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[ 警察小説 ] 凍える街 ハンネ・ヴィルヘルムセン警部シリーズ |
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アンネ・ホルト | 出版月: 2014年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 3件 |
東京創元社 2014年12月 |
No.3 | 6点 | E-BANKER | 2023/04/23 14:05 |
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物語の舞台は北欧の国・ノルウェーの首都オスロ(行ったことないけど、行きてぇー)。オスロ市警を揺るがす大事件はクリスマスを控えた12月19日に始まり、年の瀬の12月28日に終わった。
確かに“凍える”ような寒さなんだろうな、というのが行間からも伝わってくるような気が・・・ 2003年の発表。 ~ハンネ・ヴィルヘルムセン。オスロ市警の腕利き女性犯罪捜査官。同性のパートナーと家政婦という少々いびつな家族と過ごすクリスマス休暇に入ろうとしていた矢先の真夜中近く。相棒のビリーTから緊急の呼び出しを受ける。近くのマンションで四人もの他殺死体が発見された。被害者は海運会社の社長とその妻、長男。そして身元不明の男・・・。捜査線上に浮かんだのは会社の継承を巡る長男と次男の確執だった。相続がらみの事件か? だがハンネは四人目の犠牲者が気になっていた~ ハンネ・ヴィルヘルムセン(長く、覚えにくい名前だ・・・)。本作の主人公となるオスロ市警の女性警部である。市警きっての腕利きであるとともに、同性愛者かつ幼いころからの家族の問題を抱えている・・・。 本作のテーマはもちろん、四人もの男女が同時に殺害された大事件なのだが、それと同じくらいの分量で、ハンネにまつわる“あれこれ”が語られることになる。 本シリーズ初読みの私にとっては、まぁそれ自体は許容範囲ではあったが。 彼女が「闇」を抱えているのは確かで、ただ同時に“鼻の利く”優秀な捜査官として描かれている。 ただし、物語は遅々として進まない。殺されたうちのひとり、家族以外の第三者である男。この男が事件のカギを握りそうだという示唆こそ早い段階からあるものの、結局真相が判明するのはページ数もかなり押し迫った最終盤の段階となる。しかも、まあまあの唐突さで。 真犯人としては、警察小説の世界では「よくある手」ではある。動機も「いかにも」。 その当り、きれいにまとまったと言えなくもないけれど、長々と読まされた割には予定調和だったなと見ることもできそう。 まぁ本作はミステリー的なガジェットを期待するような作品ではない。ハンネという魅力的な主人公の「生き様」と彼女たちが住む街・オスロの町の息吹を感じるための小説といえそうだ。 警察小説としては彼女とビリーT以外の警察官の描写が少ないので、そういう群像劇が読みたい方には食い足りないかもしれない。いずれにしても、他のシリーズ作品も読んでみたいと思わせてくれる作品ではあった。 |
No.2 | 6点 | YMY | 2018/09/01 09:51 |
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クリスマスも近いオスロの街で、会社社長の家で4人が殺された。女性刑事ハンネと同僚たちが真相を追う10日間の様子が描かれている。
捜査と並行して語られるのがハンネ自身の私生活。同性愛者であり、それゆえに家族との間に確執を抱えている。自身の生き方に悩みつつ犯人を追うハンネの姿が印象に残る。苦い味わいが魅力の作品。 |
No.1 | 6点 | 空 | 2016/04/03 22:43 |
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ハンネ・ヴィルヘルムセン警部シリーズの第7作と言っても、翻訳されたのは本作までで4冊だけです。
最後ハンネがどうなったかは、あいまいなままにしてありますが、それは作者自身この後シリーズをどうするか、決めかねていたからではないかと思われます。それにしても、彼女は作中で他の者から批判されるほど一匹狼という感じはしませんでした。自分の考えを述べないのも、自分自身の中でも言葉にできるほど固まっていないからと思えます。メグレ警視が「私は何も考えない」と言うのに近いかもしれません。 読者に伏線を提示しておくタイプの作品ではないにもかかわらず、犯人の人物像はなんとなく予想はできてしまいました。しかしそれより、ところどころに挿入される弁護士未亡人とその息子のエピソードが、事件解決にそれほど決定的な役割を果たしていないところが気になりました。 |