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メルカトルさん
平均点: 6.04点 書評数: 1835件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.35 6点 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2- 江戸川乱歩 2010/05/28 23:26
「芋虫」のみの書評です。

両手両足を失いながら奇跡的に助かった傷痍軍人、聞くことも話すこともできない、そんな夫を表向きは献身的に支える貞淑な妻。
しかし、その裏では無力な夫を弄ぶことに異常な快感を覚えていく。
グロテスクの極致を容赦なく描いた乱歩の隠れた名作。
乱歩自身が言うように、反戦小説ではない。
これは人間の悲しい性を描いた、グロテスクな仮面を被った感動のヒューマンドラマだ。

No.34 2点 リアル鬼ごっこ- 山田悠介 2010/05/27 23:58
まさかそんなオチはないだろうな、と思ったら予想通りで逆に驚いた。
期待した自分がバカだったのである。
でも最後まで読んだので、2点あげる。

No.33 5点 そして五人がいなくなる- はやみねかおる 2010/05/27 23:47
大人の読み物としてはどうかと思うが、取り敢えず探偵役の夢水清志郎のキャラで、最後まで読めはした。
しかし、子供向けとは言え、トリックや動機がミエミエで短絡的過ぎるようだ。
おそらく中学生が読んでも飽き足らないのではないかと思う。

No.32 6点 イニシエーションラブ- 乾くるみ 2010/05/27 00:03
これは・・・ミステリですか?
確かに数々の伏線はミステリの流儀に則ってはいるし、最後の叙述的仕掛けはミステリ以外の何物でもない。
しかし敢えて言わせてもらうと、これはまぎれもなく恋愛小説だ。
一般の読者にとってはどうだろう、やはり本作をミステリとは思わないのではないか。
中立的立場に立てば、どう考えても恋愛小説としか思えない。
でもそれなりに楽しめたので、それで十分かな。

No.31 9点 匣の中の失楽- 竹本健治 2010/05/25 00:01
読んでいて眩暈がする構成。
『虚無への供物』の発展系ともいえる、メタ構造は究極の作中作といっても過言ではないと思う。
登場人物が多い為、一読すると煩雑に感じるかもしれないが、読み込むほどにキャラが立ってくるのを実感できる。
推理合戦を純粋に楽しめる、ミステリの極北。

No.30 7点 告白- 湊かなえ 2010/05/24 23:35
この作品は果たしてミステリなのだろうか。
第一章と最終章だけなら満点をあげてもよいと思う。
その他の章は、付け足しのような感覚を最後まで拭えないまま読了してしまった。
しかし、読み応えは十分だし、様々な問題提起は評価できるのではないかと。

それにしても、これはミステリの新しいカタチなのか?
新社会派の誕生と言ってもよいのだろうか。

No.29 8点 乱れからくり- 泡坂妻夫 2010/05/24 00:55
さすがに犯人の正体は最後まで気付かず。
それにしてもこの作者の頭の構造はどうなっているんだ、脱帽だよ。
冒頭から物語に引き込まれる事間違いなし。

No.28 7点 花の下にて春死なむ- 北森鴻 2010/05/22 23:59
格調高い文体、尚且つスタイリッシュ。
いわゆる日常の謎を扱った連作短編集だが、どこか一味違うのは、やはり表題作で人間の悲哀が嫋々たる文体で綴られている故だろう。
それに特筆すべきはなんといっても、バーで出される旨そうな料理の数々だ。

No.27 2点 殺人鬼2- 綾辻行人 2010/05/22 00:54
もしかしたら、私のミステリ史上、読んだ事を最も後悔した作品ではないかと思う。
大量殺戮シーンは、これはダメだ、生理的に受け付けない。
心臓の弱い人は読まないほうが無難であろう。

No.26 8点 まほろ市の殺人 秋- 麻耶雄嵩 2010/05/22 00:47
本シリーズ中では最高の出来だと思う。
あまり期待してなかっただけに、意外な拾い物をした感じ。
それ程伏線は張っていないが、勘の良い読者なら犯人は途中で分かってしまうだろう。
犯人の残していく遺留品の暗号の真相には思わず唸らされた。

No.25 5点 夜のピクニック- 恩田陸 2010/05/14 21:29
巷の評価と自分の感性の違いを再認識させられた作品。
展開が平坦すぎて盛り上がりに欠ける。
設定そのものは惹かれるものがあるが、もう少し何とかならなかったものか。

青春小説として、これは面白いのか?
正直、疑問だ。

No.24 5点 天帝妖狐- 乙一 2010/05/09 01:04
期待していたほどではなかった。
乙一よ、もっと感動させてくれ。
それが貴方の作風ではないのか。
それとも私の感受性が擦り切れてしまったのか。

No.23 6点 夏と花火と私の死体- 乙一 2010/05/06 00:09
うーん・・・微妙かな。
ホラーと言っても全く怖くはないし、あのオチがなければ、ただの凡作としか言いようがない。
世間の評価は高すぎる気がするね。

No.22 9点 刺青殺人事件- 高木彬光 2010/05/04 00:09
私をミステリの世界に引きずり込んだ、個人的に記念碑的作品。
本当は満点付けたいところだが、今読み返したらどうかと考えると、この点数に。

それにしても、「心理の密室」は見事なトリック。

No.21 7点 疑惑- 折原一 2010/05/03 23:41
らしさが随所に出ている短編集。
特に最初の二篇がお薦め。
やはり表題作が最も面白いが、それ以外にも捻りの効いた折原節が炸裂する。
ただし、叙述トリックは控えめ。

No.20 6点 クリムゾンの迷宮- 貴志祐介 2010/04/29 23:25
うーむ。
全体的に評価が高いなあ、そんなに良いですか?
ラストがどうのとか言われているようだが、自分は逆に、最終章に救われた感じかな。
そこである程度収束させてくれたので、後味は悪くなかったが、謎がいくつか残るのはマイナス要因。

No.19 6点 ソウルケイジ- 誉田哲也 2010/04/25 00:55
スピード感では前作には到底敵わないが、警察小説としてはこちらの方が上。
でも最終章に至るまでの地味な聞き込みや捜査会議などは少々退屈ではある。
それでも最終章のトリック解明には納得。
まずまずではないかと。

No.18 8点 ストロベリーナイト- 誉田哲也 2010/04/18 23:57
主人公の姫川玲子の直感に頼りすぎる捜査方法はいかがなものか。
それと、冒頭のグロテスクな描写は余計かも。
しかしそんな些事を気にさせない十分な魅力を持った作品である事は間違いない。

少女時代の姫川が法廷に立つシーンは、涙なくして読めないほど感動した。これだけでも読む価値あり。

No.17 9点 妖奇切断譜- 貫井徳郎 2010/04/15 00:37
最高です。
もっと評価されて然るべき作品だと思う。
グロいけど、この雰囲気はとても素晴らしい。
早く続編を望みます。

No.16 8点 鴨川ホルモー- 万城目学 2010/04/08 23:51
京都の大学が実名で出てくる。
懐かしくもほろ苦い、青春群像。
「ホルモォォーー」と叫ぶと何かが起きる。
青春小説の傑作、ですがミステリではありません。

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メルカトルさん
ひとこと
「ミステリの祭典」の異端児、メルカトルです。変人でもあります。色んな意味で嫌われ者です(笑)。
最近では、自分好みの本格ミステリが見当たらず、過去の名作も読み尽した感があり、誰も読まないような作品ばか...
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