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文生さん
平均点: 5.85点 書評数: 456件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 7点 プレーグ・コートの殺人- カーター・ディクスン 2024/03/09 10:12
幽霊屋敷の石室で血まみれになって絶命した霊媒師、完全な密室状況に意表を突くトリック、加えてヘンリー・メリヴェール卿の初登場作品と、カーの魅力が初めて完全な形で出揃った記念碑的な作品です。同時に、不可能犯罪ものの教科書的な傑作だといえます。また、密室トリック以外にも交霊術の蘊蓄や意外な犯人、巧みなミスリードなどミステリーとしての魅力が満載です。ただ、中盤までがやや冗長で読みづらく感じた点が難。

No.10 7点 孔雀の羽根- カーター・ディクスン 2024/03/09 01:43
警察の捜査メインの作品のため、物語の起伏に乏しく盛り上がりに欠けるのは残念ですが、不可能犯罪ものとしてかなりの良作です。銃を用いたトリックが秀逸で、32の手がかりも過剰演出気味ではあるものの、カーらしいサービス精神ぶりを堪能することができました。

No.9 3点 時計の中の骸骨- カーター・ディクスン 2024/03/09 01:02
ドタバタ劇としては面白いがミステリーとしては見るべきものがないという、戦後ヘンリー・メリヴェール卿作品の典型例。特に、不可能状況での墜落死事件における真相は脱力ものでした。その他のミステリー要素もイマイチで全体的にまとまりに欠ける駄作といった印象です。

No.8 8点 読者よ欺かるるなかれ- カーター・ディクスン 2021/09/27 21:34
従来の不可能犯罪とは異なり、死因不明の殺人という設定が当時としては斬新。
そのうえ、挑戦的なタイトルも本格好きにとってはぐっとくるものがあります。
メインとなるトリックは単純なものですが、ミスディレクションの技巧によって読者をミスリードしていく手管が見事です。
おまけに、予言や念力といったガジェットが話を盛り上げてくれます。
同時期の有名作に隠れがちですが、個人的にはかなり好きな作品です。

No.7 6点 爬虫類館の殺人- カーター・ディクスン 2012/04/09 13:07
扉の内側からテープを貼り付けられた目張りの密室という設定が独創的で伏線の使い方も巧み。
ただ、トリック自体は単純な機械的トリックなので真相が分かった時の驚きには欠ける。
ストーリー自体も奇術師カップルの恋愛を軸に語られ、カーらしいケレンミに乏しく物足りない。

No.6 6点 赤後家の殺人- カーター・ディクスン 2012/04/09 12:56
得意の怪奇性と不可能犯罪の要素を存分に盛り込み、知名度もそれなりに高い作品だが、やはり毒殺による密室というのが不可能性を薄め、トリックについても見当がつきやすいのが難点。

No.5 9点 ユダの窓- カーター・ディクスン 2012/04/06 11:51
ワンアイデアの密室トリックを『ユダの窓』という魅惑的なワードで引っ張っていくプロットがまず見事。
この効力によって本作は密室殺人を扱ったミステリの最高峰という評価を得ることになる。
そしてなんと言っても法廷ミステリーとしての完成度の高さ。
状況証拠がすべてクロの男の無罪をいかに勝ちとるか?
その論戦の面白さは特筆もの。
得意のオカルトを封印したカーの意外な才能を見ることができる名作。

No.4 5点 墓場貸します- カーター・ディクスン 2012/04/06 11:34
プールからの人間消失を扱った長編ミステリー。
人が消えるトリックはよく考えられてはいるが、単純なトリックを組み合わせた奇術的な手法であり、ミステリーとしての面白味には欠ける。
物語としても特筆できる要素はなく、凡作の域を出ていない。

No.3 8点 貴婦人として死す- カーター・ディクスン 2012/04/05 14:34
『白い僧院の殺人』と並ぶカー作品における足跡のない殺人の双璧。
メイントリックの素晴らしさでは白い僧院だが、それに対して本作はメイントリック以外にも小技が隅々にまで効いており、ミステリー小説としての総合力ではこちらに軍配を上げたい。

No.2 4点 青銅ランプの呪- カーター・ディクスン 2012/04/05 12:38
冒頭の謎の提示はなかなか魅力的。
やはり、人ひとりが忽然と姿を消すというシチュエーションにはわくわくするものがある。
しかし、状況の説明を読んだ時からまさかあのネタじゃないよななどと考えていたらまんまそのネタだったのにはガッカリ。
トリックがあまりに古典的な上に説得力がなさすぎるのだ。
物語として存外楽しめたので最低点にはしないけれどトリックだけの評価ならば1点が妥当な作品。

No.1 7点 白い僧院の殺人- カーター・ディクスン 2012/04/05 12:27
足跡のない殺人と言えばこれというくらい有名な雪密室の決定版。
まさにシンプルイズベストという言葉がふさわしい見事なトリックです。
ただ、物語自体は他のカーの作品と比べると平坦で面白味に欠け、個人的にはいまひとつのめり込むことができなかった。

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文生さん
ひとこと
本格脳なので本格度が高いほど評価も高くなります。ただし、本格好きと言ってもフェアプレーなどはどうでもよい派なのでロジックだけの作品は評価が低めです。トリックやプロットを重視した採点となっています。
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー、土屋隆夫、竹本健治、山田正紀
採点傾向
平均点: 5.85点   採点数: 456件
採点の多い作家(TOP10)
ジョン・ディクスン・カー(18)
アガサ・クリスティー(17)
横溝正史(12)
エラリイ・クイーン(11)
西尾維新(11)
カーター・ディクスン(11)
森村誠一(10)
東野圭吾(10)
米澤穂信(10)
竹本健治(9)