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こうさん
平均点: 6.29点 書評数: 649件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.60 5点 分身- 東野圭吾 2012/06/23 00:47
(ネタバレあります) 
 90年代後半に羊の〇〇〇〇のニュースを見て絵空事かと思ったことに現実感が出てきたことが思い出されます。読んだのがその直後だったので予想通りで驚きは少なかったですが流行の話題を先取りした作品として作者の先見の明には驚かされました。この作品も読みやすいですが現代では賞味期限切れで驚きの少ない題材になったかと思います。

No.59 6点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2012/01/24 00:47
 口が悪いけれど優秀な刑事がホテルに潜入しプロの女フロントとぶつかりながら交流してゆく、ありがちな人物配置だとは思うんですがそれでも面白かったです。新田と栗原のサイドストーリーの所や真犯人の行動の伏線などが気に入りました。この作品もストーリーを楽しむべき作品だと思います。

No.58 5点 真夏の方程式- 東野圭吾 2012/01/24 00:19
 根本的な不満として殺人者に対する対応が一貫してないのは湯川のキャラクターを考えるとまずいと思います。
ほとんどの読者は「容疑者Xの献身」などを通過してから読むと思いますが今回の犯人だけが例外に値するようには思えなかったです。
プロット自体は既読感がありますが相変わらず読みやすいですし少年との交流も湯川の新しい一面が見られたのはよかったのですが。 

No.57 6点 白銀ジャック- 東野圭吾 2011/03/22 01:04
 予定調和な所はありますがスピーディな展開、エンターテインメント小説として楽しみました。既に何人かが挙げられていますが初めから文庫化されているのが何よりです。さっと読むには最適でしょう。

No.56 3点 あの頃の誰か- 東野圭吾 2011/03/22 00:47
 全体としては「わけあり」小説という枕詞そのままの作品集でした。
 私はそうでもないですが「秘密」好きにはそのオリジナルの「さよなら「お父さん」」は一読の価値があるかもしれません。
 「名探偵退場」は確かに一読しただけで後の天下一シリーズを思い起こす作風になっていました。
 「再生魔術の女」は面白かったです。あとの作品は正直微妙ですね。
 ただこれで新刊でお金を取るのか、と考えると確信犯的で正直不満です。それこそ作者が嫌っている古書もしくは図書館で手に入れるのをお薦めする作品集です。

No.55 6点 麒麟の翼- 東野圭吾 2011/03/22 00:35
 帯は「加賀シリーズ最高傑作」となっており作者の「看板に偽りなし」のコメントまでついていましたが個人的には全くそうは思いません。ただ加賀シリーズっていうだけでその作品世界が壊されなければ満足する自分がおりましてそういう意味ではまあまあでした。松宮刑事も登場しており看護師の金森登紀子も登場しておりまずドラマ化は間違いなさそうです。
 ミステリ度は薄く犯人も(おそらく読者が予想する誰を据えても)意外性はないストーリーですしおそらく本筋ではないのでしょう。被害者の行動の謎、息子の心情、行動の変化が主眼なんでしょうが「麒麟の翼」も含めて読者には推理不能でありその点は不満です。
 あと少しネタバレですが相変わらず作者は〇〇が嫌いなんだなあと思いました。読者側にその知識が前もってあると全体の構図がより予想通りで驚きが小さくなるのが残念です。

No.54 3点 プラチナデータ- 東野圭吾 2010/07/14 23:50
 近未来SFミステリといった印象の作品でした。相変わらず読みやすいですしおそらく売れると思いますが個人的には最近の東野作品とは嗜好が合わなくなってきました。
 神楽龍平の秘密は今では簡単に予想されるもので、プラチナデータの真相もいかにもありそうな内容で正直ほとんど予想通りでした。
 自分が楽しめてないだけで面白い作品なのかもしれませんが現時点では加賀シリーズだけが楽しみになってしまっているのが少々残念です。

No.53 4点 白馬山荘殺人事件- 東野圭吾 2010/03/08 00:56
 自分も読んだ時は暗号を読み飛ばしてしまいました。作品世界は本格そのものですが面白みに欠けた覚えがあります。
 現代では暗号とか出してもまともに取り組む読者が果たしてどれだけいるだろうかと考えると作者には申し訳ない気がします。

No.52 5点 カッコウの卵は誰のもの- 東野圭吾 2010/03/08 00:30
 今回はテーマに対する掘り下げ方が弱いと思います。犯人像も類型作はいくつもありますし犯人側からの行動についてはかなりのご都合主義が目につきます。
 遺伝子云々のストーリーもありきたりな印象です。
 読みやすさはいつも通りですがミステリの部分は非常に既読感があり面白みはもう一つでした。  

No.51 6点 新参者- 東野圭吾 2009/10/18 04:38
 久々の加賀刑事シリーズは日本橋を舞台とした連作短編集でした。一応メインとなる殺人事件もありますが聴きこみに回る加賀刑事と日本橋の住民の交流がメインの作品でした。
 本格色はうすいですがこういうしみじみした作品も悪くないと思わせてくれる作品です。加賀刑事のキャラクターもこの作品にも上手く合っていると思います。
 ただ殺人事件としては物足りないので今後の加賀シリーズに期待しています。

No.50 3点 パラドックス13- 東野圭吾 2009/05/04 00:32
 今作品はSF以外の何物でもありませんでした。この作品の世界にのめりこめる方なら楽しめると思いますが個人的にはだめでした。また「どうして彼らがその世界にいったのか」というより「どうして彼ら以外の人間が世界から消えたのか」という謎があるのですが作品にのめりこめないと正解がわかっても大して感動が得られません。
 個人的には自分がSFに合わないのが再認識された作品でした。

No.49 5点 十字屋敷のピエロ- 東野圭吾 2009/02/08 23:06
 いわゆる昔の屋敷もので起こる様な殺人事件であり昔風の登場人物たちですがむしろ懐かしい感じがして個人的には気に入っています。
 ピエロの一人称は三人称でも語れるストーリーではありますが悪くはないと思います。
 トリックはともかくいかにも本格といった趣きが懐かしく感じられる作品だと思います。

No.48 4点 香子の夢−コンパニオン殺人事件- 東野圭吾 2008/12/22 01:11
 本格的テイストも入った作品ですがやはり軽いミステリだと思いました。真相につながる「カセットテープ」もそろそろ若い人には分からなくなってきていると思い本質と関係ないところで時代を感じました。
 残念ながら東野作品というよりあの頃乱造されていたミステリの一冊の域は超えないと思います。

No.47 6点 眠りの森- 東野圭吾 2008/12/03 23:49
 他の皆さん同様初期東野作品では屈指の甘さですが作品自体は比較的楽しめました。真相に対する伏線もかなりわかりやすく言葉の端々、行動で描写されており「学生街の殺人」に少し通ずるところがあるかな、と思います。
 ただ事件が最初から起こったときに実際に登場人物がストーリー通り実際に動くものかどうかかなり疑問ではあります。犯行後の犯人の行動も正直納得できないですが読んだときは楽しめた覚えがあります。

No.46 6点 魔球- 東野圭吾 2008/12/03 23:40
 須田武志のキャラクター造形につきる作品だと思います。キャラクターが立っており作品の真相を納得させる力があると思いました。
 ダイイングメッセージの「マキュウ」の下りはあまりいらないと思いますしスポーツミステリとしてのリアリティは少し低いかもしれませんが楽しめた覚えがあります。

No.45 6点 鳥人計画- 東野圭吾 2008/11/24 02:00
 「魔球」以上にスポーツミステリとして成功している作品だと思います。薀蓄の部分も含めスポーツを全面に出して作品を成立させておりそういう点では力作だと思います。「鳥人計画」の実現性はともかくとしてお話として楽しめましたがこのメインとなるストーリーと殺人がばらばらな印象を受けてしまいます。おそらくこの作品を評価する方は殺人のトリックより「楡井」の造形や「鳥人計画」のストーリーを評価するのではないかと思います。ミステリとしての単純な評価ではやや低いかもしれませんが個人的には作者の初期の意欲作として評価したいです。

No.44 5点 依頼人の娘- 東野圭吾 2008/11/24 01:42
ノン・ポシェットだからかあまり評判にならない短編集ですが個人的にはそんなに悪くないと思います。
 本格的構成に一ひねりを加えてる作品もあり個人的には「罠の中」は良かったと思います。
 設定もあまり読者に訴えるものはないですが少なくとも本格を意識した作品群でありまあまあでした。「殺人現場は雲の上」よりは全然いいと思います。

No.43 4点 夜明けの街で- 東野圭吾 2008/11/17 00:02
 部下と不倫する中年男性の視点で語られる東野作品では珍しい作品でした。「秋葉」という女性を描写するためなのでしょうが結局この作品の真相、動機(?)を踏まえると不倫の描写がやはりくどい感じです。一種のミスディレクションの狙いもあるのかもしれませんがページ配分と狙いが合っていない気がします。

No.42 6点 ガリレオの苦悩- 東野圭吾 2008/11/16 23:51
 ガリレオシリーズの短編集も三冊目になりましたが作品世界がシリーズキャラクターに合った題材が選ばれているのは流石です。
 個人的には「操縦る」が一番気にいっています。他作品も相変わらずトリックの解明を見せられて納得するだけでしたが内海刑事がシリーズキャラクターに加わり良いアクセントになっていると思います。ただ作品上女性ならではの視点からポイントに気づくことが多かったですが実際の捜査でそこまで男性捜査陣が「女性的視点」を見落とすことはない気もしました。
 容疑者Xの献身辺りから作者の狙いが大きなトリックから心理的なものにシフトしてきた気がします。それはそれで良いのですが大技系もたまには期待したいです。

No.41 6点 聖女の救済- 東野圭吾 2008/11/16 23:41
 最初から犯人がわかっていてどんなトリックで殺人をおかしたか、の一点の作品ですが確かに個人的に初めてみたトリックとはいえこんなこと実現可能なのか、というよりこれを実現する女性というのがイメージしにくいです。あまりやられた感じはしませんでした。
 ストーリーが長くても読ませる力はいつも通りですがさすがに今回は少し長いとおもいました。
 警察が無能で湯川が解き明かす、という単純なストーリーではなく草薙刑事も内海刑事も丹念な捜査を行っていくストーリーには好感もてました。

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こうさん
ひとこと
 私の採点で10点は単なる好みです。10~20年前の初読時の印象で不当に高いのもありますが気にしないでください。トリックものは古臭くても昔初めて触れたトリックだったら高得点の傾向が高いです。
 ガイド...
好きな作家
泡坂妻夫、有栖川有栖、東野圭吾、岡島二人、梶龍雄 
採点傾向
平均点: 6.29点   採点数: 649件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(60)
有栖川有栖(32)
岡嶋二人(24)
折原一(22)
連城三紀彦(20)
泡坂妻夫(19)
石持浅海(17)
梶龍雄(17)
法月綸太郎(12)
東川篤哉(11)