皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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toukoさん |
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平均点: 6.16点 | 書評数: 241件 |
No.15 | 5点 | 幽女の如き怨むもの- 三津田信三 | 2012/08/03 20:25 |
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地方の遊郭で戦前・戦中・戦後に起こった不可解な花魁の連続身投げ事件を巡るホラーミステリ。
吉原を舞台にした小説・ドラマ・映画等は数あれど、地方の遊郭が舞台というのは珍しく、ミステリということを意識しないでも、興味深く読めました。 ただ、資料をたいしてアレンジもせず、だらだら並べているだけなんじゃないかって部分も多く、ページ数稼ぎしている感もなきしにもあらず。。 さくさく読めるのはいいんですが、長さのわりには、ホラーもドラマも謎も薄味。 ホラーじみた内容を合理的に解決するいつもの刀城言耶シリーズとは違い、今作はお好みでホラーとしてもミステリとしても楽しめるように、両解釈がラストになされているのですが、致命的な欠点が……。 (以下もしかしたらネタバレになるかもしれません……注) いくらなんでも、このトリックを、よりによって、この題材に使うのはありえないでしょ~。 だって、世の中でもっとも他人の容姿、しかも化粧や髪型や服装での変化にうるさく、立ち居振る舞いにも敏感であろう者同士が同居してるんですよ。 意識したものではなく、些細な生来の癖や仕草ですら、商売に影響するんだし、いくら地方とはいえ女同士の世界、売れっ子であればなおさら、重箱の隅をつつくようにチェックされてますって。。 しかも、ミスリードのためとか、ホラー的な謎を残すためとか、トリックのためならリアリティなどあえて無視するという覚悟があるからでもなんでもなく、何も考えずに適当に書いたんだろうなあ……と思われるところが痛くて。 全体的に大雑把で軽いのは、まだそういうものとして読めたのですが、これだけはどうも。 遊郭を取り上げる意味がないので、男子寮ものでも書いててください(笑)。 あと、同じ悲惨な境遇の女性のうち加害者は同情ゆえか見逃し、被害者の方はスルーしたあげく、妙に人権派ぶって終わるのも、確かに印象悪いですよねえ……。 |
No.14 | 5点 | 作者不詳 ミステリ作家の読む本- 三津田信三 | 2011/04/07 23:17 |
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ようはミステリの短編集なんですが、古本屋で入手したいわくつきの同人誌に掲載されていた短編小説を読んで、次々と謎を解かないと、命に関わるかもしれない怪異が起こるというホラー設定のため、緊迫感があります。
短編もホラーテイストですが、どれもロジカルな解決がつきます。ただ短編の出来は、かなりばらつきが大きいです。 評判の悪かったメタな結末は文庫版では書き直されているようです。 |
No.13 | 6点 | 水魑の如き沈むもの- 三津田信三 | 2011/04/01 22:21 |
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ホラー分少なめ(特に文体)。
おどろおどろしくしすぎると売れないかららしいけど、切羽詰った状況でも軽くて暢気な人々の描写にイライラ。その中間くらいには出来ないのかしらん……。 |
No.12 | 4点 | 赫眼- 三津田信三 | 2010/02/17 00:33 |
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ホラーと思わせておいてミステリ的決着がつく作品も多い作家ですが(その逆のもありますが)、これは純然たるホラーの短編集でした。ミステリを期待して読まないように注意。
ホラーとしてはそこそこ怖いんですが、すでに使ったことのあるネタの使い回しが多いのがちょっと気になる……。 |
No.11 | 5点 | スラッシャー廃園の殺人- 三津田信三 | 2010/02/14 15:36 |
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序盤のホラー談義や舞台の意匠が趣味に走りすぎで、バランス悪いです。
ホラーの舞台裏や楽屋話は煙幕で、ミステリで決着はつくんですがそっちは平凡なのに、全体にマニアックすぎるというバランスの悪さを感じました。 (ちなみに、私はこの作家が編集者時代に出していたワールド・ミステリー・ツアーも、彼が参加していた幻想文学系の同人も知っているんですが、それでもこれは楽しめなかったなあ)。 |
No.10 | 6点 | 四隅の魔- 三津田信三 | 2009/10/01 20:31 |
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このシリーズは、オカルト好きのティーンズ向けのライトノベルだと思います。
そういう観点から評価すれば、よく出来ている方なんじゃないかと思うんですが、今時のラノベにしてはちょっと地味? |
No.9 | 5点 | 百蛇堂―怪談作家の語る話- 三津田信三 | 2009/07/28 23:09 |
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前作の蛇棺葬の謎が解けるとのことでしたので、今度はミステリのつもりで読んでしまい、失敗。
最初からミステリ要素も多少あるホラーだと思って読んでいれば、もっと楽しめたと思うんですが、拍子抜けしてしまいました。 あと序盤の舞台裏話というか楽屋落ちネタは、一般読者が読んで面白いものなのでしょうか? 無意味な枚数稼ぎにしか思えませんでした。 |
No.8 | 6点 | 蛇棺葬- 三津田信三 | 2009/07/28 23:04 |
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純然たるホラーだと思って読んでいたので、それなりに楽しめました。 |
No.7 | 7点 | 密室の如き籠るもの- 三津田信三 | 2009/07/09 23:24 |
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短編集だからあまり期待してなかったんですが、どれもそれなりに怖く、ホラーミステリ好きな私は楽しめました。
表題作は真相がわかると印象が変わってしまう話ですね。 |
No.6 | 5点 | 十三の呪- 三津田信三 | 2009/06/19 22:28 |
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超常現象は当たり前の世界です。
超常現象そのものにロジックを追求していて、それがうまくはまると、恐怖がいや増すものなのに(個人的に)、この作品は全然怖くないのが難点かなあ。 あ、つまらなくはないんですが。。。 |
No.5 | 6点 | ホラー作家の棲む家- 三津田信三 | 2009/03/01 20:12 |
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内容より、学生時代の知人たちが実名で出てくることや、以前住んでいたことのある場所が舞台であることにビックリしました。
作者とはまったく面識ありませんが、色々ニアミスしていたようです……汗。 作中のホラー談義、ミステリ談義ともユニークなので、ホラーもミステリも好きという方にはお勧め? |
No.4 | 8点 | 山魔の如き嗤うもの- 三津田信三 | 2009/02/22 13:28 |
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厭魅や首無に比べると軽いタッチでホラー分は控えめなので、怖がりの人も大丈夫そう。
金田一っぽいレトロな設定が、なんともなつかしかったです。 冒頭の超自然的な手記を合理的に解釈するところなぞは、島田の眩暈を思い出したりと、本格探偵小説のいいとこ取りって感じ。 謎解き自体は、設定の複雑さにも関わらず、非常にすっきりしていたんですが、今回のどんでん返しはちょっとくどすぎたかな。 |
No.3 | 10点 | 首無の如き祟るもの- 三津田信三 | 2009/01/12 14:46 |
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ホラー+ミステリーがうまく融合しています。
超常現象的と思われた謎の数々があるトリックひとつで、ドミノ倒しのように合理的な解明に導かれるところや、謎解き部分のどんでん返しの連続が快感でした。 設定等はいつものようにドロドロのホラー風味で、人間関係や愛憎も複雑なわりに、メイントリックはありがちなものかもしれませんが、そのトリックを使う必然性や動機に説得力があり、この作家の他作品に比べると、強引さを感じず、無理なくスムーズに納得できました。 ロジック以上にレトリックのバランスが素晴らしかったのが勝因かと。 |
No.2 | 8点 | 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 | 2009/01/10 15:43 |
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坂東眞砂子を思い起こさせる因習と怨念に満ちたとにかくおどろおどろしい民俗ホラーと本格ミステリがうまく融合していて、楽しめました。
それぞれの手記の併記という手法もよかったと思います。 |
No.1 | 6点 | 凶鳥の如き忌むもの - 三津田信三 | 2008/12/19 00:42 |
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おどろおどろしい内容のわりに、文体や人物描写がラノベ調というのか、妙に軽いので、なんだかしっくりきませんでした。
ひとりならその人物特有の癖と思えたのに、登場人物全員、驚くとどもるところとか、漫画っぽいというのか、オタク臭くて(笑)気になって気になって! トリックや動機は強引だけど面白かった。 |