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[ 社会派 ]
石の下の記録
大下宇陀児 出版月: 1951年01月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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岩谷書店
1951年01月

春陽堂書店
1953年01月

河出書房
1956年01月

講談社
1973年01月

双葉社
1995年05月

No.1 7点 2013/05/08 23:09
昭和23~25年に雑誌に連載され、昭和26年の探偵作家クラブ賞を受賞した作品です。戦後の時代状況を捉えた風俗小説として評価が高く、木々髙太郎が絶賛したというのも納得できます。高木彬光『白昼の死角』のモデルにもなった光クラブ事件もいち早く取り入れられています。しかし今回久しぶりに読み直してみて、ただ当時の風俗というよりむしろ社会派の先駆的作品であるとの印象を強く持ちました。
謎解き的な興味から言えば、確かに弱いでしょう。トリックのための言い訳はやはり苦しく、誰でも怪しいと気づいてしまいます。またトリックと今書きましたが、実はそう呼べるほどのものでもありません。動機にもなった犯人のある誤解については、そのことが語られる場面での人物出入りを工夫すれば誤解に説得力が増したのに、とも思いました。そういった不満もありますが、全体的には楽しめました。


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大下宇陀児
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