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[ 短編集(分類不能) ]
殺人を選んだ7人
迷宮課シリーズほか
ロイ・ヴィカーズ 出版月: 1967年02月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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早川書房
1967年02月

No.1 5点 kanamori 2015/06/28 17:20
ロンドン警視庁のレイスン警部が登場する迷宮課シリーズ3編に、単発もの4編を加えた第4短編集。全般的に犯罪ドキュメント風の語りが洗練されてきて、初期作と比べると読みやすくなったと思える反面、ミステリ的な面白さが減退してしまっているという印象をうけた。

タイトルからは、倒叙形式で犯人の内面や動機の部分を深く掘り下げるタイプの作品群を想像していましたが、複雑な家庭関係内での連続毒殺事件を扱った「デイジー家殺人事件」や、自家用船舶上のパーティで多情な女性が殺される「招かれぬ女」など、限られた集団内でのフーダニットが多かったのは意外でした。ただ、謎解きとしてはこれといった工夫は見られず、出来はいずれも平凡です。
そんななかで、ちょっと印象に残った作品は、同居する友人を殺害されたオールドミスが犯人を捜し出す話の「信念に生きる女」で、主人公がラストにとる異様な行動が皮肉的です。
また、夫婦と友人たち男女4人が集う場での毒殺事件を扱った「老嬢の証言」もまずまずで、毒殺トリック(と表現するのは適切かどうか)は、ある意味では前代未聞と言えるかもしれない。


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ロイ・ヴィカーズ
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