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[ 警察小説 ]
誘拐
星野警部シリーズ
五十嵐貴久 出版月: 2008年07月 平均: 7.00点 書評数: 3件

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双葉社
2008年07月

双葉社
2012年05月

双葉社
2019年01月

No.3 7点 ぷちレコード 2021/06/29 22:42
総理大臣の家族を巻き込む前代未聞の事件が展開していく。
韓国大統領の来日を間近に控えた東京は、これまでにない厳戒態勢が敷かれていた。歴史的な条約締結を控えていたためだ。そんな時に首相の孫娘が誘拐された。密かに捜査を進めていく警察。しかし、全く痕跡を残さない犯人たちの綿密な犯罪計画の前に翻弄されるばかりだった。やがて事件は解決へと向かっていったのだが。
犯人側の視点から犯行のほとんどが語られていくものの、政府や警察側は事件の着地点と目的がいつまでも判然としないまま混乱するばかり。多くの「誘拐」ものの醍醐味は、誘拐された者の身の安全と身代金の受け渡しに関する犯人と警察の攻防だが、ここでは二重三重に意表を突かれてしまう。
結末には、単なる誘拐事件を扱った警察小説にとどまらない驚きが待ち受けている。

No.2 7点 メルカトル 2014/06/27 22:30
これだけの長尺なのに長さを感じさせない、緊迫感を持続する圧巻のサスペンス巨編。勿論、警察小説や社会派としての側面も持ち合わせている。
日韓友好条約締結のために来日する韓国の大統領警護のために、厳戒態勢を敷く最中、現総理大臣の孫娘が誘拐される。警察側は北の工作員の仕業と断定するが、実は犯人は最初から読者に明らかにされている。では何のためにとてつもないリスクを冒してまで、総理の肉親を誘拐したのか、という命題がこの物語を引っ張っていくことになる。やがて犯人からの要求が、一般市民から警察に電話で連絡されるが。
登場人物が多く、頭を整理するのが大変だが、無駄な描写は一切なく、微塵も冗長さを感じさせないのは素晴らしい。犯人の孝介は勿論だが、主要人物の中で唯一ノンキャリアの星野警部の存在感が光っている。低い物腰ながら、自らの主張ははっきりとするという、叩き上げならではの老練ぶりを発揮していて、彼の言動には惹かれるものがあると感じる。結局、孝介対星野という構図がうっすらと見えてくる。
途中から小骨のように引っ掛かっていた疑問が、まさかの形で・・・っとここからはネタバレしてしまいそうなので、割愛する。
とにかく、私が今まで読んだ誘拐ものの中でも、そのスケールの大きさや捻り具合などは抜きん出ていると思う。数ある誘拐ものではあるが、本作はどの作品にも負けていないくらいのポテンシャルを持った傑作ではないだろうか。

No.1 7点 ドクターマッコい 2013/03/04 13:31
現職総理大臣の孫娘を誘拐すると言う設定もユニークで
その後の展開、ラストも十分納得できる作品でした。


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五十嵐貴久
2019年03月
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