皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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makomakoさん |
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| 平均点: 6.17点 | 書評数: 898件 |
| No.718 | 6点 | 閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室- 木元哉多 | 2020/10/11 13:05 |
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| このシリーズ初めて読みました。どれが第1作かわからなかったので、適当に買ったらシリーズ2番目でした。
どこから読んでもよいとのことです。実際一話完結の話のようなので一作目を読んでいなくても問題ありませんでした。 なかなか奇抜な設定。 でもとても読みやすく、漫画チックでもあるが、結構本格でもある。 作者はかなり才能がありそうな感じがしました。 私も作者のがちがち本格も読んでみたい。 |
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| No.717 | 7点 | ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ扉子と空白の時- 三上延 | 2020/09/20 07:57 |
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| ビブリア古書堂の事件手帖シリーズも扉子が生まれて新しいシリーズとなったとされていますが、このお話には扉子はほとんど関係ないただのスパイス程度の扱いです。
珍しく3つの中編が一つのお話となっており、内容は栞子と結婚した夫が中心で、以前のシリーズと変わりがありません。単に主人公が年を重ねた時のお話です。 今回は私もよく知っている横溝正史にちなんだお話なので、より親密な感じがしました。 話としてよくできており、面白かった。 ビブリア古書堂の事件手帖シリーズが今でも人気があるので、もう一度書いてみましたというより、書き残したテーマがあったのでしっかり書きましたといった感じです。 |
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| No.716 | 5点 | 准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと- 澤村御影 | 2020/09/12 07:43 |
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| 第2弾と一緒に買ったのでそのまま読み続けました。
お話としては2つの中編とおまけとして主人公の子供の頃のお話があります。 表紙が漫画チックなのに加えて、本な内にも登場人物のイラストがあり、これがさらに本シリーズの少女趣味とお遊びをあおっているように感じます。小説として発表するよりアニメにした方がよさそうになってきました。 おじさんの趣味では、主人公の設定が良いので、もうちょっとシリアスにしたほうが面白そうなのですが。 まあこのお話もこれぐらいでお付き合いは終了としようか。 |
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| No.715 | 6点 | 准教授・高槻彰良の推察2 魁夷は狭間に宿る- 澤村御影 | 2020/09/12 07:31 |
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| 「学校には何かいる」、「スタジオの幽霊」、「奇跡の子供」の3編が収録されています。
かなり題名から見りうよりかなりおふざけ要素が強いが、多少の推理の要素もあります。 少しずつ主人公の謎が解明はされていきます。シリーズ化第2弾としてはこんなもんでしょうか。 軽くて暇つぶし程度なら読んで悪くないが、心に残るといったものではないようです。 |
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| No.714 | 6点 | 准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき- 澤村御影 | 2020/09/05 07:32 |
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| 表題からすると本格推理モノのように見えますが、本の装丁はいかにも怪しげです。民俗学者の推察となっており、確かに民俗学的要素はありますが、推理の内容は助手として働く大学生のウソを見抜く能力といったオカルト的なものにかなり寄りかかっており、本格推理とは言えない内容ではあります。
でもまあ推理が主体の小説ではありますので、それなりの謎が出てきます。 さらに私でも探偵より先に大体の謎がわかるといった快感?も味わえました。要するに多少本格物を読んだことがある人には簡単に謎がわかってしまうといった内容なのです。本格推理小説でほとんど犯人がわかったことがないわたしでもわかるのです。すごいでしょ。 内容は読みやすく嫌味な感じもないため軽い暇つぶし型の読書には最適です。 結構売れているのか続編が何作か出ています。 続編も読んでみようかな。 |
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| No.713 | 5点 | 雪の香り- 塩田武士 | 2020/08/25 21:49 |
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| 純愛ミステリーの傑作と後ろ表紙に銘打ってあります。
まあ相手の女性には何か謎があり主人公はその女性が好きでたまらないのですから、そのように表現してもよいのでしょうが、ミステリーとしてはちょっと弱い。 謎の解決も最後にどっとわかるようになってはいるのですが、本格推理のように読者が読んでいって推理するといったものではありません。 読んで不快なことはないのです。ただ主人公の女性が個人的に全然好みでなく、よくこんな奴と付き合えるなあといった性格なので。 これが素敵な女性だったら大分感じも違うのですが、こんなトンデモ女では。私にとってこれがかなりのマイナスでした。 こんなちゃらんぽらんな女性に魅力を感じる方だったらかなり評価は上がるかもしれません。 |
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| No.712 | 6点 | 光秀の定理- 垣根涼介 | 2020/08/23 13:04 |
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| ちょうどNHKの大河ドラマで麒麟が来るをやっている(今はコロナで休憩中です)が、この作品は光秀の生涯を描いたものではありません。
信長につかえ始めるまでと、なぜ光秀が本能寺の変を起こしたかについての考察のような内容となっています。それ以外のところはすっぽりと抜けている。だから光秀の生涯を知りたいといった方には肩透かしを食うこと請け合いです。 確かに新しい考え方ではありますが、歴史小説としてはちょっと弱く、推理としてはそれほどでもないかな。 悪くはありません。歴史小説が好きなら読んでダメということはないと思います。 |
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| No.711 | 7点 | 秘仏探偵の鑑定紀行- 深津十一 | 2020/08/14 21:20 |
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| 仏像に触ると作成時の様子がわかるという特殊能力を持っている新米仏師の織田君と、ちょっと変わった歴史学者の八代准教授の二人で仏像の謎に挑むという推理小説とSFを混ぜ合わしたような設定です。
仏像の謎に関して仏教的推察がちりばめられており私の好みのお話でした。 SF的な解決ではなく、むしろ作成過程がわかるからこそ謎ができるといった設定はなかなか面白い。 作者のほかの作品も読んでみよう。 |
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| No.710 | 7点 | 忘れられた花園- ケイト・モートン | 2020/08/10 14:58 |
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| 3つの時代とお話が交錯する。次々と時代が変わるので記憶力の怪しい私には苦手の部類の入る展開でした。
名前の一覧があったらよかったのに。一部の登場人物の名前が単純すぎて(ネル、リル、ヒューなど)区別をつけて覚えにくかった。まあトルストイの戦争と平和ほど複雑多彩なのも困るのですが。 はじめのうちはちょっと退屈、でも読んでいくと次第にお話に引き込まれます。上下に分かれているけど上巻だけでやめないように頑張ろう。 純粋な推理小説ではないので、お話の途中で謎のかなりの部分がわかってしまい(いやな読者になったものです)、訳者があとがきに述べているような矛盾も多少気になりましたが、良しとしましょう。 作者のほかの作品も読んでみたい気にさせられました。 |
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| No.709 | 6点 | 薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理- 塔山郁 | 2020/07/24 14:48 |
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| 薬剤師が探偵となる小説は時々見かけますが、この作品も一応その中に入るものでしょう。
愛想はないがまじめで一途な毒島薬剤師とホテルマン水尾君のちょっとほんわかとしたところがスパイスとなっているが、推理小説としてはかなり弱い。 まあ半分ほんわか、ちょっと推理といった頃でしょうか。 すぐ読めて悪くはありませんが、とても素晴らしいというほどではないようです。 |
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| No.708 | 5点 | オリジン- ダン・ブラウン | 2020/07/24 07:39 |
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| 我々はどこから来てどこへ行くのか。こんな深刻なテーマが解決されたというすごいお話。
これを聞いたユダヤ教やイスラム教の指導者が死んでしまう。なぜかキリスト教の指導者は無事。 おいおい大丈夫ですかね?こんな壮大なテーマで。と心配しつつ読みました。解決されたとする内容はなかなか出てこない。最後になって公表されるが、これが何ともしょぼい(ネタバレとなるので詳しくは書きませんが)。この程度の説ならすでにいくらでもあるでしょ。はやった映画にもなっているよね。 こんな話を聞いて宗教指導者が愕然とするかなあ。仏教指導者なら全然動じずそれもありとするかもしれませんが、なんせキリスト教の国のお話ですからそんなことはおくびにも出てきません。 最後に機械文明がとんでもない事にもなるといったところはなかなか面白かったですが、全体としてメインテーマの解決が大したことがないためパッとしませんでした。 |
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| No.707 | 4点 | ウサギの天使が呼んでいる- 青柳碧人 | 2020/07/11 17:08 |
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| こういった作風を好みの人には良いのかもしれませんが、私にはあまりあいませんでした。
変人の名探偵は昔からいっぱいあるのですが、登場する人物は駒であり、心が全くない。殺人事件が起きても誰も何ともない。 短編集なのでまあ何とか読めるが、これが長編となったらきっとうんざりしてしまうでしょう。 |
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| No.706 | 7点 | 退職刑事1- 都筑道夫 | 2020/07/04 07:04 |
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| 日本の安楽椅子探偵のはしりとなった作品ということですが、私は初めて読みました。
発表年代を見ると私が学生時代の頃。内容は結構古臭いなあ。私の若い頃ってこんなにタバコ吸ったり、戦前の話が話題になったりしたのかなあとも思ったのですが、よく考えると中学時代にバスの中でおじさんたちが「中尉殿」なんて呼びながら話していたのですから、こんなものかもしれません。 お話の内容はかなり理論的で骨組みがしっかり考えられている。作者が余計なものは削り落としたというが、結構色っぽいところはあってそれはそれでよろしい。 何冊も出ているようだからもう少し読んでみましょう。 |
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| No.705 | 5点 | メゾン・ド・ポリス 退職刑事と迷宮入り事件- 加藤実秋 | 2020/06/28 07:29 |
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| このシリーズもそろそろマンネリ化してきたようです。
新しい未解決事件が提示され、それと伴って新しい事件が発生する。新しいほうは解決したが、未解決事件はもよもやのまま。たぶん次の作品へ持ち込むつもりなのでしょう。 こういったシリーズものは登場人物のキャラクターで読ませるところが大きいのですが、さすがにキャラクターだけで続けていくことには限界があるようです。当然作者もそれを考えていると思いますが、今回は次へ繰り延べ感が強くあまり感心しなかった。 |
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| No.704 | 6点 | ミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/30 18:24 |
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| このシリーズは読み過ごしていたため、初めの作品が手に入らず、はからずも発表された逆の順番で読むこととなりました。
うーん、初めはこんな感じなんだ。 どの作品もそれなりに工夫されていた。かなり良いなあと思っていたが最後の方に来て景子の態度があまりに悪く(普通の人にこんな態度でいたら誰でも気分が悪いでしょう)さらに最後の作品は後に出るアラカルトの最後の作品と類似ですよねえ。 こちらが先に発表されたのだからこちらから読めば問題ないが、たまたま逆に読んだためちょっと興ざめしてしまった。発表順に読めば問題なかったのですがね。でもアラカルトで興ざめとなるか。 |
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| No.703 | 2点 | 困った死体は瞑らない- 浅暮三文 | 2020/05/27 17:41 |
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| 異色の短編集です。
はじめのお話が豆腐で頭蓋骨を割られたお話、つぎがプールの中で焼死したお話。 当然ばかばかしいお話なのです。 これだけでお付き合いするのは大変そうだが、異色の作品と思って読んでみました。 登場人物が実にいやらしい。これだけでも読む気が失せてしまいます。 解説にも波長が合う人は楽しめると書いてあったが、私は全然波長が合わず楽しくも何ともなかった。 |
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| No.702 | 6点 | ミステリなふたり a la carte- 太田忠司 | 2020/05/27 17:32 |
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| シリーズものとして読めば楽しめます。
今回は短編のお話がお食事とセットになった形になっています。 相変わらず読みやすく内容が殺人事件の割に軽い雰囲気ですが、作者の小説はどれもですが、嫌味な感じは全くありません。これが読者によっては漫画チックでちょっと物足りないかもしれません。 一つずつが短いのでちょっとした時間でも読むことができます。それなりに面白いが、とても素晴らしいというほどではないかな。 |
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| No.701 | 6点 | もっとミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/25 19:18 |
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| このシリーズはかなり短いお話ばかりですが、内容はそれなりに充実していると思います。
さらにその中に京堂夫妻のエピソードが加わって結構楽しめるのです。 お話の内容がそれなりに猟奇的だったり重かったりしているのに、さらっと解決してしまう。読みやすいといえば読みやすいが、ちょっと物足りないような気もします。 奇抜に見えるお話でも、解決があまりにスムーズなため、お話としてはあれれ、といった感じもしてしまいます。 一話ずつが短く嫌味な話ではないので、ちょっとした生き抜きとして読むならなかなかです。 |
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| No.700 | 6点 | 影の斜塔- 麻見和史 | 2020/05/24 08:26 |
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| 警視庁に文書捜査官なるものが果たしてあるのかいささか疑問ではありますが、本作品はその部署のシリーズもののようでした(シリーズはじめを読まず途中から読んだこととなりました)。
絶対無理そうな捜査を申し付けられ、そこから直観のみ(のような)操作方法で、不思議と肝となるところを見つけ出してしまう。 本当にこんな部署がありこんなミッションがまかり通っていたらむちゃくちゃのような気もしますが、お話を読んでいる分にはことに矛盾した感じは受けませんでした。 それにしても警察内部ってこんな悪いやつばかりが出世しているのかなあ。 まあお話として読むなら警察小説としては読みやすく悪くはないです。 このシリーズは何冊か発行されているようです。ものすごく読みたいわけではないが、もうひとつふたつは読んでみようかなといった気にはなりました。 |
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| No.699 | 6点 | やっぱりミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/21 18:02 |
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| ミステリなふたりの3作目。
太田氏の作品はかなり読んでいるつもりですが、このシリーズは初めて読みました。 本格物の短編集です。不可解な殺人が出てきて愛知県捜査一課の氷のように鋭い女性警部補が担当するが、もう一つ解決できず、夫の優しい新太郎に相談する。 夫はたちまちに事件を解決してしまうというワンパターンの短編ばかりですが、その中にちょっとしたスパイスが混ぜてありそれがなかなか面白い。 事件そのものは結構猟奇的なものも含まれてはいますが、スラスラと読めてしまいます。 作者の最近の長編はSF様のパロディーがかったものが多くちょっと寂しい。 こんな長編がたくさん書けるのですから、もうちょっと温めて本格長編をお願いしたい。 |
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