海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 警察小説 ]
交渉人
交渉人シリーズ
五十嵐貴久 出版月: 2003年01月 平均: 5.67点 書評数: 6件

書評を見る | 採点するジャンル投票


新潮社
2003年01月

幻冬舎
2006年04月

No.6 7点 2015/07/04 12:34
病院に立て籠もるコンビニ強盗たち。彼らに対峙するのは、交渉人の石田警視正。彼には、かつての部下である女性警部・遠野が補佐としてつく。
交渉は難航しながらも、解決へ向けてたんたんと進んでいく。
そして解決へ、という流れのはずだったが、事件は思わぬ展開へ・・・

渾身の力をこめて書いたデビュー作、ではなく2作目だったようです。
最終ページには参考文献まで掲載されています。気負いも感じられるし、十分に準備し、推敲して書いた、賞に応募したのではないかというほどの作品だと思っていたのですが。
最近読んだ「南青山骨董通り探偵社」は、著者がベテランの域に入って書いた、余裕の箸休め的な作品ということなのでしょう。

(以下、ネタばらし傾向な文章となっています)

石田の交渉には余裕がある。米映画の「交渉人」の交渉にくらべれば、たしかにゆったりしている。
でも個人的には、遠野警部が不振がらずに補佐していたわけだから、作中における「交渉人」の仕事を疑うことはなかった。
むしろ、すさまじい筆力に感心するばかりだった。
ただ動機はありきたり。しかもその動機を終盤に延々と語るのは、あまりにも普通すぎる。
そこにドラマがあるのだけど、さらにひと工夫ほしいな、という感じはした。

かなりの出来だと思っているが、これまでの書評を見ると、そうではないような感じもする。
たぶん、否定的な書評から読み取れる本書のミスは、交渉人の仕事はこんなものだと、遠野警部の視点を交えて念を押しながら描いてあるのに、その仕事があまりにもゆったりとスムーズに進むので、早い段階でこんな仕事じゃないはずと読者に思わせてしまったこと。だから、きっと犯人はアイツだろう、ということになるのだろう。
これが著者のわずかなミス。

まあでも、超弩級・社会派警察サスペンス作品だとは思います。

No.5 5点 いけお 2012/05/27 02:26
楽しめたが、無駄が多くも感じた。真犯人はばればれ。

No.4 6点 メルカトル 2012/04/23 22:12
これは・・・何を書いてもネタバレしそうだ。
取り敢えず、最終章までと最終章との落差にびっくり。
読者はよく注意して読まなければならない、もし中盤までに何らかの違和感を覚えたのならば、それが真相を暴くヒントになるだろう。
総合病院をジャックした犯人と、交渉人である警視正石田のやりとりはどことなくのんびりした雰囲気が漂っていて、緊迫感に欠ける。
勿論それには理由があるのだが・・・
これ以上は書けないな。

No.3 4点 江守森江 2010/06/27 23:37
作者の作品マネージメントをドラマ制作会社がしている(詳細不明)からか?やたらとドラマ化される。
書かれた少し前からアメリカの映像作品で流行りだしたプロファイリングを用いた交渉術を描いていて、ドラマ化が前提にありそうな作品だった。
交渉人と病院立てこもり犯が心理戦を繰り広げる作品にしては都合良くスムーズ過ぎる前半に違和感を感じた。
前・後半で実質の主人公がチェンジし、上記の違和感を後半の主人公が察する展開は、この手の設定では、ありふれた意外な犯人のパターンだった。
二時間ドラマにキッチリ嵌る作品なので、仕事をこなす作者のプロ意識は褒められる。
その一方で、作品レベルは二時間ドラマの域を出ない。

No.2 6点 E-BANKER 2009/09/09 22:28
途中までは、警視庁一の腕利き交渉人(ネゴシエーター)と病院立てこもりグループとの闘いを良いテンポで描いており、質のいい映画のような展開です。
後半に入ると話が一転、主役が入れ替わり、「実は・・・」という驚きのラストを迎えます。
なかなか練られていると思いますし、水準級の面白さは感じます。

No.1 6点 itokin 2008/08/14 09:30
途中この作品は緊迫感がないなあ、作家の力量かと思って読んでいたがそれが最後で解った。俺って馬鹿だなあ・・・。


キーワードから探す
五十嵐貴久
2019年03月
マーダーハウス
平均:5.00 / 書評数:1
2015年12月
降りかかる追憶
平均:6.00 / 書評数:1
2015年06月
魅入られた瞳
平均:5.50 / 書評数:2
2015年03月
南青山骨董通り探偵社
平均:4.67 / 書評数:3
2014年10月
六つの希望
平均:5.00 / 書評数:1
2014年07月
最後の嘘
平均:5.00 / 書評数:1
2014年04月
消えた少女
平均:6.00 / 書評数:1
2013年12月
キャリア警部・道定聡の苦悩
平均:5.00 / 書評数:1
2013年06月
リターン
平均:5.67 / 書評数:3
2010年06月
交渉人・籠城
平均:6.00 / 書評数:1
2009年02月
パパママムスメの10日間
平均:2.00 / 書評数:1
2008年07月
誘拐
平均:7.00 / 書評数:3
2008年01月
相棒
平均:5.00 / 書評数:1
2007年09月
交渉人・爆弾魔
平均:5.00 / 書評数:3
2006年10月
パパとムスメの7日間
平均:2.00 / 書評数:1
2005年01月
TVJ
2004年09月
Fake
平均:4.80 / 書評数:5
2003年01月
交渉人
平均:5.67 / 書評数:6
2002年01月
リカ
平均:6.33 / 書評数:3