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[ サスペンス ]
髑髏の檻
モビール市警殺人課カーソン・ライダー刑事
ジャック・カーリイ 出版月: 2015年08月 平均: 7.00点 書評数: 4件

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文藝春秋
2015年08月

No.4 6点 レッドキング 2023/10/15 23:17
親に捨てられ地下へ売られ、拷問の様な過酷な幼少期訓練を得て、ローマ剣奴や闘犬闘鶏の如く、「地下格闘家」となった男達・・タイガーマスク「虎の穴」やね。残虐ここに極まる連続殺人との連結や如何に・・肛門から腸内にぶち込まれた灼熱コテ棒!(๏Д⊙)!!って・・・。今回は相棒の女刑事と情事に落ちる主人公・・女検死医や女報道記者、毎度ながら三十路四十路の曲者女がお好きで、大人の男やねえ・・。 あのペットの超混血犬「ミックスアップ(!)」がよいな。
※「永遠の仔」「白夜行」アンドリュー・ヴァクス、このところ同主題の小説を偶々思い出すが、巷でも新興宗教・アイドル事務所の、似た様な茎=年少者「虐待」報道が喧しい・・今までがスルーし過ぎだったのかもね。

No.3 8点 あびびび 2017/06/16 14:54
なぜ猟奇的な事件が起きるのか?今回の背景はそれがよくわかる。納得してしまった。

それにしてもこのシリーズは面白い。9点、10点がつく作品ではないが、いずれも内容の面白さは保証済みだ。猟奇的事件に対して、ぼく(刑事カーソン)がうまい具合にクッションになっていて、不気味さを和らげている。

No.2 7点 E-BANKER 2015/11/22 21:05
モビール市警刑事カーソン・ライダーシリーズの第七弾。
巻末解説によると第六弾はシリーズの番外編という位置付けのため、本作の方が先に訳出されたとのことだが・・・

~刑事カーソン・ライダーが長期休暇で赴いたケンタッキー州の山中で連続殺人事件が発生。犯人はネット上での宝探しサイトで犯行を告知し、死体はどれも奇怪な装飾を施されていた。捜査に巻き込まれたカーソンの前に現れたのは、実の兄にして逃走中の連続殺人鬼ジェレミー。ディーヴァーばりのスリルとサプライズで人気のシリーズ最新作!~

もはや安定感抜群っていうレベルに上り詰めた感もある本シリーズ。
今回もこれまでと同様に高レベルの作品だった。
前々作の「ブラッド・ブラザー」に続き、地元モビールを離れた土地での事件のため、勝手の違う捜査を強いられるカーソン。
毎回のように登場するヒロイン役は、今回は“男言葉”を使いこなす地元刑事のチェリー。
当然のように深い仲になっていく二人と、敵役として登場するFBIの女性捜査官。
とにかく本シリーズの主要登場人物はどれもキャラが立っていて、実に生き生きと動き回る。

本筋の事件は、今回もサイコパスが引き起こした連続猟奇殺人事件。
本格ミステリーでいう「見立て殺人」の如く装飾を施された死体。そして、この「見立て」の意味は終盤で明らかにされる。
中盤はやや混沌としていたのだが、ここを機に一気にスピードアップが図られ、一気に終盤になだれ込む。
本シリーズはとにかく「謎の提出」⇒「謎の深まり」⇒「ふとしたきっかけ」⇒「謎の解明」というリズムが実にいいのだ。
(本作では序盤から伏線の連続なのだが・・・)

本作ではジェレミーの存在も良いスパイスになっている。
本筋の事件と彼がどのように絡んでいるのか?
なかなかはっきりしなかったのだが、いかにも彼らしい役回りを与えられている他に、本作では「弟思い」の一面も披露することになる・・・
動機もなかなかスゴイ!
この動機を見せられた後なら、タイトルの意味にも十分納得がいく。(まさに「檻」だな)

ディーヴァーの後継者的に紹介される作者だが、作品としてのまとまりなら本シリーズの方が上なのではないか?
それくらい高い評価をしても良いと思える作品。次作も実に楽しみ!
(結局愛犬ミックスアップは彼女に“誘拐”されたってこと?)

No.1 7点 kanamori 2015/08/18 20:08
長期休暇を取ってケンタッキー山中でひとり大自然を満喫していたカーソン刑事は、携帯電話に女性の声で事件発生の知らせを受ける。訝りながら現場の空き家に向かったカーソンが発見したものは、世にも異様な工作を施された惨殺死体だった----------。

アラバマ州モビール市警察のカーソン・ライダー刑事を主人公とするシリーズの第7作。(ひとつ前の6作目はシリーズ番外編のようで未訳になっています)。
相棒のハリーと離れてカーソンの単独行動となるのは、ニューヨークが舞台だった「ブラッド・ブラザー」と同様ですが、今作ではケンタッキーの渓谷、大自然を背景に猟奇的な連続殺人を描いているのが目を引きます。
地元の保安官や州警察にFBI捜査官が加わり、捜査の主導権争いとなるのはまあ定番と言えますが、そのなかの地元警察の女性刑事チェリーの男前すぎる言動がいい味を出していて萌えますねw  また、カーソンの実兄で天才的殺人鬼ジェレミーの意外な登場と、それに関連するお茶目な仕掛けには驚くより笑ってしまいました。やはりこのシリーズはジェレミーが出てきて捜査を引っ掻き回す展開になると面白さが増すように思います。
本格ミステリというよりスリラー要素が勝っているように思いますが、今作も期待を裏切らない出来栄えという評価。ちなみに、犯行を告知する謎の記号”=(8)=”の意味については、カーソンより先に気付きました。


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