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江守森江さん
平均点: 5.00点 書評数: 1256件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1096 4点 四つの嘘- 大石静 2010/11/30 22:50
以前、テレ朝系のゴールデンタイムで放送された連続ドラマの同時制作な原作小説だが、ノベライズ作家を起用せず作者自ら小説も書いているだけに違和感はない。
同窓生である女4人の過去〜現在に至る‘それぞれの嘘’が徐々に曝され入り組むミステリー風なメロドラマで、放送当時は豪華女優陣でのゴールデンタイム放送よりもチープな女優陣で昼メロ放送の方がピッタリだと思ったのだが(テレ朝は昼ドラ放送は無い)・・・・・。
小説も印象のままで(厚手な文庫だが)図書館の文庫棚の前(にある椅子)で小一時間おさらいしたが、その程度で充分な作品だと思う。
ドラマ放送時に一緒に観ていたた嫁が楽しみにしていたので「同世代の女性には共感を呼ぶ内容なのだろう」と想像した。
中年男には(欠けると熟年離婚に直結しかねない)中年女性心理の勉強にはなるかもしれない。

No.1095 6点 名探偵はきみだ 推理旅行へGo!- ハイ・コンラッド 2010/11/27 16:33
これも推理クイズ本としては前作・前々作に同じだが、優良娯楽ツールとしてもっとシリーズ継続して欲しかった。
推理クイズから派生して犯人当て(フーダニット)の二つのタイプについて私見を少々。
(意外性型):意外性の追求に第一義があるタイプで、ミスリードや隠蔽技法の巧拙が問われる。
決まれば凄い驚きを齎すが、第六感で犯人に到達された場合ですら驚きが減じる弊害を伴う(二時間ドラマなど意外な犯人設定を配役から見抜かれる場合が多々ある)
(論理型):犯人特定の過程(論理性)に第一義があり、犯人の意外性は低いが推理過程に驚きがある作品。
第六感で犯人到達されても痛くも痒くも無い強みの反面、論理で驚きを齎さなければならず、論理の難易度と驚きのバランスの匙加減が難しい。
「このタイプは論理パズルと同じではないか?」と論じられるが、論理パズルは解決へのピースが明示されているのに対し、陰陽取り混ぜた伏線として巧妙に隠蔽し意外性を演出する小説技巧が用いられている違いがある(上記でも「良く出来た小説タイプの推理クイズだ」と言われたら反論出来ない→なので私は推理クイズ好きを公言して憚らない)

No.1094 6点 名探偵はきみだ 有罪?無罪?- ハイ・コンラッド 2010/11/27 15:40
推理クイズ本としての書評や利用法は前作に同じ(優良娯楽ツール)なので、この場を借りてミステリのフェア・アンフェアに対する私見を少々。
作者対読者(#1)と読者間での公平性(#2)の二つの別な問題として存在すると思っている。
#1に関し「読者への挑戦」を付してフェアを謳った作品とそれ以外を分けて考えている。
基本的にどちらも読者に利害が生じないので大方フェアとの認識を持っている(良く論じられるクリスティ某作もフェアだとの立場)が、読者挑戦作品で後出し感があるとアンフェアに思え不快に感じるのは間違いない。
#2に関しては一般的な作品は#1同様だが、懸賞付き犯人当てなどの場合には読(視聴)者間の公平性は絶対に保たれるべきだと考えている。
結論:利害関係が生じる特別な場合を除き殆どのミステリはフェアだとの立場に立っている。
大方が納得出来ない(アンフェア感のある)作品を書けば、評価は作者に跳ね返ってくるのだから作者の裁量に委ねれば良いとも思っている。
よって私は、このサイトの書評でも作品のフェア・アンフェアを殆ど論じていない。
※余談
作者は「名探偵モンク」の脚本家の一人だが、好評再放送中なAXNミステリーで毎回ドラマ終わりに出る脚本家欄を確認してもナカナカ登場しなかったのだが、シーズン2に突入してチラホラ確認出来て何だか嬉しい。

No.1093 7点 ミステリマガジン2011年1月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 2010/11/26 22:08
一般的月刊小説誌の気になる連載や特集は毎月図書館に出向いてチェックし読んでいるが、普段ミステリ・マガジンは興味の対象外なので立ち読みすらしていない。
今回特集がテレ朝系放送中のミステリ・ドラマ「相棒」なので例外的に書店に出向き特集のみ立ち読みしてきた。
雑誌の編集姿勢としては翻訳ミステリ主体なので元来の支持者には、最近の特集が片岡義男だったり相棒だったりと迷走し、国内向きな読者に媚びながら売上を伸ばそうとする方針には納得しかねるだろうし、私みたいな国内&映像化作品を主体にした読者には立ち読みで済まされ売上は伸びないだろう!
本来なら雑誌なので一律の3点だが、雑誌としての評価を無視して、10周年分の「相棒」の評価を点数にして7点とした。
満点(8点)としなかったのは、脚本家により出来不出来の差が結構ある点を考慮したから。
杉下右京のキャラの二本柱である「些細な気付きの名探偵」&「正義を貫く信念の人」をバランス良く描き社会派警察モノ〜名探偵モノまで幅広く良質なドラマを地上波テレビで観られる日本人は凄く幸せだ!
因みに脚本家では櫻井武晴がコンスタントに良作を仕上げていて一番評価している(なので「科捜研の女」も同程度に好き)
最後に「相棒ー劇場版2」とのメディアミックスタイアップは映画の一人勝ちだろうと断言しておこう。

No.1092 4点 新世界崩壊- 倉阪鬼一郎 2010/11/26 12:25
小説としての内容の無さは読書ペースが決して速くない私が小一時間で読了した事が端的に示している。
それでも、作者のバカミスに小説としての内容やデキを求めるのは野暮の極みだろう!
一方で、無駄に手間暇を費やすバカミスが作者の真骨頂だと理解はしても同系統(上下二段同時進行描写も同系統と感じたのは痛い)の無駄を何連発もしたら‘飽き’が生じるし、稚気も評価出来なくなってくる。
※要注意!
経験者(利用者)にはネタバレになります。
手に取る前は「新世界」なタイトルから昭和の高度経済成長期を舞台にした(ピンク)キャバレーネタ(一時期キャバレー「ロンドン」チェーンが生活圏に多数存在した)だと想像した。
しかし、読み始めで現代だと判明し一旦戸惑うも、半ばまで読まずに正体に到達する。
しかも、実際の利用&移動経験がある私は、前回の「三崎〜」のオチから推測し所在地オチまで一気に到達してしまった(独身時代の長かった作者なので同様な経験がありそうだ!)
ここまで無駄にマンネリ化すると後半の解説も鬱陶しい自己満足でしかなくなる。
前回の「三崎〜」で、この方向性の頂点を極めただけにバカミス界の小林幸子を目指すなら斬新さも必要になってくる。
本来なら3点だが、実体験にノスタルジーを擽られ1点加点した。

No.1091 5点 灰の迷宮- 島田荘司 2010/11/22 07:35
これも吉敷シリーズのドラマ再放送の録画視聴と原作のおさらいをした。
ミステリーとしては実に二時間ドラマ的で西村京太郎の水準的な量産作品と同レベル(4点)だろう。
それでも内容に上手くリンクしたタイトルが気に入ったので1点加点する。
しかし、ドラマ化した吉敷シリーズ作品は大技物理トリックの映像化に成功し一部マニアには伝説的な某北の夕鶴以外は陳腐な作品が揃ってしまい残念。

No.1090 3点 幽体離脱殺人事件- 島田荘司 2010/11/22 07:24
二時間ドラマの録画を観て原作のおさらいをしたのだが、一時流行った?「ザ・たっち」の幽体離脱ネタ並みのトリックにガッカリ感が漲る。
後の二時間ドラマ化を想定しながら吉敷シリーズを量産作品にするつもりだったのだろうか?とも想像出来るデキの作品で、完全なやっつけ仕事としか思えなかった。

No.1089 7点 これからの「正義」の話をしよう- 事典・ガイド 2010/11/22 03:51
ハーバード大の政治哲学教授であるマイケル・サンデルの「白熱教室」と評判な対話式講義を平易に著した本。
政治哲学論が基本なので、一見ミステリーとは関係なさげな題材に思える。
しかし、提供される問題(題材)は法律や倫理観と絡め易く(実際に絡めたミステリーも多数存在する)講義内容を突き詰めれば動機や行動原理で魂を揺さぶるタイプのミステリーや法廷小説に到達する。
そんな事には関係なく、先日NHKで「ハーバード白熱教室」を観て是非とも読みたくて(図書館予約が千件オーバーで我慢出来ず)久々に新刊を購入したくらい面白い。
偶には距離を取った視点からミステリーを考えてみるのも悪くない。

No.1088 4点 殺しの四重奏 - ヴァル・マクダーミド 2010/11/22 01:19
海外ミステリードラマではクリミナル・マインド等(日本ではBOSSがパクったし来年以降続々とパクリ作品が放送予定)でブーム?なプロファイリング&サイコサスペンスの混合作品。
数ヶ月前にAXNミステリーで放送したのを録画した儘で放置していたが最近一気に視聴した。
毎度のごとく原作のおさらい予定だったが、ドラマタイトルが本作の原題なのに私が視聴した分のドラマは舞台設定・ストーリー共に原案利用した別物に近く、何作かあるシリーズ原作とドラマ・エピソードの摺り合わせを私は出来なかった(DVDでシリーズ全話観れば可能らしい)
しかし、どちらもサイコ部分に力点があり一方だけに接すれば充分だと思う(シリーズ原作はどれもボリュームがあり、ドラマのDVDレンタルがマイナーながら手軽)
女流作家らしからず結構ドギツイのでサイコ耐性を要するのも読者(視聴者)を選ぶだろう。
プロファイリング系作品については、推理過程は好きだが、突如として犯人が登場する場合が多々ありカタルシスを得にくいし、逆に主要登場人物内に犯人設定するとバレバレになるジレンマを抱えていると常々思っている。
早々に犯人を明かして異常心理を分析するサイコ作品も嗜好からズレていた。

No.1087 5点 暗闇へのワルツ- ウィリアム・アイリッシュ 2010/11/18 07:13
文庫の表紙に本作の映画化作品「ポワゾン」のポスターを転用したメディア・ミックスでの販売戦略は成功に至らなかったと思う。
その映画化作品「ポワゾン」をAXNミステリーで放送した時に録画したが放置状態だった。
昨日やっと視聴したので毎度のごとく原作のおさらいもした(図書館には古びたポケミス版しかなく毎度のごとく物理的読み難さに閉口した)
原作はエロチック・サスペンスな映画(アンジェリーナ・ジョリーのベッドシーンはレスリングの様で全然エロくない)とは別物で、ひとりの女性を描き尽くした転落恋愛小説の側面が強くミステリーを期待すると肩すかしだろう。
原作、映画共に悪くはないが、方向性も含め別物の認識で接しないと両方を楽しむのは難しいだろう。
女主人公役をアンジェリーナ・ジョリーにした事が、映画と原作の乖離が大きくなる逆相乗効果を生み出し、楽しみを減じた最大要因な気がする(映画か原作の好きな一方だけに接すれば被害は少ない)
※補記
最初に映画化した作品は未見だが世評は高い。

No.1086 5点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2010/11/17 16:15
出版当初に読んでいたが内容を忘れていた。
先日、初放送時に見逃していたドラマ化の再放送を録画し、図書館から原作を借りたので、毎度のごとく視聴後におさらいした。
島荘らしくキッチリ本格していても原作自体はトラベルミステリー風かつ二時間ドラマ的な印象でドラマ共々楽しめた。
しかし逆説的に言えばその程度(ソコソコ良くデキた量産作家の作品)でしかない。
今更、島荘の作品を読んで量産作家としても凄い西村京太郎の偉大さを再認識するとは思いもしなかった。
島荘も、この作品の発表当時は一般認知度が低く流行に迎合しながらの量産体制で頑張るしか道は拓けなかったのだろう。
その頑張りが開花した事は、当時カッパノベルスでの作品が古本屋の特売棚に溢れていた事が物語っている。

No.1085 5点 ストロベリーナイト- 誉田哲也 2010/11/17 04:10
先週土曜日にフジテレビ系でドラマ化作品が放送されたが、他の録画視聴に追われ昨日になって視聴した、そして図書館で原作をおさらいしてきた。
ドラマのデキは裏番組の土曜ワイドと同程度で平凡な二時間ドラマそのものだった(3点レベル)
ストーリー的には原作おさらいで充分なのだが、本作の良さはドラマでは削られ発揮されていない。
キャラ立ちなど別方面に読み所があるのでドラマをスルーし先に原作を読むのが良い選択だろう。
現状の私は、ドラマの録画視聴中心でおさらい読書が関の山なのでどうしようもないのだが、視聴と読書のどちらを先にするかの選択は結構悩ましく臨機応変な立ち回りは傑作に出会う以上に難しい。
どちらか一方を先と決めつけて実践すれば悩まず後悔の度合いも低いが、それにより出会いが限定される弊害もある。
作品その物より上記の問題を考えさせてくれた意義ある一冊であった。
※私的な基本姿勢が文章の巧拙より構成と演技の巧拙を重視している事を補記する。

No.1084 4点 氷の家- ミネット・ウォルターズ 2010/11/15 00:06
AXNミステリーで先週、今週の二週に渡り前後編で映画化作品が放送されたのを録画視聴したので毎度のごとくおさらいした。
最初に謎めいた女三人が暮らす家が全く魅力的でないのが痛い作品だと思える。
そしてドラマ・原作共々タイトル通りの重苦しい雰囲気に馴染めない儘で楽しめなかった。
人それぞれだが嗜好の範疇になかったのが世評と異なる最大要因。
役者の技量とキャラが魅力な作品なら救いはあるがこの作品は該当しないのでスルーしても問題ない気がする。
まだ先日観たミレニアムのドラマならリスベット役の女優の貧乳が見所として存在していた分だけ良かった。
ドラマ視聴のし過ぎでふやけた頭だが、原作ありミステリードラマの大半が原作共々凡作だと思い至った(それでも数少ない傑作を求めて視聴を続けるオバカな私である)

No.1083 6点 世界ミステリ作家事典 [本格派篇]- 事典・ガイド 2010/11/14 23:18
国産ミステリに主軸を置き、翻訳ミステリはごく一部かドラマ化作品視聴後のおさらいが中心なミステリ読者なので当然購入はしていない。
でも何故か数年前に丸一日(開館時間目一杯)図書館で眺めた事がある。
当時、ちょっとしたミステリ資料(ドラマ絡み)を作成したかったので近場の図書館をあたったが蔵書が無く、所蔵していた他地区の図書館まで出向いた。
しかも貸出不可で館内閲覧のみの貴重本扱いだった事(しかも書庫保管)に驚いた思い出がある。
そして、海外ミステリを楽しむには(未翻訳作品にモヤモヤ感があり)自力で原書を読める事が必須と痛感し、今更海外ミステリの為に語学を勉強する気力もなく海外ミステリへの興味が更に薄らいだ&国産ミステリ重視に拍車が掛かった分岐点でもあった。
※追記:上記への批判に対する返答
他者のミステリーを楽しむ姿勢を批判するなど当サイトのマナー違反に該当するし、わざわざ書き込む大人げなさに呆れる。
翻訳とせず海外と敢えて書き区別したし、海外作品の海外での評価を論じるなら未翻訳作品は原書をあたる程度の努力はすべきだろうと主張しておこう。
私はそんな興味も努力する気もないので今まで通りの楽しみ方を貫く所存。追記終了※
最近は、AXNミステリーで未翻訳作品等のドラマ化なども視聴しているので、当時作成した自前の資料は結構重宝している。
なんやかやで‘凄い仕事’ではあるが私には‘無用に近い仕事’なので6点。
※国内ミステリードラマに詳しい人と共著で「世界ミステリー映画・ドラマ事典」を作成してくれないだろうか!

No.1082 4点 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女- スティーグ・ラーソン 2010/11/13 18:01
AXNミステリーで映画未公開映像も加えた完全版ドラマ(4話分割)が目玉作品として放送されたのを録画一括視聴したついでにおさらいした。
謎はそこそこ魅力的ながらミステリーとしてはお粗末な解決編、無理くりな聖書絡みの暗号に馴染めない、社会派方向に長く無駄に引っ張るの三重苦でドラマ視聴は早送り、原作は飛ばし読みになった(要注意:映画・ドラマを未見での原作飛ばし読みならスルーすべき)
見所&読み所が陵辱場面と女主人公リスベットの貧乳&子供体型(ドラマの登場シーンではニューハーフだと思った)しかない。
こんな作品が世界的ベストセラーになりハリウッドではファンタジーとしてリメイクされるらしいのだから開いた口が塞がらない(世評の高さを考えるとミステリーと思わず読めば楽しめるのかも?)
それでも、貧乳フェチなのでリスベット役の女優に萌で1点加点。
※追記
おさらいでしか接する可能性がない作品だが、来春には続編の映画のドラマ完全版放送が決定したので観ておさらいしてしまうだろう。

No.1081 6点 名探偵はきみだ 証拠をつかめ- ハイ・コンラッド 2010/11/13 17:32
問題編・データ編・分析(ヒント)編・解答編からなるショートミステリクイズ集。
作者は海外ドラマ「名探偵モンク」の脚本も手掛けた事があり「名探偵モンク」のミステリ部分を凝縮したレベルの推理クイズが沢山楽しめる。
名作から転用してネタバレまでする藤原宰太郎の推理クイズと違いオリジナルで捻りもあり素晴らしい推理クイズ集になっている。
一問一問が短いので休憩や移動時間でも楽しめる。
息子との親子推理対決(嫁が審判として採点)も楽しめたので一家団欒ツールとしてもお薦め!
シリーズの後続2冊も親子推理対決を楽しむぞ!
因みに古本屋の50円文庫棚で購入したので解答編を切り離し嫁に保管させ公正な推理対決にした。
息子に辛くも勝利し面目は保ったが正解数に応じての小遣いを約束したので結構ふんだくられた。

No.1080 5点 ロワイヤル通りの悪魔憑き- ジャン=フランソワ・パロ 2010/11/02 17:07
この作品まででドラマ版放送終了だと思っていたら、未翻訳作品のドラマ版放送まである事に驚いた。
毎度ドラマ視聴後のおさらいになるが、時代設定で考えられる科学捜査が犯人に直結する呆気ないミステリーだった。
ミステリとしてよりグルメや時代活劇として楽しむ方向とキャラにも馴染んできたのか思いの外楽しめた。
特にグルメ部分は原作の方が濃厚で楽しめるかも?(食せないので微妙な気分ではある)

No.1079 5点 ブラン・マントー通りの謎- ジャン=フランソワ・パロ 2010/11/02 16:53
毎度のごとくドラマ視聴のおさらいだが、録画本数に視聴本数が追いつかず溜まる一方なので放送時期と書評アップに大幅なズレが生じる現状にある。
ミステリーとしてはドラマ制作時に二作目に変更された事が納得のデキで、タイトルの謎の解決が〈秘密の通路〉な事から察してほしい(※ネタバレしてるが作品の本質がミステリではないと思うので問題ないだろう)
それでも、グルメ小説や時代諜報活劇としてはソコソコ面白いのでボロクソに貶す様な作品ではない。
ドラマ視聴より先に原作を発表順に読む方が、ミステリとして期待しないだけ被害は少なく楽しめるかもしれない。

No.1078 5点 復讐の女神- アガサ・クリスティー 2010/10/23 19:09
ミス・マープル一括吹替版放送時に観ていたが、今週の字幕版放送を観たついでにおさらいした。
登場人物の関係から「カリブ海の秘密」の続編らしいがドラマ放送順(制作順)が逆転しているので、ドラマでの処理は再来週放送の「カリブ海の秘密」字幕版で確認する予定。
さて、本作は過去の事件を探偵するのだが、マープルに謎が提示されるのが遅く謎解きに至るまでのテンポが非常にノロくドラマ版ですら睡魔に襲われる程だった。
謎解き自体も平凡で、クリスティーにしては数少ない凡作(4点)として逆の意味で必読かもしれない。
タイトルがマープルを示す通りに謎を暴き「名探偵は斯くあるべき」を実践する事を賞賛して+1点。

No.1077 5点 秘密機関- アガサ・クリスティー 2010/10/23 12:04
ドラマ視聴→原作おさらいに終始している今日この頃だが、今週からAXNミステリーで「おしどり探偵」シリーズのドラマ版が放送されている。
今週はトミー&タペンスの若かりし頃の再会を描いた長編でありシリーズのスタート作品でもある本作が放送されている(来週から本来の「おしどり探偵」である結婚後を描いた短編のドラマ化シリーズになる)
さっそく図書館に出向きおさらいした。
基本的にクリスティーのスパイ擬き冒険活劇な作品は好みからズレているので低めの評価だが、面白く読めるのは間違いない。
※ドラマ版の違和感についての余談
原作に関係なく、作者に罪は無い(ドラマ制作陣には問題ありかも?)のだが、ノン・シリーズで同様な青春冒険活劇「なぜエヴァンスに〜」で探偵役のカップルを演じた俳優&女優がそのまま「おしどり探偵」シリーズにスライドしていて何故トミー&タペンスじゃないの?との違和感が拭えない。
もっとも、そんな事を気にしたら浅見光彦や十津川警部シリーズなんか観ていられないのだが。
※余談をもう一つ
英国ミステリーで使われる貨幣単位(ポンドくらいは価値が認識できる)シリングやギニーに馴染めず、ミステリ本筋への没頭を妨げられる。

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江守森江さん
ひとこと

※「読書(ミステリ)は趣味で娯楽」「相容れない主張(嗜好)は、どこまでも平行線」を標榜している。
※多くの作品に接する努力として、映像化作品で済ます等々、ファジーな方法を常に模索している(本質的...
好きな作家
高木彬光、天藤真、平石貴樹、古野まほろ (ミステリーに限定しなければ一番は梶山季之...
採点傾向
平均点: 5.00点   採点数: 1256件
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