皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
toukoさん |
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平均点: 6.16点 | 書評数: 241件 |
No.21 | 7点 | ユージニア- 恩田陸 | 2008/10/28 02:42 |
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人間は主観によってしか物事を見ることが出来ない。
よって人の数だけ「真実」(リアル)はある。 ……というような文学のお約束というか王道をいっている作品ではあるし、読んでて面白くもあったんですが、ミステリとしては半端で、読後感はスカッとはいきません。 文学たってこの程度の話だし……。 まずミステリーらしい結末を書いておいて、最後にプラスして別の可能性もある……というパターンで書けばいいのに……それならミステリ好きにももっとウケただろうし、売り上げももっとよかったんじゃないかな、などとつい思ってしまいました。 |
No.20 | 6点 | アトポス- 島田荘司 | 2008/09/17 21:19 |
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長いわりに一発ギャグ(なんて言ったら語弊があるだろうけど;)なんじゃないですか、この作品。
いえ、ビックリしましたけどね。 相変わらず田村正和のセルフパロディに匹敵するレベルの御手洗先生の二枚目描写にもつい笑ってしまいました……砂漠の白馬の王子様かい!? と思わずツッコミを入れたくなる……笑。 |
No.19 | 5点 | GOTH リストカット事件- 乙一 | 2008/09/17 18:33 |
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ブラックなライトノベル。
ゴスロリとか好きな中学生には人気ありそうと思いました。 |
No.18 | 6点 | 殺人鬼- 綾辻行人 | 2008/09/17 18:27 |
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スプラッタではありますが、グロくなく、盛り上がりにも欠けるので、スラスラ読めてしまいます。
トリックは強引すぎ(笑)。 でもあまりにスラスラ読めてしまい、ひっかかるところがないので、あった方がよかったと思います。 |
No.17 | 7点 | ZOO- 乙一 | 2008/09/17 13:17 |
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作品によって出来にばらつきがありますが、「カザリとヨーコ」 「冷たい森の白い家」「SEVEN ROOMS」あたりが好きです。
SEVEN ROOMSは単品なら10点。 |
No.16 | 7点 | 螢- 麻耶雄嵩 | 2008/09/17 12:51 |
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ただでさえ悪文に定評のある(?)作家なのに、誰の視点かわからない文章の読みにくさにイライラしていたのですが、案の定トリックが。
でもこう来るかー、という仕掛けがさらに施されているので、驚けるのがお得感あります。 共謀者の動機が解明されないままなどの掻痒感は残るものの、嵐に閉ざされた洋館、猟奇殺人、意外な人物の血縁関係、隠し通路、鍾乳洞etc……とコテコテの設定&トリックてんこ盛りで、脂ギトギトだけど正統派のラーメンに、色々なトッピングも工夫も凝らしましたって感じ。ご馳走様でした。 |
No.15 | 5点 | 怪人対名探偵- 芦辺拓 | 2008/09/17 12:38 |
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乱歩オマージュということで、期待したのですが、あらゆる要素をぶちこんでいるため散漫で、そのわりにこじんまりとしている印象。
この題材ならもっと思い切ってはめをはずしてもよかったんじゃないかな。 |
No.14 | 6点 | メドゥサ、鏡をごらん- 井上夢人 | 2008/09/17 12:24 |
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ミステリではなく完全ホラーです。
ホラーとしては面白かったんですが、作中にもあるように、祟りの対象の選択具合がふに落ちないので、そのへんがホラーといえども理を通してくれたら、スッキリしたし、怖さも増したかも。 |
No.13 | 8点 | 女彫刻家- ミネット・ウォルターズ | 2008/09/17 12:21 |
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アメリカの権威あるミステリ賞MWAの最優秀長編賞や、95年の「このミステリーがすごい!」海外編の1位作品であり、映画化もされたイギリスの女流によるサイコミステリーだそうです。
母と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べるというショッキングな殺人を犯したことにより「彫刻家」と呼ばれる猟奇殺人犯の巨漢(180センチ、160キロ以上)の女性は、果たして本当の犯人なのか、トラウマ持ちの女性フリーライターが取材する……という内容。 不気味さ、人物造形のユニークさ、ロマンス、脇のエピソードなどのバランスが絶妙で、物語にひきこむ力があります。 本筋以外の脱線具合も、スキャンダラスなので、なんというかワイドショー的な興味をひいて、面白い。 エンディングも余韻があってよかったと思います。 |
No.12 | 9点 | 黒い家- 貴志祐介 | 2008/09/10 23:31 |
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よく類似を指摘される和歌山カレー砒素事件よりなんと前に書かれたサイコサスペンスの傑作。
真犯人が誰かわかる経緯がゾクゾクします。 終盤はややドタバタですが、文句なく面白かったです。 |
No.11 | 10点 | 星を継ぐもの- ジェイムズ・P・ホーガン | 2008/09/10 20:57 |
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ハードSFとしてもミステリとしても楽しめました。
内容が内容なだけに、文章が平易かつ論理的で、とてもわかりやすいのが、文系の私にはありがたかったです(ハードSFは内容だけでもわかりにくいのに、文章が翻訳調で読みづらかったら、本当に何がなんだかわからなくなるので……)。 序盤の展開でおっと思わせて物語にひきこみ、謎が謎を呼ぶ展開でワクワクドキドキのエンターティメント、飽きさせない手腕もお見事。あっという間に読めてしまいます。 発表当時は、これを読んで、理系志望者、科学者を志す学生が続出したそうですが、ミステリ的なパズル解明の楽しさと同時に科学を楽しむ心も育んでくれそうですので、高校生くらいで読むのがベストかと思います。 古きよき科学万能信仰時代の明るく希望に満ちたSFですが、その分、とても読みやすく読後感もいいので、ハードSFに慣れてない方にもお勧め。 その後、シリーズ全部読みました。それぞれ面白かったものの、ミステリと言えるのはこれだけでした。 |
No.10 | 2点 | 原罪の庭- 篠田真由美 | 2008/09/10 20:38 |
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少女漫画チックな美形が書割のようなお芝居をしているという印象。トリックにまつわる強引なお涙ちょうだい劇にも辟易しました。
これしか読んでないんですが、読み手を選ぶ作品・作家という印象。 耽美じゃなくて、「お耽美」って感じ。。 |
No.9 | 10点 | 虚無への供物- 中井英夫 | 2008/09/10 19:06 |
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もう15年近く前、ミドルティーンの頃に読んだけれど、まだ初読の際のドキドキ感や面白かった場面を覚えています。麻雀しながらの推理合戦とか本当に面白かったなあ……。
推理小説って読んでいる間は面白くても、オチで感心したら、すぐに忘れてしまう私にも、普通の物語としても印象に残っているんです。 中井氏の他作品を読むと(ほぼ著書は読んでいます)、経歴上、この結末にせざるを得ない、切羽詰った心情はわかるのですが、ミステリマニアには不満かもしれません。 そのためアンチミステリと言われてますが、見世物小屋的なエンターティメントとしても一級品で、読みやすいし、とにかく楽しめますので、古い作品だからと敬遠しないで、まだ読んでいない方はぜひ。 |
No.8 | 8点 | OUT- 桐野夏生 | 2008/09/10 19:01 |
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中盤までは本当に面白いんですが、ラストは安易で惜しいです。 |
No.7 | 10点 | 火車- 宮部みゆき | 2008/09/10 18:50 |
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宮部最高傑作だと思います。
軽妙なタッチを身上とするこの作家にしては、情念を感じる、巧拙を超えたいい小説。 |
No.6 | 10点 | マークスの山- 高村薫 | 2008/09/10 18:45 |
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ミステリー要素はあまりないですが、犯人像が面白く、警察内部の足の引っ張り合いや主人公の職業刑事としての意地など、面白く読めました。
この作家特有のセンチメンタリズムがいい方向に作用し、独善に陥らないだけの品格や1歩手前で踏みとどまる客観性もあり、情熱と哀惜が伝わってくるとてもいい作品です。 |
No.5 | 1点 | レディ・ジョーカー- 高村薫 | 2008/09/10 18:35 |
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在日、障害者の親、部落出身者、老人が大企業を脅迫するという話。
弱者が強者を翻弄するトム&ジェリー路線?だとすれば、スカッとする部分もなく、かといって、リアルというには、すべてがステレオタイプ、しかも朝日新聞の社説か社民党の演説並みに偏向しすぎで、リアリティには著しく欠けています。 ミステリー要素もなければ、いい年した社会人が年甲斐もなく、ダラダラと青臭く見苦しいだけの幼稚極まりない内省を続けるはで、作者は前作までの成功により、何か勘違いしちゃったんですかね……元々そういう人だと言えばそれまでだけど、自分に酔っているとしか思えないです。 この作家の資質がすべて裏目に出た作品で、信者以外にはお勧めできません。 |
No.4 | 1点 | 陰摩羅鬼の瑕- 京極夏彦 | 2008/09/10 18:21 |
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犯人は最初に指定しているは、動機は繰り返し語られるは、内面描写や物語は陳腐だは、一体何がしたかったのか……出版社との約束で無理にネタ切れなのにダラダラ枚数書かなきゃならなかったんでしょうかねえ?
これを読まされる読者も不幸なら、作者もかわいそうになるという悲しい作品。 |
No.3 | 5点 | コズミック- 清涼院流水 | 2008/09/10 18:14 |
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出版時は相当話題になった現役大学生の確信犯によるバカ(メタ)ミステリ。
文章はひどすぎですが、読んでて笑えたし、楽しめました。 |
No.2 | 10点 | 天使の囀り- 貴志祐介 | 2008/09/10 18:04 |
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かっ飛んだホラーなのに、小道具が実在の生物、習性を使っているところがミソですね。
バイオミステリーとしても、トマス・クックなんかより100倍出来がよく、マイケル・クライトンにも負けないレベルの良質のエンターティメント! |