイタニック遭難による後遺症がダイレクトに不可能トリックに結びつく趣向に感心しましたし、頭に浮かんでくるその状況から受ける衝撃は他の作品を圧倒していると思います。 |
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| No.526 | 5点 | 悪魔のひじの家- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/23 20:12 |
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| 60年代以降の後期の作品のなかでは比較的出来がいいと思いますが、密室トリックは多少改変されていても自身旧作の使い回しですので、カーを読みなれた人は察するのは容易だと思います。
犯人の意外性を追求する姿勢は変わっていませんが、隠蔽手段として関係者の嘘の証言が関わっている点は感心できません。 |
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| No.525 | 7点 | 囁く影- ジョン・ディクスン・カー | 2010/06/23 18:55 |
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| パリ郊外の古塔最上階での不可能殺人をフェル博士が解く本格編で、中期の佳作だと思いました。
吸血鬼伝説は添えものという感じですが、物語導入部のミステリアスな情景描写や殺人クラブの雰囲気から引き込まれます。 カーの描く若い女性像はいつも類型的ですが、本書のヒロインのフェイ・ノートンの造形は異質で、あるミスディレクションに寄与していると思います。 |
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| No.524 | 5点 | 砂楼に登りし者たち- 獅子宮敏彦 | 2010/06/22 20:40 |
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| 室町時代~戦国時代を舞台背景にした本格ミステリ連作短編集。
4編ともトリックに工夫を凝らしていて、「美濃蛇念堂」の雪の密室状況の意外な真相など、そこそこ面白い。 一方、歴史ものとして見た場合、登場する実在の人物(らしい)がマイナーでマニアック過ぎるのであまり興味が湧かない。この辺の歴史ネタに通じた人がどれだけいるか、ちょっと疑問です。 |
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| No.523 | 6点 | 未来警察殺人課- 都筑道夫 | 2010/06/22 20:16 |
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| 作者の守備範囲は非常に広くて、ロジック重視の本格ミステリをはじめ、SF、ホラー、、ハードボイルド、アクション小説、時代小説など、あらゆるジャンルのエンタテイメント小説を書いています。
本書は、第二の地球を舞台にしたSFハードボイルドの連作短編集で、ロジックよりプロット重視ですが、各編ひねりを加えていて結末の意外性にも配慮したミステリの好短編集でした。 |
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| No.522 | 6点 | 奥の細道殺人事件- 斎藤栄 | 2010/06/22 18:49 |
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| 松尾芭蕉=忍者説や汚水公害問題など色々な題材が織り込まれていて、作者の作品のなかではまずまず面白く読めました。
ミステリの趣向としては芭蕉ノートの暗号はともかく、死んだ容疑者のアリバイ崩しや反則すれすれの意外な犯人の設定(ちょっと伏線が不足ぎみですが)など、初期作らしい本格度の高い内容でした。 |
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| No.521 | 5点 | 夏の終る日- 仁木悦子 | 2010/06/22 18:27 |
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| ミステリ連作短編集(角川文庫版)。
シリーズ・キャラクターの一人、私立探偵・三影潤もの5編が収録されています。探偵の職業からハードボイルドと見られがちですが、この短編集を読む限り文体にそのテイストはあまり感じられません。 浮気調査や失踪人探しを発端にいずれも殺人事件に巻き込まれるサスペンスで、本格度は薄めでした。 |
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