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メルカトルさん
平均点: 6.04点 書評数: 1871件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.7 5点 このミステリーがすごい! 三つの迷宮- アンソロジー(出版社編) 2015/12/04 20:22
『リケジョ探偵の謎解きラボ』 喜多喜久
『ポセイドンの罰』      中山七里
『冬、来たる』         降田天

以上の三作品からなるアンソロジー。とは言え、別にこれと言ったテーマが与えられているわけではなく、勝手気ままに書かれたミステリ。
『リケジョ』と『ポセイドン』は本格物。『冬』は何とも言い難い不思議な作品。敢えて言えば、三姉妹の母が亡くなり葬儀の日に、突然現れた一番下の弟。幼くして失踪した彼は果たして本物なのか、というのがあらすじ。正体不明の人物が登場する辺りは、横溝を彷彿とさせるが、果たしてミステリと言って良いものかどうか判断が難しい。
喜多氏がミステリとしての出来は一番だと思われる。これまでにない密室トリックは、さすが理系の作者だけのことはある。
一方中山氏は船上での殺人を描いており、被害者以外すべて動機ありの容疑者という、いかにもありがちな設定。こちらはこの作者にしては凡作ではないだろうか。

No.6 6点 気分は名探偵 犯人当てアンソロジー- アンソロジー(出版社編) 2015/01/06 22:39
再読です。
表紙の猫がかわいいね。黒猫がカメラ目線でじっとこちらを見ているよね。
さて、この犯人当てアンソロジーだが、なかなか良質の短編が並んでいる。いずれ劣らぬパズラーが目白押しと言いたいところだが、出来不出来の差は見られるのはやむを得ないだろう。と言うか、ここまで来ると好みの問題なのかもしれない。個人的には、貫井徳郎の『蝶番の問題』が圧倒的に面白かった。投稿による正解率がわずか1%だというのだから、その難解さは群を抜いている。しかし、その割には実に明快で意外すぎる真相が光る逸品となっている。
他は安孫子武丸、法月綸太郎あたりが良かったかな。
巻末の筆者による座談会も興味深く読ませてもらった。やはり、こうした誌上掲載のキッチリした締め切りの犯人当てという企画ものには、様々な苦労が付きまとうものだということがよく分かる。
それにしても、当時も、そして今でもこのメンバーは豪華すぎる。これだけの執筆陣が揃っているのだから、期待しないほうがどうかしている。多くの読者にとっては、その期待を裏切らないだけのポテンシャルを持った作品集と言えるかもしれない。

No.5 7点 放課後探偵団- アンソロジー(出版社編) 2014/10/01 22:13
これこそ粒ぞろいと呼ぶにふさわしい学園ミステリ珠玉の短編集。しかし、みなさんタイトルで敬遠されてはいないでしょうか?読んでみればそれが杞憂に終わると思うので、どのジャンルが好みとかに拘わらず、多くの方に読まれることをお勧めしたい。
それぞれが他愛無い、或いは些細な日常の謎を扱っているが、それを端正なロジックで攻めて、スッキリと解決に導いている辺りはとても好感が持てる。似鳥氏のトリックだけはちょっとややこしいが、まあ私の頭脳がついていけなかっただけで、問題ない。
各キャラもふとしたしぐさや言葉に個性が出ていて、よく描かれているので、ライトな読み物としても合格だろう。特に、それぞれの物語に登場する女子は魅力に溢れていて、読んでいてほのぼのとした気分にさせてくれる。
各短編が際立った特徴を持っていて、違った色の光を放っているが、最後の最後で梓崎氏にもっていかれた感が半端ない。掉尾を飾るに相応しい作品だと感じる。途中まではあまり好みではなかったが、見事な反転でやられた、いや本当に参りました。

No.4 5点 5分で読める!ひと駅ストーリー 降車編- アンソロジー(出版社編) 2014/05/05 22:31
宝島社からデビューした、ミステリー、ライトノベル、恋愛小説の作家たちが、「ひと駅」をテーマに書き下ろした24篇からなるアンソロジー。『このミス』出身作家が最も多く参加しているが、舞台が限定されていることやショートショートという縛りが厳しいため、ミステリ度は低い。
全体的には玉石混交であるが、石のほうが多めだろうか。どれもいまひとつオチがヌルいので、強烈に印象深い作品がない。勿論、これは!というのも中には混在しているので油断はできないが。こうした狭い設定の作品には既視感のあるものが多い気がするが、意外とそういうわけでもなく、各々オリジナリティが見られて、その点では評価されてもいいかもしれない。当然、これだけ並ぶと訳の分からないのや、読者を舐めているのかと思われるものもあるが、全般的にそこそこ面白いのではないだろうか。
一つ確かなのは、水田美意子はデビューからほとんど成長していないということ。相変わらず文章が中学生の作文レベルで、さすがにプロとして食べていくには力量が不足していると思わざるを得ない。私自身も相当酷いが、私は素人だからね。
そして宝島社にも一言いわせてもらうと、なぜ同じようなアンソロジーが、280ページでも360ページでも同じ値段なのよ。普通はページ数によって値段も変わってくるものじゃないのかねえ。それに280ページで税込み700円は高すぎると思うけど。

No.3 5点 競作 五十円玉二十枚の謎- アンソロジー(出版社編) 2013/01/02 19:39
再読です。
若竹七海女史が学生時代、書店でアルバイトしていた時に実際遭遇したある不思議な出来事が本書の発端となっている。
その出来事とは、毎週土曜日の午後、ある男が50円玉二十枚を千円に両替してくれと頼んで、両替が終わるとそそくさと去っていく、というもの。
男はなぜ土曜日ごとに同じ書店で両替するのか、なぜ毎週50円玉が二十枚も貯まるのか。
その謎に、プロのミステリ作家たちと、一般公募の読者が挑戦する。
正直なるほど、と納得できる解答が提示されている作品はほとんどないが、中には面白いものもあるにはある。
個人的には一般公募の自動販売機ネタが最も良かった。解答としてだけでなく、一篇のミステリとしてよく出来ていると思う。
倉知淳のデビュー作?も公募の中に含まれており、猫丸先輩最初の事件も楽しめる。

No.2 5点 Mystery Seller - アンソロジー(出版社編) 2012/02/16 22:40
島田荘司他8人の豪華執筆陣によるミステリ短編集。
竹本健治、麻耶雄嵩、有栖川有栖など、超有名な作家名が並ぶだけに、かなり期待していたのだが、見事に期待は外された。
どれもこれも凡作ばかりで、これといって特筆すべき作品が見当たらない。
唯一、我孫子武丸が面白かったかなという印象。
名前に惹かれて思わず買ってしまったが、あまり読むに値しないと思われるので、作家名で購入するのはお勧めできない。

No.1 5点 探偵Xからの挑戦状!Season2- アンソロジー(出版社編) 2011/02/27 23:44
4人によるアンソロジーだが、それぞれ一長一短あってどの作品が秀でている訳でもなく、押しなべて平均点をクリアしている感じである。
自分の好みから言うと、近藤史恵女史の『メゾン・カサブランカ』がややお気に入りかな。
問題編と解決編が完全に分離されているわけだが、面倒なので全く推理しないで解決編を読んでしまった。
これはある意味正解かもしれない。
というのは、真相を看破するのには多分に想像力を要する作品が多かったため。
そんな中井上夢人氏の『殺人トーナメント』だけは、純粋なパズル問題であり、理系が得意な人には意外に簡単に解けるかもしれない。
あなたも挑戦してみては?

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メルカトルさん
ひとこと
「ミステリの祭典」の異端児、メルカトルです。変人でもあります。色んな意味で嫌われ者です(笑)。
最近では、自分好みの本格ミステリが見当たらず、過去の名作も読み尽した感があり、誰も読まないような作品ばか...
好きな作家
島田荘司 京極夏彦 綾辻行人 麻耶雄嵩 浦賀和宏 白井智之 他多数
採点傾向
平均点: 6.04点   採点数: 1871件
採点の多い作家(TOP10)
浦賀和宏(33)
アンソロジー(出版社編)(27)
島田荘司(25)
西尾維新(25)
京極夏彦(22)
綾辻行人(22)
折原一(19)
日日日(19)
中山七里(19)
清涼院流水(18)