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[ 警察小説 ]
沈底魚
曽根圭介 出版月: 2007年08月 平均: 5.50点 書評数: 4件

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講談社
2007年08月

講談社
2010年08月

No.4 4点 パメル 2025/01/19 19:30
現職の国会議員が中国に機密情報を漏らしていると、中国人外交官が証言したと新聞記者がすっぱ抜いた。警視庁公安部の刑事である不破は、警視庁外事情報部の凸井理事官が率いる捜査班に組み入れられた。やがて潜伏中のスパイ(スリーパー=沈底魚)である国会議員が、政界のサラブレッドであり将来の首相候補と評判の芥川健太郎であるという情報が伝わってきた。そんな折、不破の秘書を務めていた伊藤真理が失踪してしまう。不破はスパイ摘発と、各組織の思惑が絡み合う複雑な事件の渦中に巻き込まれていく。
地味なプロットを支えているのが、抑制の効いた文体と簡潔で的確な会話である。また個性的な刑事たちをはじめとしたキャラクターの造形にも秀でている。その堅牢な枠組みの中で、二転三転するプロットが展開されるのだが、結局は芥川がスパイであるか否かという、表裏一体の謎が反転するだけなので驚きが持続しないのが残念。選考委員の一人が指摘しているように「物語の進められ方が後出しじゃんけん的すぎる」と言いう評はごもっとも。都合の良すぎる展開は、やはり腑に落ちない。

No.3 5点 E-BANKER 2011/11/11 16:49
第53回江戸川乱歩賞受賞作。
「スパイ小説」と呼ぶべきか、「警察(公安)小説」と呼ぶべきか迷う作品。

~現職の国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警察庁から女性キャリア理事官が派遣されるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総裁の呼び声高い1人の男だった・・・~

ミステリーとしてのジャンルはともかく、いかにも「乱歩賞受賞作」という感じがした。
主人公は、無頼派の公安刑事。とある事件が発生するが、途中まで事件の構図探しが続き、1つの流れが見えてくる。
解決と思いきや、ラストにドンデン返しが待ち受けて・・・
まぁ、簡単にまとめると、こんな展開のプロット。
いかにも、っていう感じは拭えない。
確かにデビュー作としては達者だと思います。人物造形はちょっと深みに欠けるかなとは思いますが・・・
公安刑事同士の「化かしあい」という展開も、既視感はあるけれど、まずは及第点でしょう。

けど、スパイっていったい「何重」まであるんでしょう?(二重スパイとか、三重スパイとか出てくるので・・・)
まっ、この手のジャンルが好きな方であれば、「味見」をしてみる価値くらいはあるかなと思います。

No.2 6点 itokin 2010/12/20 10:05
スパイ物は、裏切り、2重スパイ、暗号名とややこしくて疲れる。おまけに中国が絡んでいるとなおさらだ。よく調査をして書かれているが主人公は、不破でなく五味にしたほうがより重厚に書けたのではないか。
文体、キャラクターもしっかりしてスピードもあるのでこの人の今後が楽しみ。

No.1 7点 akkta2007 2007/10/11 20:01
第53回の江戸川乱歩賞を受賞した作品であった。
初めて読んだ曽根氏の作品であるが、最後まで飽きることなく一気に読むことが出来た。
作品内における刑事たちの表現も確かなもので良かった。
ひとつ感じたのは、中国等ではなく、国内の話であればよりわかりやすく、良かったのではないかと?思った。(相手が中国でなければ話の展開ができないかも知れないが・・・・)
しかし、現在の社会情勢を十分ふまえた十分に内容のある、読みごたえのある作品であった。


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