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[ 本格/新本格 ] 海の碑 |
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斎藤栄 | 出版月: 1977年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
講談社 1977年11月 |
中央公論社 1995年04月 |
No.1 | 5点 | 空 | 2015/10/14 22:13 |
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随分前に読んだ時、かなりおもしろいと思った作品です。講談社文庫版解説で、権田萬治氏も、「この系列の氏の作品の中では…最も優れたものの一つ」と書いていますが、確かに再読してみると、2/3ぐらいまでは謎の提出の仕方、公害問題との絡め方など、なかなか感心させられる構成になっていることを確認できました。しかしその後にある「誘拐」の章はどう見ても不要に思われます。犯人側からしても全く無意味で、かえって馬脚をあらわす危険性があるだけです。また犯人側がどうやってその人物の行動を知ったのか、誘拐手順をどう計画したのかも疑問です。
環境破壊テーマの追及も、社会派作家に比べると最終的には今ひとつ手ぬるい感じでしたし、中心となるアリバイ・トリックの中で死体移動の方法が(十分可能ではあるとは言え)明確に示されていないので、誘拐部分は切り捨て、そのあたりを書き込んでもらいたかった作品でした。 |