皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ パスティーシュ/パロディ/ユーモア ] 消しゴム |
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| アラン・ロブ=グリエ | 出版月: 1959年01月 | 平均: 6.33点 | 書評数: 3件 |
![]() 河出書房新社 1959年01月 |
![]() 河出書房新社 1970年01月 |
![]() 河出書房新社 1978年05月 |
![]() 光文社 2013年08月 |
| No.3 | 6点 | クリスティ再読 | 2026/07/10 10:38 |
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| ヌーヴォーロマン、ということなんだけどもね。「嫉妬」と比べたら断然読みやすい小説。定型的なミステリのパロディと理解した方がいい。
というか、古典的なミステリの形式で探偵役の視線というのは、当然だけど登場人物たちの心理を透視するわけにはいかない。透視できたら一瞬で事件は解決だ(苦笑)だから、登場人物の外面も「もの」も視線に対して不透明な「もの」として現象せざるをえない。「もの」の表層に留まる視線の物語として、ミステリを再構成してみた、ハイブリッド小説と読むべきなんだろうな。「嫉妬」だと事実上の読み心地は三人称ハードボイルドなんだけども、本作は一人称ハードボイルドの世界だと思うんだ。 いや三人称で他の人物の心理描写もあるじゃん?という反論はあるだろうね。でもさあ、評者はあくまでヴァラスの固定視点で、その他の人物の主観描写は一部の例外(序幕と終幕のカフェ主人描写)を別にして、ヴァラスの想像に近いものとも感じるんだ。だからあれほどまでに首尾一貫していない。雰囲気的には90年代に流行ったサイコスリラー映画で空想妄想がいちいちリアルな絵で描写されるような感覚かな? そして、まさに最初の探偵かつ最初の犯人であるオイディプスへの示唆が繰り返される。フィアリングの「大時計」みたいな小説じゃないのかな? |
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| No.2 | 7点 | 空 | 2017/12/08 22:58 |
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| 「難解」「散文詩的」等と評されがちなロブ=グリエですが、後の『覗くひと』や『迷路のなかで』に比べると、確かに新訳だからということも多少あるでしょうが、このデビュー作は非常に読みやすく、そのことに驚かされました。複雑緻密な文章による執拗な反復の中に閉じ込められたような気がするのを覚悟していたのですが、様々な人物の視点を次々切り替えながらどんどん話が進んでいき、とりあえずは普通におもしろいのです。反復性は、捜査官ヴァラスが特別な消しゴムを買おうとすることぐらい。この程度の難解さならカフカや安部公房並みで、普通のミステリ・ファンにも一応お勧めできます。
偶然を重ねたシニカルな結末にしても、巻末解説に安部公房の『燃えつきた地図』を引き合いに出して述べられている「謎解きを宙づりにする謎解きミステリー」パターンではなく、驚くほどまともです。まあ全然解決のついていない細部はいろいろありますけれど。 |
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| No.1 | 6点 | kanamori | 2013/11/12 18:05 |
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| 特別捜査局のヴァラスは、殺人事件の報せを受け運河と跳ね橋のある街にやってきた。しかし犯人も被害者の遺体も見当たらず、関係者たちの曖昧な証言に迷宮のような街を右往左往するのみ-----。
戦後フランスにおきた文学革命”ヌーヴォー・ロマン”の旗手、アラン・ロブ=グリエの処女作です。解説を読んでもボンクラ頭にはそれまでの文学とどう違うのかいまいち分かりません。捜査の合間にヴァラス刑事が文房具屋で消しゴムを買い求める場面が何度か挿入されるなど意味不明で、こういった何を象徴する描写なのか読者に委ねる試みは前衛的なのかもしれません。ただ、実験的・前衛的といっても、文章自体は平明で、新訳ということもあって非常に読みやすいです。 本書はミステリ(のパロディ)のある趣向を取り入れた文学となっていて、解説では「黄色い部屋」や「アクロイド」を引き合いに出していますが、この仕掛けで一番に連想したのはピーター・アントニイの「衣裳戸棚の女」でした。 |
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