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kanamoriさん
平均点: 5.89点 書評数: 2460件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.560 4点 騎士の盃- カーター・ディクスン 2010/06/27 22:07
H・M卿ものの最後の長編ミステリ。
密室の中の<騎士の盃>をだれかが動かしている、というだけの短編ネタの謎で、マスターズ警部に任せて、H・M卿は歌の練習に専念というのも分かります(笑)。

No.559 5点 赤い鎧戸のかげで- カーター・ディクスン 2010/06/27 21:57
前作の「魔女が笑う夜」と本書でバカミス作家の地位を不動のものにしてしまいました。
H・M卿もモロッコまで来てこんなバカ騒動を起こす必要もないと思うんだが・・・。
怪盗アイアン・チェストの鉄の箱の真相も脱力ものです。

No.558 5点 魔女が笑う夜- カーター・ディクスン 2010/06/27 21:46
ある村での「悪意の手紙」をテーマにしたH・M卿もの。
クリステイやセイヤーズならともかく、このテーマをカーが書くとは思わなかった。
<後家>と称する犯人が、ある女性の部屋から消失するトリックのバカバカしさは有名になってしまいましたが、前段のドタバタ喜劇の中にキッチリ伏線を張っているのはさすがと言うべき。

No.557 5点 墓場貸します- カーター・ディクスン 2010/06/27 21:30
カー名義の作品ではいくつかありますが、アメリカを舞台にした唯一のH・M卿ものです。
プールからの人間消失というミステリのネタは、H・M卿が現地で引き起こす珍騒動の前にかすんでしまいました(笑)。
トリックの原理は、再三使われた自身の初期作と同じです。

No.556 4点 時計の中の骸骨- カーター・ディクスン 2010/06/27 21:17
怪奇趣向とドタバタ喜劇が錯綜するユニークなプロットですが、ミステリとしてはあまり見るべきところのない凡作ですね。
ただ、H・M卿と宿敵ブレイル伯爵夫人との数々のバトルが爆笑もので、唯一の読みどころかな。

No.555 5点 青ひげの花嫁- カーター・ディクスン 2010/06/27 21:06
行方をくらませた連続殺人鬼探しが主題のH・M卿もの。
ある俳優がいかにもそれらしく描かれているのがミスディレクションなのか、それとも裏の裏なのかの興味で物語を引っ張っていますが、不可能殺人ものでないためか、H・M卿に精彩がないですね。

No.554 5点 爬虫類館の殺人- カーター・ディクスン 2010/06/27 20:41
この目張り密室は結構有名で、これまたトリックは事前に知っていました。
戦時下のある状況を利用したという点も評価されているようですが、物語そのものは面白味に欠け、トリックだのみのところがあるので、ネタを知った上で読むと厳しいです。

No.553 4点 仮面荘の怪事件- カーター・ディクスン 2010/06/27 20:28
ポケミスの「メッキの神像」の方を読んだのですが、原型の短編(こちらはフェル博士が探偵役)を読んで間がなかったので、ネタがすぐに分かり楽しめなかった。
H・M卿が奇術に興じている間に重要証人が死んでしまったりで、長編化のために付け加えたエピソードは冗長なだけで意味がないでしょう。

No.552 5点 かくして殺人へ- カーター・ディクスン 2010/06/27 18:02
ベストセラー女性作家への連続襲撃事件を扱ったH・M卿ものの第10作目。
怪奇趣向やファース、密室殺人などの作者らしさが出ていないスマートな本格編で、犯人の動機が一番のキモである点など、クリステイの作品を彷彿とさせます。

No.551 7点 読者よ欺かるるなかれ- カーター・ディクスン 2010/06/27 17:42
挑戦的なタイトルから、久々の自信作という作者の自負が覗われるH・M卿ものの第9作。
怪しげな心霊術師による念力予告殺人を前作「五つの箱の死」に登場したサンダース博士の視点で描かれていますが、途中に何度か挿入される博士の注釈や連続殺人自体が巧妙なミスディレクションになっています。
ハウダニットを追っていくとまんまと作者の術中にはまる構成はさすがです。

No.550 3点 五つの箱の死- カーター・ディクスン 2010/06/27 17:21
本書は著者の全盛期に書かれた作品の中では一番の問題作(失敗作?)でしょう。
おそらく、意外な犯人像を突きつめていくうちに、このような設定を考えついたのではと思いますが、実際にH・M卿から真犯人を指摘されても、驚きより戸惑いのほうが大きかった。「えっ、それ誰?」という感じです。
「貴婦人として死す」の真犯人の設定は、この趣向を改良したものじゃないかと思います。

No.549 6点 孔雀の羽根- カーター・ディクスン 2010/06/27 17:00
H・M卿の探偵譚第6作は、一転して怪奇趣向もドタバタもない、ストレートな不可能殺人ものに回帰しました。
警察が環視する空家の2階での射殺事件を描いていますが、マスターズ警部などによる事情聴取が延々と続くなど、中盤の物語に起伏がないので、ちょっと冗長なところがあります。
解決編は、32個の手掛かり索引を提示したり、密室構成の動機を分類するなど読み応えがありますが、トリックが拍子抜けの感は否めません。

No.548 4点 パンチとジュディ- カーター・ディクスン 2010/06/27 16:43
本書は前作「一角獣殺人事件」の後日譚になっていて、陸軍情報部が絡む冒険スリラー風の物語です。
元情報部員のブレイクなど登場人物も前作と重なり、彼の一人称でドタバタ・コメデイを描きながら、全体の構図に仕掛けを施していますが、不可能興味のない凡作となってしまいました。
最後のH・M卿の行動は愉快で、事前に伏線が張られていたのはさすがですが。

No.547 4点 恐怖は同じ- カーター・ディクスン 2010/06/26 17:14
ディクスン名義では唯一の歴史ミステリ。
現代で殺人事件に巻き込まれた男女が150年前のロンドンにタイムスリップするが、そこでも事件に遭遇し150年前も「恐怖は同じ」という話。
冒険ロマン風で、今回は剣劇ならぬボクシングの決闘が楽しめます。またまたタイムスリップを使用していますが、「ビロードの悪魔」と違ってミステリの趣向と結びついていないです。

No.546 6点 青銅ランプの呪- カーター・ディクスン 2010/06/26 16:56
人間消失がテーマのH・M卿もの。
エジプト青銅ランプのファラオの呪いという怪奇趣向は添えもの程度ですが、提示されたヘレンの消失という謎は結構強烈でした。ネタバレ気味ですが、これはチェスタトンの「見えない人」ネタという感じです。
単純な謎に対してボリュームのある分量で、中盤はちょっとダレましたが。

No.545 7点 貴婦人として死す- カーター・ディクスン 2010/06/26 16:41
関係者の医師の手記の形で、H・M卿が関わる偽装心中事件が描かれています。
断崖まで続く男女の足跡トリックは二重の真相を用意して、そちらに目が行きがちですが、中核のトリックはさらに別にあって、巧みなミスディレクションになっています。
怪奇趣向や派手な展開はありませんが、一人称で語られる物語は淡々とした静かな雰囲気で、カーの作品としては読み心地がいい中期の傑作と言えると思います。

No.544 6点 九人と死で十人だ- カーター・ディクスン 2010/06/26 16:07
戦時下の航海中の船上の殺人を扱ったH・M卿もの第11作。
乗客の誰のものでもない証拠の指紋という謎が提示されますが、この真相は少々陳腐ながら、タイトルがミスディレクションといえるもう一つのトリックの使い方はまずまずかな。
カーといえば、怪奇趣味と密室トリックですが、本書は元々フーダニットにも強いこだわりを持っている作者の一面が出た佳作だと思います。

No.543 8点 ユダの窓- カーター・ディクスン 2010/06/26 15:46
H・M卿の探偵譚の中ではもっとも有名な作品で、これも密室トリックは読む前から知っていました。
よく考えてみると単純でたいしたトリックではないんですが、タイトルのネーミングが秀逸で、魅力的なものにしています。
H・M卿が弁護人になる法廷ミステリという点が異色で、肝のハウダニットを知っていてもスリリングな展開を楽しめた覚えがあります。怪奇趣向が全くないのは少々物足りないですが。

No.542 8点 海を見ないで陸を見よう- 梶龍雄 2010/06/25 22:07
初期の終戦直後を時代背景とした青春恋愛ミステリの一冊で、「透明な季節」と登場人物が重なりますが、単独で読んでも支障ありません。
知多半島東舞子の海水浴場を舞台に、主人公の大学生が慕う女性の死の謎を中心に据えたミステリですが、ミステリ以前に青春恋愛ものとしてノスタルジックな物語で、非常に読み心地がよかった。
ミステリとしては派手なトリックはないものの、多数の伏線が物語と綺麗に融け合っているのが美しいと感じました。

No.541 5点 聖い夜の中で- 仁木悦子 2010/06/25 21:42
ミステリ短編集(光文社文庫版)。
著者逝去後に出版された最後の短編集で晩年の作品5編収録のほか、鮎川哲也などの追想風エッセイなども収められています。本格度は低いですが、「陰のアングル」とか「折から凍る二月の」など、昭和の清貧な市井の人々を描いていて、初期作の頃から変わらないテイストは心地いい。

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